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タンク・ワールド  作者: 米 三昧
7/65

第七話 シュナイダー突撃戦車

拙作をお読みいただき誠にありがとうございます。

元気がでたので、連日投稿です。

よく、他の作者さんが読者の皆さんのお蔭ですとかいってるのを見て

けっとか言ってました。御免なさい。本当ですね。

読んでもらえると嬉しいものです。

やってみないと解らない事は多いですね。

 なんてこった。源さんは実に珍しい事に、店にいなかった。

商工会の寄合とやらに行ったらしい。何故らしいなのかと言うと。

 コンドルとファイスが居たからだ。彼らから聞いた。

 なんでもこないだの事・・・泥だらけの戦車を洗車してもらった件。

でお礼を言ってから出かけるつもりで来た所、ついでに消耗品を買っておこうと思ったらしい。

 商工会にでるから勝手に持ってけと言われたらしい。実に源さんらしい。

でも良い子はまねするな?源さんの場合。金払わずに逃げたら地獄の果てまで追ってくるぞ?

元凄腕ハンターは伊達じゃない。

 あの人の腕の良さは良くわかっている。狙撃ポイントマップを作成する時。

初日に朝まで飲んだあの日・・・この人は凄いなと思ったものだ。


 「ところでお前ら、これから狩りか?・・・ちょっと手伝って欲しい事があるんだけど。」

 コンドルとファイスは顔を見合わせた。

 「剛志には借りがある。できる事ならなんでも言ってくれよ。」

 「それじゃあ・・・」


--- 1時間後 ---


 剛志は剛丸に乗ってM25ドラゴンワゴンの元へ向かっていた。

コンドルとファイスには先行してもらった。

 M25は無事だろうか。・・・いやすでに無事ではないんだが、修理不能ではなかったはず。

エンジンは動いたし、ウィンチも動いた。ブレーキは故障してたが。

 荷台も無事ではなかった。剛丸を下すのに苦労した。タイヤも往かれてた。

 でも牽引不能ではなかった。コンドルとファイスのⅢ号とⅣ号なら引っ張れるはず。

気が急くのを抑えてアクセルべた踏み。

 そんな時に限って獲物がやってくる。

 オールドリガーターの群れに遭遇した。


 ふざけんなこら!


 気が急いている剛志は躊躇なく攻撃開始。機関銃と主砲を撃ちまくって。ふきとばし、

さっさと先を急いだ。


 てれってれってー。こんな時に進化。・・・まあ、群れを一網打尽にしたから当然といえば当然。


シュナイダーC突撃戦車A2はシュナイダー突撃戦車CA3に進化した。

 車体後部が延長された。車体前面に機関銃2丁追加。キューポラが車体上面に2つついた。

何故2つも?・・・いい、そんなんどうでもいい。M25は無事か?


