第六十三話 豆タンク、チハ、テケ等
大変更新が遅くなり申し訳ございません。
重度の正月ボケです。
ぼーっとしてます。
良い子の皆さんはこんな大人に以下略。
「ううーむう。」
剛志は悩んでいた。
「何悩んでんの剛志?」
「どうなさいましたか?」
ユーティリシアとアムリシアが顔を見合わせている。
「ムールドさんから魔道伝書鳩が届いた。」
「あれ、隊長。使いこなしてますね。」
テニトンが驚いていたが。スマホより簡単だし、情報社会の現代人
なめんな。
テニトンがお爺様方と魔道伝書鳩でやり取りしている事を聞いた時
から、直ぐ採用して使ってます。
ムールド氏もこれは便利とほっくほくだ。
電話よりはるかに遅いが、手紙よりはるかに早く、この世界では必須
じゃないかと思う。
しかも魔道のお蔭でどこに行っても関係なくストーカーしてくる。
魔道伝書鳩すげえ。
「どうもきな臭い話が出てきている。」
「きな臭い話って?」
ユーティリシアが例の首かしげポーズ。かわゆす。
じゃなくて、
「戦争が近いうちに起きそう。」
「そう言えば我々が今いる国、この間まで国境紛争していません
でしたっけ?」
アムリシアの言う通り、またぞろきな臭くなってきている昨今。
「コンドル、ファイス。その辺の情報ってない?」
原住民の2人に聞いてみる。こいつら案外事情通なので何か分かる
のではないだろうか?
「多分あれだな?」
「だねぇ。」
コンドルとファイスが顔を見合わせて頷いている。
「2人だけで納得しないで教えてくれよ。」
「悪い悪い、何かさ剛志って俺達原住民でも知らない事知ってたり
するじゃん?だからなんでも知ってるような気になっちゃうんだよ
ね。」
「うおぉい。辞めてくれよ。俺何てまだ1年目の新人ハンター
だぜ?」
「それがまずおかしいんだよね。そもそも俺達は3年目なんだけど。
これまでⅠ号戦車をⅢ号やⅣ号にするのが精いっぱいだったのに、
もうレオパルト2A7+だぜ?進化が早すぎる。全部お前の性だ。」
酷くない?その言い方酷くない?コンドルさん。
「それでだな、多分この件は、高木吉兼の事だろう。」
何それ?
高木吉兼とは、隣国ゴロンズワルドに現れた漂流民との事。
なんでも天下統一とか言って手下を集め、強力な軍団を作り上げて
居るとの事だ。
「なんかジャッカルみたいだな。」
と剛志が聞くと、
「そう言う奴少なくないんだよね。ほら前にも将門とか言ってた
だろ?そういう風に呼ばれるんだけどな。」
とコンドルは答えた。
曰く、人が少なく、スモッグで覆われたこの世界。
情報伝達手段が少なく、飛行機や船は動かないというか動かせない。
そのため、俺は無敵だ。という感覚や、一寸は悪い事しても大丈夫
じゃね?という雰囲気ができてしまう。
その結果、一度起きた悪事が簡単には収まらず、火が付く事もある。
そして国を乗っ取ろうという奴がでてくるのだ。
また、漂流民が皆全ていい人とは限らない。悪人だって確率的には
やってくると分かる。
そう言う奴が将門化するととんでもない事になる事もある。
「となると・・・それなりに調べた方が良いか。」
次の目標はアンカー家の隠しダンジョンその4、そして最後の試練
へと向かうつもりだ。
運良く?いや運悪くか?
