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生命の行方・第二部  作者: 杉谷ゆぬの(果樹)
第5章・もう一人のナハネ族
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彼女のこころ

「ウィン先生……やっぱり、わたし……」

ユキちゃんは立ち止まる。

「どうしたんだよ……?ユキちゃん、俺に言いたいことがあるの?」

「先生、わたし……まだ警察に捕まるわけにはいかないよ……」

「……理由を、教えてくれる?」

「……わたしは……わたしたちを苦しめるあの人たちを……野放しにはできないの……!だから……」

「……そういうことか」

ユキちゃんは……俺たちの知らないところであの組織に苦しめられてたってことか……。

「……接触されたんだな?どういう方法かはともかく、ユキちゃんはあいつらになにか、されたんだな?」

「ち、違う……!なにも、されてないよ!」

ユキちゃんは頑なに頷かない。

「……ユキちゃんはひとりで戦うつもりなのか?そんなの、俺は認めるわけに行かない」

ユキちゃんは……俺たちを巻き込みたくないんだろう。

同じ立場のトシタカでさえも。

「ユキちゃんは、俺たちを巻き込みたくないんだろ?……でも、今はまだ危ないよ」

「じゃあ、いつならいいの!?安全になる日なんて来るの!?そんなの……待ってられないよ!!!」

ユキちゃんは、トシタカを襲い、自らの手で組織を倒そうと計画してたんだ。そしてそれは、少し予定とはずれながらも、確実に進んでいる。

「ウィン先生……お願いだから……邪魔、しないで……!!」

ユキちゃんは右手をナイフの形に変えた。

マジかよ、ユキちゃん……本気だぞ……!?

だが、俺は対抗できるものは持っていない。今の俺の持ち物で使えそうなものはボールペンくらいしかない。

「俺は邪魔をする気はないよ。でもな……ユキちゃん、君は嘘をつくのか?さっき言っただろ?警察に全部話すって。あの言葉は嘘か?」

ユキちゃんは俯き、ゆるゆると首を横に振って右手をおろした。

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