 スキルは掃射Lv1が付いた・・・ 機銃掃射により敵を怯ませる事ができるらしい。LVアップで

                能力上昇。


 うおおおーーーっM25たん無事でいてくれーーーっ

 全速前進時速8Km

 頑張った。俺頑張った。

 現場に到着した。


 ・・・が、そこには困惑したコンドルとファイスが。

 な、何かあったのか?もしやM25に何か・・・


 「すまん。剛志。牽引装置無いわ。もってくんの忘れた。」

 ああああーーーっ忘れてた。コンドルは天然風味だった。

 普通は車を牽引するのに何の用意も無いとか無いわ。

 まあ、急がせたのは剛志のせいなので、何も言えない。

 「で、で、で」

 「落ち着け。」

 剛志慌てすぎ。

 「M25は牽引可能か?何かパーツかっぱがれてないか?」


 「それは大丈夫だと思う。軽く見てみた感じそれはないかな?」

 ファイスの声、こいつは一見能天気だが実は結構できると思う。

 「ファイスがそう言うなら一安心だけど・・・どうしようか?」


 「うん、それなんだが・・・ファイスに町へ戻って貰おうかと。」

 「・・・それがいいか。」

 この中で多分一番早いのはファイスのⅢ号戦車だろう。

 「ところで・・・さっきから聞こうと思ってたんだが。・・・剛志の戦車ずいぶん感じが変わったな?」


 うーん。今ここで聞きますか?別にさっき町で聞いてくれても良かったのに。

 聞かないから興味ないのかと思いきや、今聞くとは・・・因みにファイスは他人の戦車に興味ない

ようです。Ⅲ号戦車バンザーイだそうです。


 「こいつはおフランスの戦車シュナイダー突撃戦車だ。先程の戦闘でCA3に進化した。」

 「ん・・・CA3と言う事は、次また違う戦車に進化するのか?」

 「そう言う事になる。」

 「それは今聞いといてよかったな。また、違うのになったらさっきのあれ何?とは聞きにくい。」

 コンドル・・・お前の基準がよくわからん。

 「うん・・・せっかくだからお前らの戦車はどうなってるんだ?進化型だろ?今は・・・」


 「はいはいはーい。」

 「おおっと。そういえばコンドルのはⅣ号A型無改造っていってたな?

じゃあファイス君。」

 「あいさー。僕の戦車Ⅲ号戦車E型だよ。」

 E型か・・・Ⅲ号の初期量産型だな。AからDまでは初期試作型で台数も少ないがここから量産が始まる。

 それまでの型との最大の変化はサスペンション。トーションバーサスペンション採用。

 トーションバー式は現代戦車にも使用される優秀なサスペンションだ。


 「俺のも改めて言っておくか?Ⅳ号戦車A型だ。」

 Ⅳ号戦車はドイツ機甲師団を最初から最後まで支えた優秀な戦車。もっとも最後には力不足だったらしいが。

 流石のドイツも最後は物資不足でⅢ号も戦線に投入してる。ただ、Ⅳ号はそれなりに使えたということだろう。

 A型は初期試作型。・・・ただ、こいつは当初トーションバー式に設計者はしようとしてたそうだが、

(設計者はラインメタル社とクルップ社と最終的にMAN社も加わった。)

兵器局からはNb.Fz.(ノイバウファーツォイク)中戦車を再利用すべしとの事でリーフスプリング式になって

しまった。

 ただ、利点が全くないわけではなく、車内容積を大きくできるとか、砲発射時の安定性が良いとかがある。


 「それで、シュナイダー突撃戦車ってなに?聞いた事ないけど。」

 相変わらずずけずけと物を言うな、ファイスは。


 「フランス最初の戦車。設計だけならひょっとしたらマークⅠより早い。ただ、問題点が多くて戦線への

投入が遅れ、生産も遅れ、結局マークⅠに先を越されたんだ。実際俺はこいつで対戦車戦闘する気にはなれない。」

 「なんで?」

 なんで対戦車戦闘しないの?という意味だろうか?

 「装甲が薄い。ガソリンエンジンが火災を起こしやすい。」

 「ガソリンエンジンはディーゼルより発火しやすいだろ?」

 「そういうレベルじゃない。加熱すると自然発火する。」

 「欠陥品?・・・」

 ファイスらしい毒舌ですね。

 「なんとか直そうとはしたんだが。直る前に戦争が終わってしまい。そこで終了。」

 「・・・それは怖いな。戦車の中なんて戦闘中は熱くなる一方だろ?」

 ま、コンドルさんの言う通りです。

 「でも、流石に発火まではいかなくても暑くて戦えないという注文がついた戦車は他にもあるな。」

 「エアコンあればいいのにな。」

 「WWⅡまでの戦車には無いな。」

 「魔道があるじゃん?」

 何?そんな手が。そういえばファンタジーな世界なんだったな。剛丸を剛志一人で動かせるのもそのせい

なんだった。その辺詳しく調べるべきだな。

一度休み取って、しっかり調べるか。ハンターに休日など無い。逆に言えば毎日が日曜日とも言える。

 なんだ、浪人時代と変わらないじゃないか・・・やばい、自虐的だ。この発想は辞めよう。

 「その辺り詳しく教えてくれ。」

 「詳しくってもな。僕も魔道は専門じゃない。でもハンターやってるならある程度は詳しくなるよ。

なんたって便利だからね・・・でも前回の世界大戦(この世界では第三次世界大戦といっているようだ)の影響で

いくつかの魔道が使用不可になってる。何でも対抗魔道との影響でエーテルがどうのとか・・・よく分からない

んだけどとにかく使えなくなった魔道があるらしい。・・・そもそも何が使えるのか把握できてないだけどね。」

 「成程な。」

 「何がなるほどなんだ?剛志。」

 「まず使える魔道の把握が先ってことが分かった。」

 「ふーん。そういう考えもあるのか。」

 コンドルとファイスはうんうん言ってる。首の動きが一緒だ。やっぱりできてるんじゃ・・・

 『出来てない!!!』

 何でわかったし?