その付近から国境を超えると新漂流民将門の高木吉兼の領土
(と勝手に本人が言っている。)
へ向かう事が出来る。
そこでこの後向かうべきか、偵察に行くべきか。
そんな事考えつつ、まずはアンカー家のダンジョンその4へ向かう。
ま、1日2日で到着しないのですがね。
途中で狩りをしつつ、機械系を超音波トラップで引き付けてがしがし
と抹殺。
2000キロ先なもんで、今の剛志組だと時速20Kmぐらいですので、
1日300Kmぶっ飛ばします。4時間程度は食事休憩他に使用。
ええ、24時間飛ばすのは辞めました。流石に皆が付いてこないので、
(不満顔の剛志。)
「殺すきか、」「死ね糞隊長。」「地獄へ行け。」
等と言われるといくらボッチ慣れした元浪人生剛志でも辛く、
流石にやめました。
でもその分狩りはしますぜ。
「おらおら、そっち行ったぞヤムイ、チャンスだ!仕留めろ!」
「うわあああぁぁぁあああー」
ドップラー効果があるが何故だ?
見てみるとヤムイはお化けイノシシに転がされていた。
しょうがないなあ。
「こっちゃまかせろ。そこを通すな!」
「おお、コンドルナイス。よし掛かってこいや!」
楽しく狩りをしております。
ヤムイが泣いたり、ルシアが泣きべそかいたりしましたが。
怪我もなく「えっ?」え?誰か怪我したっけ?
「ちょっおまっ」
コンドルが何か言っております。え?怪我人いたの?
全然気づかなかった。
「根性が足りないんだよ。」
「ユーティリシアちゃん過激だべ。」
ユーティリシアは案外ああみえて武闘派だからなあ。
まあそんな所も含めて・・・
「はいごっさんごっさん。もういいから先行こうね?」
1週間かけてアンカー家の隠しダンジョン近くの宿場町へ到着。
人が少ない。
アンカー家のダンジョンも、シナモンの試練もまた隠しダンジョン。
よって人が来る事はまずない。
ここまでの狩によって魔道戦車が進化した。
ユーティリシア機1段階進化。
M-84A戦車。
旧ユーゴスラビア連邦はM-84にさらに改良を加えており、
M-84A戦車とした。
レーザー測遠機、第2世代の映像強化装置、各種センサーと
組み合わせたコンピューター化されたFCSを持つ。
エンジン出力が1000hpまで増加され、
最高速度が時速65Kmまで出せる。
ヤムイ機2段階進化。
まずは、M46パットン中戦車。
クロスドライブ式自動変速機、主砲の排煙機、
今まで培ってきた技術の集大成の様なこの戦車は、
朝鮮戦争にてT-34-85より圧倒的に強かった。
主砲:50口径90mmライフル砲M3A1
最高速度時速48.28Km
最大装甲厚114.3mm
この戦車は、当初アメリカが次期主力戦車としてM47を開発していた
のではあるが、ハイテクなFCSがとても精巧すぎて生産が遅れ、
そのため繋ぎとして作られた。
つなぎとしての役割は十分に果たした名戦車である。
次の進化はM47パットンⅡ中戦車。
本命のM47であるが。ステレオ式測遠機などの新機軸を盛り込んだ
意欲的な戦車であったが、主砲の振動により新機軸のステレオ式
測遠機に狂いが生じる。この問題は中々解決しなかった。
朝鮮戦争勃発により開発期間が短縮したのも響いた。
よって次のM48生産開始と同時に廃棄されたが。
輸出はそこそこ成功したようだ。
エリオット機1段階進化。
流石に進化速度低下。
チャレンジャー1戦車マーク1になった。
この戦車はなんといっても西側諸国最初の複合装甲。
テョーバムアーマー。
チョーバムにこの複合装甲の開発機関があったため、
こう呼ばれるようになった。
因みにチャレンジャーはベースがチーフテンなので、
車内配置等がチーフテンのまんま。
見た目は近未来的な感じなんだが中身はチーフテン。
パーキンズ発動機製作所製の「コンドー」
(Condor:コンドル)エンジンに換装されて出力1200hp
と高い。
主砲:55口径120mmライフル砲L11A5
最高速度時速56Km
装甲:複合装甲
FCSも主砲もチーフテンマーク5だが、弾道計算コンピュータは
新型。また6種類もの砲弾を撃てるのも面白い。
APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)やAPDS(装弾筒付徹甲弾)、
HESH(粘着榴弾)、HEAT(対戦車榴弾)等が撃てる。
HEASHというのは英国独特な砲弾で、イメージ的には
爆発する鳥もちの様な感じになるか。
様は命中するとまずべとっとくっつく。そして爆発する。
様は傾斜装甲でも弾かれない。くっつくから。
そしてくっついた状態で爆発する。
そのため普通の榴弾よりも衝撃波を内部に伝えやすく、
装甲内部を剥離させたり、内部の機械を衝撃で壊したりして
敵の戦闘能力を奪う。
榴弾というのは、効果を発揮するためには3工程必要。
1、当たる。
2、信管が起動する。
3、爆発する。
大砲が大型化、装薬量も増えて高速化すると、1から2のわずかな
時間で弾が弾かれ、爆発の衝撃が十分に敵装甲へ伝わらない事が
起こりうる。
HESHはそれが無い。べとっとくっつくのだから。
また2の段階にも問題がある。信管が誤作動したら?