 「剛志・・・声にでてるよ。」

 それは失礼。


 結局、やっぱり源さん呼ぶ方が早いと言う事になり、それまで剛志とコンドルが見張りとして残る事になった。

 牽引機材等は持ってないのでしょうがない。どうせ源さんから買うならそのままレッカーしてもらえば良い

だろう?そりゃそうだ。ということだ。


 待つ間は、剛志はずっとぼおっとしていた。ぼおっとするのは得意だ。伊達に2浪してないぜ。

 だがコンドルは待ちは苦手のようだ。

 野営の設営したり、戦車を磨いたりしている。

 「なあ、コンドル?」

 「ん、なんだ剛志。」

 「お前とファイスってどういう付き合いなの?」

 「いや、だからできてないって。」

 「いや、そうじゃなくて、ハンター一緒にやってる理由とかさ?」

 「ああ・・・実は幼馴染の腐れ縁ってやつでな。

 二人共に戦車好きのドイツ好きって共通点があったからつるむようになった。」

 わかる。俺も昔はそういう友達が何人かいたんだが・・・なんつうか友達は大切にしようぜ?

ほっといたら縁が遠くなって、しゃべりにくくなった。

 たまに会うとやっぱり気が合って、楽しく遊べるんだけどな?縁ってやつはほっとくと消えるぞ?

めったに会わなくなってしまった。そんなのいないのと一緒だ。

 「それで一緒にハンターを?」

 「話すと長くなるんだがな?この魔道戦車とファイスともう一人。今は何やってんだろうな?あの

おっさんは・・・」

 「おっさん?」

 「進化型の軽トラクターをくれたんだよ。名前聞いてなくてな。多分ハンターなんだろうけどなあの

おっさん。」

 「ずいぶん気前がいいな?進化型は珍しいんだろ?高く売れるんじゃ?」

 「変なおっさんだったよ。ロマンがどうのとか言ってた。」

 「でも・・・お前ら思ったより凄げえな。軽トラちゃんからⅣ号にするには結構かかるんじゃ?」

 「Ⅰ号にしてB型まで上げてから、Ⅱ号にしてC型まで上げてそれからⅣ号」

 「Ⅰ号やⅡ号になれるとⅣ号は勝手が違うんじゃない?速度落ちるし、でも火力は比べ物にならない。」

 「やっぱり、大砲だよ。男の夢だろ?」

 コンドルは大型砲が好きなのか。

 「ん?てことはⅣ号を育てたらすぐにⅥ号か?」

 「パンターも捨てがたいが、Ⅵ号からⅦ号そしてⅧ号へ!」

 「Ⅷ号マウスか・・・そこからどうする?」

 「いい質問ですね。剛志。」

 「ですます調で話すなキモい。」

 「それはないだろ!」

 コンドルは笑っている。でもそっか。奴にする気だな?マジで大砲好きだなこいつ

 「剛志はどうするの?A7Vからドイツ戦車コース?それともサン・シャモンからフランス?

 マークⅣにしてイギリスもあるか・・・イタリアも行けるな。」

 「FTまではいく。あとガーデンロイドとヴィッカースだなそしてやっぱり日本だ!」

 「日本人だったのか。って言ってもこの世界の日本じゃないんでしょ?」

 「うん。だが英国面には落ちたくないし、おフランスの車は信頼性がな?」

 「じゃあドイツは?」

 「なんかありきたりじゃない?ドイツ、ソビエト、アメリカコースって王道でしょ?

日本コースはちょっと外れてる所がいいよね。最終的には強くなるし。」

 「おおっ?剛志は結構未来方面から漂流したのかい?」

 意外そうな顔してるコンドル。未来方面?ああ成程、この世界に漂流してくる人の履歴は

まちまちだ、時代もまちまちなんだろう。そのカオスがこの世界の科学と魔道を発展させた

といってたし・・・まて、何か引っかかる。

 剛志は熟考に入った。うーんうーんと唸っている。

 コンドルは良い奴だった。剛志をじっと待っている。

 しかしな、コンドルよ。こうなると剛志は長いぞ?

 10分程唸っていた。流石にコンドルもしびれを切らして剛志に話しかけようとした所・・・


 「おい、複数の気配があるぞ!剛丸?」

 『ハンティングエイプが接近中。車長よりインプットしていただいたデータによると、ここらは彼らの

縄張りでは無いはずですが・・・間違いありません。』

 コンドルと剛志は一瞬顔を見合わせた後、直ぐに自分の魔道戦車に飛び乗った。

 「すまん、コンドル。俺の戦車には無線がない。」

 「安心しろ剛志。無線魔道というのがあってだな?まあファイスとは普通に無線で話すので実は

今回が初使用なんだが・・・ちょっと試してみよう。お前のヘッドギアに向けて無線魔道を使う。」


 「よし、魔道戦車の中に入っていいのか?」

 「中で使えなければ意味ないだろう?」


 剛志は素早く車内に入った。

 『こちらコンドル。剛志、聞こえるか?』

 「おおーっ、凄いクリアな声。」

 『注意しろ。独り言とかも全部聞こえちゃうから。』

 まじかよ。本当に注意しよう。

 「知っての通り、俺の戦車は元々支援車両。突っ込むのに向いてないが・・・どうする?」

 ああ、シュナイダー突撃戦車の事心配してくれてんの?ありがと。でもな、いくらなんでも

このレベルの魔物にどうこうされるほど弱くはないわ。

 「待ち伏せにしようぜ?突っ込んで袋叩きは勘弁してほしい。」

 『でもな、剛志。奴らは石投げが得意なんだよ。下手な銃より強いぞ?』

 あ、それはまずい。でも、突っ込んでも一緒じゃね。

 「M25を盾しよう。どうせ修理が必要なんだ。多少傷ついても一緒一緒。ははは」

 『やけ起こすなよ剛志。でも、その方が結局は安全か。所有者の了解も得たし盾にさせてもらう。』

 あ、こいつ最初からその気だったな。案外抜け目ない奴だ。ど天然だと思ってたのに。

 流石ハンター歴長い・・・あれ長いんだっけ?聞くの忘れた。

 この稼業、いつ死ぬかわかんないんだし、聞くべきことはすぐ聞かないとな・・・ってファイス

の奴はハンターとしては正しいって事か?んなバカな。それはないない・・・いや、そうかも。


 『こちらの射程距離内に入った。射撃よろし?』

 「こっちには構わないでいい。こっちは旧式だ。射程は短い。やれる時に撃ってくれ。」

 『了解。攻撃開始。』

 うおっほ。Ⅳ号A型だから短砲身とはいえ、迫力が違いますな。こっちのはこれと比べると

豆鉄砲だわ。

 「おおっさすがドイツ製、精度いいなあ。でも獲物が粉々だなあ。まあいいか。命を大事にって

やつだな?M25に被弾しても困るしな。剛丸こっちはどうだ?」

 『敵1Km切ってきました。流石に行けます。』

 「よし、射撃開始」

 こっちの大砲をくらった猿公はふっとぶし、真っ二つになった。流石に直撃じゃな、魔物とはいえ

大砲の威力はすごい。戦車最高。

 だが・・・


 ドガン ・・・何この音?えええっ猿公の投げた石?・・・対物ライフル程の威力ないこれ?

 やばい、やばい。こんなの食らったら剛丸死んじゃう。つか早く殺らないとM25がスクラップだぞ?

牽引どころの騒ぎじゃないぞ?

 ハンティングエイプは手長猿並みの手が長いゴリラというべき生き物。

 その長い手から遠心力を生かして剛球を放ってくる。


 ええい、こうなったらなりふり構ってられん。

 『剛丸。機銃掃射。猿どもを怯ませろ』

 剛丸に命令を下すと、バレットM82を持って上部ハッチから顔を出す。

 くらえ、現代兵器の威力。

 あぶない?百も承知じゃ! M25が、僕のドラゴンワゴンがスクラップになっちゃう。

 殺らせるか! その前に皆殺しじゃ!

 『剛志君。戦闘中に外にでるのは危ないよ?』

 「大丈夫。滅多に当たるものじゃないから!」

 『それは戦車砲か対戦車砲の場合だよ!ハンティングエイプの石投げは結構正確だよ?』

 「殺られる前に殺る!」

 『あかん、血が頭に上ってる。』

 「いいから撃たんかい!さっさと始末するぞ!俺のM25ちゃんに何してけつかる!」

 『だめだこりゃ・・・』


 5分後、猿公共を皆殺しにしたぜ。

 「M25があ、傷ついちゃった。」

 「いや、まあねえ。戦車トランスポータで戦闘するもんじゃなし。装甲なんてないし。」

 盾に使ったので、特に荷台がぼっこぼこ。

 でも、エンジンかかる。これは良かった。動かないけど。

 ウィンチも傷ついた・・・あの猿共。これからは猿狩りに精を出そうと思いました。

 個人的な恨み?ええ、そうですが何か?