そう、弾が炸裂しなければ榴弾はただの鉄の塊より劣る。
(鉄より軽いからF「力」=M「質量」×a「加速力」の法則に
従えば威力落ちる事は明白。同じ速力で飛ぶ弾なら、
重い方が威力あるわけだ。)
HESHは信管が動かなくてもべとっと炸薬が敵にくっつくので、
同じ個所に別の弾を当てる事ができれば一気に爆発。
パズルゲームよろしく連鎖するわけだ。
でも現代では、英国以外の国は使用していない。
まず最新型の戦車は内部の装甲剥離対策や、内貼りのスポール
ライナーで防護したり、内部の衝撃対策がなされていて思った以上
の効果が望めない。
そのため使わなくなった。
が、英国が使う理由は、ライフル砲にあるのかもしれない。
ライフル砲にこだわる英国は今だライフル砲を使用するのだが。
ライフル砲から発射されるAPFSDSやHEATは弾がジャイロ回転して
しまう。それを防ぐためにリングを間に挟み、リングは回転するが
弾は回転しないようにする。
だが、やはり滑腔砲と比べると威力が落ちる。
HESHはライフル砲による威力低下が無いので、使いやすい事がある。
因みに日本も74式にHESHを積んでいた事もある。
値段が通常のHEATの5分の1程度という財布に優しいのも利点。
剛志の剛丸は3段階進化。弱進化してますので、まあこんなもん
何ですよね。
まず九五式軽戦車ハ号。
満州において歩兵の機械化を進めた結果。トラック輸送が進歩し、
歩兵の進行速度に八九式では付いていけなくなったので、新型の
軽戦車を作ってそれに対応しようと言う事になった。
そこで開発されたのがハ号。
主砲:九四式37口径37mm戦車砲
最高速度時速40Km
最大装甲厚12mm
九二式重装甲車ほどの戦果も挙げていない。
この辺から一寸性能不足かな。
つぎの進化は、九七式軽装甲車TK機関砲装備型。
これは九四式軽装甲車の後継車両。
通称TeKe。
主砲:九七式車載7.7mm重機関銃
最大装甲厚16mm
最高速度時速40Km
最後は九七式軽装甲車TK対戦車砲装備型。
主砲が九四式37口径37mm戦車砲
その他は変化なし。
しかし、元々こいつは牽引車両なので、火力や防御力には本来
期待するべきではない。
取得スキルは、
軟弱地走行がLv4からLv5に上昇。
隠蔽がLv5からLv6に上昇。
迷彩がLv5からLv6に上昇。
今日はまず宿に泊まる。
本日は休日と皆に通達する。
朝10:00に宿に到着し、記帳。
皆わーいわーいと言いながら休暇を楽しんでいる様子。
シナモンとテニトンは仲良くお買いもの。
何時の間に仲良くなったお前ら?