--- 30分経過 ---


 「まだかな、まだかなー?ファイスと源さんまだかなー?」

 「何歌ってんの?」

 あの後、猿共を処理(ほとんど売り物にならない)

 した後、たき火を囲んでスープ飲んでます。

 本日のスープはコーンクリームスープ。源さん家で買いました。

 

 先程の猿公との戦闘で良かったのは一つだけ。

 はい、剛丸が進化しました。

 まだまだ弱いからね。進化早いわ。早く皆に追いつきたい気持ちもあるが、折角だから

ゆっくりと仕上げたい気持ちもある。


 シュナイダー突撃戦車CA3から

 フィアット2000になりました。

 WWⅠ最重量級の戦車です。武装もばっちり・・・が、WWⅠの時代じゃエンジンパワーが

全然足りなくてくそおっそいです。失敗戦車ですな。

イタリア戦車です。ええ残念なイタリア。通称ヘタリア製。

こいつはシュナイダー突撃戦車を元に、イタリアオリジナル技術をつぎ込んだ結果。

めっちゃ使えなくなったという・・・発想はいいんだが。技術が追いついてない。

40トンの体重に240馬力では全然足んない。時速4Kmっていってますがそれは整地の事。

不整地が基本のこの世界では時速2Kmでれば御の字というか・・・


 でも装甲はこの時代では重装甲な20mm・・・でも重くて全然動けない。

 大砲も17口径65mm・・・でも重くて全然動けない。

 福武装として重機関銃が7門・・・でも・・・以下略。


 スキルは、砲撃Lv1が追加された。

 射撃の劣化スキルっぽいです。射撃は撃つ物全般に効くスキルだとすると、

 大砲専門なのが砲撃の様だ。ただし、重複効果があるようなのでこれは結構お得かも

しれない。よかったフィアット2000。


 もちろん源さんのレッカー期待してこれにした訳だ。M25が修理されればその上に乗せればいいし。

 M25は40トン乗せれるからフィアット2000はいける。


 そうこうしている内に、きゅらきゅらがるると装甲車の音がする。おっとついに登場ですか?

 「おっと。これはファイスのⅢ号っぽいな。」

 「流石コンドル良く分かるね?」

 といいつつ素早く剛丸に乗り込み、双眼鏡で音の方向を覗く剛志。

 「剛志君も流石だね。身のこなしが素早い。俺も見習わないと・・・」

 コンドルも素早くⅣ号に乗り込んで音の出る方向を見張る。

 「あれは・・・Ⅲ号戦車と、ベルゲパンツァーか?」

 「あれは見た事ある。源さんところの戦車回収車だ。」

 

 「おおーい。二人とも元気ー?」

 ファイスの能天気な声がする。

 「無事か?坊主。」

 源さんの力強い声がする。

 流石に一安心か?周囲を警戒しつつ戦車を降りる。

 「源さーん。ファイスー。何とか無事だぞー。」

 こっちも声を返して手を振る。

 いや、地獄に仏とはまさにこの事。

 源さんはベルゲの他にトレーラを2台引っ張っていた。用意がいい。

 1台にトレーラであるM15を、もう一台にトレーラの牽引車であるM26を乗せる。

 M25ドラゴンワゴンはM26牽引車とM15トレーラのコンビでM25となるのだ。


 「源さん。助かります。」

 「うーん。修理は可能だが、時間かかるなこれは。」

 「ええっ廃車ですか?」

 そんな・・・

 「いや、この世界物資は貴重なんだ。動かせる内は廃車にはしない。でもな・・・」

 「で、でも?」

 気分を持ち上げて落とすとか?テクニシャンですね?って冗談いってる場合か。

 「しばらく直んないな、その間狩りできなくなるだろ?まだ坊主の魔道戦車そんなに速くないし。」

 「・・・代車可能ですか?」

 「ま、いいだろ。帰ってから考えようじゃないか?で、坊主。」

 「ところで、すみませんが俺の魔道戦車も乗っけてもらえませんか?」

 「無理。」


 な、なんですとー。


 結局剛志は8時間掛かって町に帰った。朝日が眩しかった。

2014/11/07 誤字修正

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