「剛志、鈍くね?」
コンドル!お前に言われたくは・・・何?その眼は皆。
剛志は昼過ぎぐらいまで自室にこもってアイテム作成。
だんだん上手くなっている気がする。
気の性の可能性大。
何時かは作るぞアストラル・ギア。
自作して何が悪いと言うのか。
こんこんっ。
集中している所でドアがノックされた。
「なに?」
声が不機嫌になったのはしょうがないと思う。
集中してたし。
「何その声、不満なの?」
さらに不機嫌な声が帰ってきた。ユーティリシアだ。
「えーと何の用ですかな?ユーティリシアさん。」
剛志がおっかなびっくり声を返したのはしょうがないと思う。
「遊びにいこー。遊びにいこー。」
・・・まさに猫っぽいお方。
人が真面目にマジックアイテム作成にいそしんでいる所。
人の都合をガン無視とは。
・・・まあ、いいけど。
つーわけで宿場町めぐりに釣り出された。
連れ出された?いや吊り出された。・・・違った、釣り出された。
ニホンゴッテムズカシイネ?
ユーティリシアに引っ張り出されると、あら?
コンドルとファイスにアムリシア。古参の皆様なにを?
「わーい。剛志のおごりだー」
「いただきます。」
「隊長。悪いですね。」
え?え?え?
「美味えぇぇこれ、」
「焼きそばは大好きなんですよ。」
え?勝手に何を食ってらっしゃるの?
『ごちになります!!!!!』
「・・・はい?どうも。」
これ、なんなん?
その後、酒が入ったユーティリシアに怒られた。
曰く、お前はスキンシップが足りないんだよ。
もっと部下とスキンシップ取るべき。
と言って剛志の膝の上に居座っておりました。
食事の払い?剛志持ちですが何か?
まあ、確かに部下との間にコミュニケーション不足はあるかもな。
でも古参兵とこれ以上コミュニケーションとってどうするのか。
「お前さあ、それは一寸鈍い意見じゃねぇ?」
言うなコンドル。分かってはいるんだよこれでも。
翌日。
テニトン家の隠しダンジョンその4に出撃。
ここも脳筋ダンジョン?
ええ多分。
テニトンとそんなやり取りをしてから突入。
石造りの建物。いかにも人工物でございと言う感じ。
アンカー家のダンジョンにしては珍しいか?
人工ダンジョンではあっても今までのダンジョンは自然に見立てた
感じが多かったと記憶しているが。
これは完全石造り。人の手が入ってる感がありありだ。
出てきた敵は、ストーンゴーレム現代バージョン。
普通のストーンゴーレムではございません。
現代兵装しています。
バズーカやら対戦車ライフルやら持ってます。
人間には持てないようなごつい奴。
これはまずい。
前衛に防御魔道を掛け、探索魔道で前方を偵察しながら。
恐る恐る角を曲がっていく。
マッピングしながら1階づつ慎重にすすんだら、時間がえらい
掛かってしまった。
早朝から攻略してボスに到着したのが15時。
今までで一番遅い。
でもお蔭で部隊のダメージも少ない。
魔道力の消費は若干多いが予想の範囲内。
たいした事じゃない。
ボスはこれまた予想通り、巨大ゴーレムだが、兵装が一寸
半端ない。大型対戦車砲・・・恐らく125mm
旧ソ連主力クラス。
撃ってくる砲弾もAPFSDS、威力が今までと桁違い。
剛志はこれまでどっちかと言うと後方にて戦闘し、
皆に手柄を建てさせる事が多かったのだが。
こいつはまずい、そんな事言ってたら全滅する。
剛丸は剛志のレベルアップした魔道と剛丸自身のスキル効果で
とんでもなく防御力が上がっている。
旧日本戦車だと言って舐めたらあかんぜよ?
Te-Keはカーデン・ロイド豆戦車の日本版後継車両。
本来の任務は武器弾薬の運搬とその牽引で、前線を張るのは仕事
ではないのだが。日本人特有のもったいない精神により、前線を張り、
初期の対英国戦、そして中国戦
(中華人民共和国の事。蒋介石の軍。共産党ではない。)
では結構活躍した。
16mmの装甲は真面な戦車砲からすれば紙。7.62mm機銃も角度に
よっては前面装甲も貫通するのだが。
剛丸のスキルが発動すれば紙から神へ変身。
APFSDSすら弾く。
APFSDSはある意味革命的な砲弾で、それまでの砲弾が全てこいつ
に刷新された。
現代戦車はAPFSDSと何らかの榴弾の2枚看板で弾を装填する。
陸上自衛隊では「弾種徹甲!」といわれたらAPFSDS。
「弾種榴弾!」もしくは「弾種対榴!」ならHEAT-MP(多目的榴弾)
HEATの爆発エネルギーの70%は命中後拡散するという事実から、
対人、対物にも利用できるのがHEAT-MPだが。単純に軟目標を狙う
のであれば普通の榴弾(昔ながらの炸裂弾の事)の方が上だ。
だが、戦車は敵が潜んでいる所に突っ込む事もある。
というか本来それが戦車の役目。WWⅠの頃から敵陣突破の兵器。
敵の種類が分からない事も多い訳なので、何も言われない場合は
HEATもしくはHEAT-MPを装填しておくものの様だ。
モンロー=ノイマン効果で発するメタルジェットはマッハ20以上。
また、最新のHEATはタンデム弾頭だったり、近接反応信管だったり
して、対空、対爆発反応装甲になっていたりする。
APFSDSは複合砲弾とも言うべき、装薬を装填するサボーと呼ばれる
外皮とも言うべき外張の筒、砲弾の飛行を安定化させる翼。
貫通の為の弾芯等複数のパーツからなっている。
そのあまりの高速弾は、敵弾に命中すると共に接着したかの様な
状態になり、避弾経始が80°以上ないと弾かれない。
相手に対して常に80°以上の角度を保つなど出来ようもないので、
実質上、避弾経始が無効化される。
装甲に浸徹する際も、流体化された弾芯はみずからを削りながら
浸徹するので、太くて長い方が威力はます。
しかし、太いと空気抵抗が上がる。長いと空中でふらつくので
命中率が下がるし、長すぎると途中で折れるという事もある。
緻密な計算によってなっているので、現代では砲を大きくすれば
即威力向上・・・とはいかない。それに対応した砲弾が無いと
何の役にも立たないどころか只の金食い虫になる可能性さえある。
旧日本軍の戦車が弱いと言われてしまう理由の1つも砲弾にある。
旧日本製の徹甲弾は質が悪く。装甲に当たると砕けてしまう。
ティーガーⅡの装甲さえ抜ける連合軍の高速徹甲弾とは大きな
違いである。
また、旧日本戦車は装甲が薄い、馬力が無い、火力が無い。
3拍子揃った弱さなのだが。あえて長所を挙げると、戦車兵の錬度が
かなり高い。筆者が思っているよりも高くてびびる。
例えばある戦闘に置いて、12両の日本戦車がM4を待ち伏せし、
1両に対して60発命中弾を浴びせたが弾かれたと言う話がある。
M4の装甲に対する火力の低さを嘲笑する話なのだが。
話半分としても滅茶苦茶戦車兵の錬度が高いと感じる。
旧日本戦車の装甲はご存じ紙だからM4の76.2mm(米軍反攻時は
もはや75mmではなかったと思う。)
対戦車砲を食らったらまずやられる。
やられる前に12両で60発当てたとすると1両5発の命中弾を与えて
いる。待ち伏せとはいえ、5発全弾命中。それを12両全てで行う?
命中率、装填速度共に早すぎる。
いくら砲が小さくて弾が軽いとはいえ、1発撃ち返す前に5発も
撃てるのか?早い、命中率も高すぎ。1人ぐらい外してもいいのに。
いや、外した奴もいたなら、60発以上撃っている訳でどんだけ能力
高いんだよと旧日本軍戦車兵をほめたくなる。
戦車の性能が悪いのは別に戦車兵の性じゃないし、ここは誇っても
良い所だと思う。
剛丸は旧日本兵も驚くチート化、スキルと魔道でM4の76.2mmどころか
最新戦車の120mm砲から撃たれたAPFSDSでも弾きます。
まさに神装甲。
敵弾から味方を守るため躱せてもあえて砲撃を受ける。
自分が受けた分味方には被害がへるからね。
所謂タンク役と呼ばれる奴だ。
その隙にコンドル、ファイス、ユーティリシアらが砲撃。
盾役の剛志とアムリシア、シナモン。
攻撃役がコンドル、ファイス、ユーティリシアとルシアにテニトン。
テニトンも初めの頃から比べると随分腕を上げたと思う。
何と言うか度胸が付いたのかな。恐る恐る撃っていたが、
今はしっかり狙って撃てている。
剛志の剛丸が巨大ゴーレムの砲弾を20発連続で弾いた頃。
ついに巨大ゴーレムは崩れ去った。
何と言うか以上にタフ。
こっちのAPFSDSは命中してて、ダメージを与えているのだが。
何時までも抵抗してきた。
アンカー家のダンジョンは、特に順位を付けずに近場から適当に
攻略していたが。こいつが先に来ていたら剛志はともかく、
ヤムイ少年らはやばかったのではないだろうか。
運が付いてきているのかな?と剛志は思った。
ユーティリシア機1段階進化。
M-84AB戦車。
ついにユーゴスラビア連邦分裂後の戦車。
セルビア共和国採用戦車。
新型の通信システム、新型のFCSを採用。
輸出には今の所成功してはいないようだ。
ヤムイ機2段階進化。
まずM48パットンⅢに進化。
M47のステレオ式測距機の問題を解消し、
さらにハイテクの弾道計算機と、砲塔制御システムを装備。
主砲:48口径90mmライフル砲M41
最高速度時速41.84Km
最大装甲厚177.8mm
次はM48A1パットンⅢ。
パットン戦車はM48にて一応の完成を見て、改良型が各国で使用
された。優秀な戦車で、A1はその第1改良型。
主砲の先端に付いているマズルブレーキが円形からT字型になり、
車体前面上部のハッチが大型化。車長用ハッチもキューボラ型に
変更されている。
カタログスペックは変わらない。
だがここまで本作をお読みいただいた皆さんならもうお分かり
だと思うが。カタログスペックに出ない所に戦車の戦力を示す
重要な部分だったりする。
エリオット機2段階進化。
チャレンジャー1マーク2そしてマーク3に進化。
実はチャレンジャーマーク1から3まではほとんど差が無く、
玄人でも見分けにくいそうだ。
つまり違いがほとんどない。
薀蓄たれたいのに・・・無理。一寸寂しい。
剛丸は3段階進化。
まずはついに登場、九七式中戦車。「チハたん」である。
まあ当時はチハたんなんて呼んでませんがね。今の一部のミリオタに
よる愛称である。
主砲:九七式18.4口径五糎七戦車砲
最高速度時速38Km
最大装甲厚25mm
次の戦車は試作中戦車チニ
チハを開発した時、参謀本部が横やり入れてきた。
まあいろいろ屁理屈述べているが、要は金が無いから安くしてくれ
と言う事。
それがチニで、主砲はチハと同様五糎七戦車砲だが、装甲が
最大20mmとなりエンジンも小型で出力が低く、
最高速度が時速30Km
チニもチハも試験は良好。
最後に工場まで自走させて耐久テストをする際に、戦争勃発。
したら陸軍にも予算ががっぽり。当然である。戦争中に軍に予算
回さないとか自殺願望でもあるのか?と聞きたくなる。
当時の日本がそんな事する訳もなく。
金がないからチニ案を参謀本部は出していたわけで、その金が
手に入ったのでチニはお蔵入りと相成った。
最後は九八式軽戦車 ケニ(ケニB)である。
九五式軽戦車ハ号がケハ。
その後継車両としてケニが作られた。
カタカナ2文字の略称は、基本的に前の1文字が車種を表す。
チなら中戦車。ケなら軽戦車。ホなら砲戦車。
後ろの1文字が開発番号で、イロハ順になる。
例えば中戦車の場合。
チイは八九式甲型。チロは八九式乙型。チハが九七式。
チ二が試作中戦車チニ。と続いていく。
ケニは軽戦車の4番目と言う事。
ケニ車は三菱版と日野自動車版があり、ケニBは三菱版(没版)
ケニBは起動輪が後方にあり、また大直径転輪が片側4個ずつ
付いていて、それまでの日本戦車とはちと見た目が違う。
なにせ後輪駆動。
この当時の主流は前輪駆動で、ドイツ戦車も採用している。
メリットとして履帯が外れにくいと言うのがある。
ケニBは後輪駆動なわけで、当時の主流からは外れている。
しかし、現代においては逆に後輪駆動が主流である。
外れにくい履帯の開発に成功しているのと、後輪駆動の方が、
戦車を小型に作れるというのがある。
戦車のエンジンは一部の戦車を除いて車体後方にあるから、
前輪駆動の場合、前まで力を伝えるシャフトを通さないといけない
が、後輪駆動ならエンジンの傍にあるから伝達効率もいいし、
戦闘室も大きく取れる。車高も下げられる。
技術革新によって技術的常識は変わるという一例だと思う。
履帯の性能が悪い時代は前輪駆動こそベストで、
履帯の性能が上がった現代では後輪駆動車だらけである。
取得スキルは、
体当たりLv5からLv6へ上昇。
装填速度上昇がLv5からLv6へ上昇。
ユニークスキル。アイドルLv1取得、チハたんハアハアである。
アイドル:偶像。
これで私も人気者。・・・ではなくて、敵のヘイト、注目を一手に
引き受けると言う者。敵の優先攻撃目標に認定されます。
そんなの何の役に立つの?というとこれが結構役に立つ。
ご存じアブソープション、バスチオン、オンスロートに
ジャガーノートと防御スキルしかもユニーク三昧の剛丸に敵の
攻撃が集中すれば、その分味方が楽になる。
案外使えるスキル。
でも上手く使うには剛丸との連携が必須。
例えば迷彩かけて隠れている所でアイドル発動したら全く酷い事に
なってしまう。
次はシナモンの、アップリトン家の最後の試練に挑み・・・
その後は、漂流民の将門。高木吉兼を調べてみようか。
旧日本戦車が弱い弱い言われる理由はなんといっても工業力ですね。
アメリカ工業力は当時世界最強天下無敵です。
ソ連の列車の8割はアメリカ製。
ソ連戦車の装甲はアメリカ製鋼鉄。
英国もいわずもがな。
日本の鉄はそもそも材料の質、鉄鉱石の質に差があるときてさらに
工業力の差。これじゃあ勝てません。
良い話題。現在の鉄鋼ですが。安い中国、韓国製に押されていると
いいつつも日本製鉄鋼は高価格鉄鋼の分野で活躍中。
自動車の分野では世界有数となりました。
過去の戦車の歴史をみますと、ドイツ、フランスは俺達が自動車を
始めて作ったんじゃと言っていて、WWⅠからⅡにかけて自動車先進国
でした。英国も負けず劣らず自動車先進国でした。そして戦車を
作りました。
しかし、その後アメリカが自動車先進国の座を奪い。
WWⅡでは曲がりなりにも優秀な戦車をつくり、戦後も戦車大国としての
地位を築くわけです。
戦車を走攻守分けると、走を担うのが自動車産業。功守を上げるには
基礎科学という素材分野が高い必要があります。
WWⅠやⅡの頃は英国、ドイツ、アメリカ、ソ連がそうでした。
しかし、今はどうでしょう。ソ連は崩壊し、英国は没落。
アメリカ、ドイツと共に日本が世界トップレベルなのは否定できません。
工業力の高い国の戦車は強い。この法則で言うと、現代日本戦車は
昔と比較できぬほど強くなっているだろうと容易に想定できるわけです。
戦車好きとしてはやっぱり自国戦車が強いと嬉しいという話。
 




