第六十一話 アキュリーズそして・・・試製戦車
拙作をお読みいただき誠にありがとうございます。
皆さま良いお年を。
来年もよろしくお願いいたします。
次の日はまた次の迷宮へ移動。
今度はシナモンの第4の試練の方向へ移動。
その途中でアンカー家の隠しダンジョンその3による事とした。
まあアンカー家の隠しダンジョンには別に番号が振られている
訳ではないので、これは単純に3番目に寄った。いやまだ寄ってない
から寄る予定のダンジョンと言う事になる。
アップリトン王家の試練のダンジョンは今度は草原のど真ん中。
いろいろな場所に設置するものだ。
そこに寄る前に、途中にあるアンカー家の隠しダンジョンに入る。
朝4時起床。全員叩き起こして魔道戦車に搭乗し、朝飯は戦車の中
で摂取。昼過ぎにはアンカー家の隠しダンジョンその3の場所に到着
した。
そしてこのダンジョン。女性陣に超がつく不評ダンジョンだった。
例によって脳筋ダンジョンで、敵がでるだけ。謎解き無しなので
あるが。
ここにいる敵の種類が大問題。蟻、蝶、蚊等の巨大な虫系。
キモイキモイと超絶不評。
ルシアは泣き叫び、アムリシアとユーティリシアは途中から無言
になり、シナモンは後方へ下がって前に出てこない。
剛志だって巨大な虫なんて好きじゃない。
随分前に夜間戦闘で虫系と戦った時から嫌いだ。
だがやるっきゃねえ。前方に陣取る。後ろに敵をそらすと女性陣
から鋭い突っ込みが入るので、
曰く
「下手くそ!」
「通してんじゃねえ!」
「ざけんなくそ!」
とても女性らしからぬ言葉の数々だが、1言返せば100倍返しされる
ので、ここは後方へ通すのは危険だ。
そこでファイアフライの前方にこんな事もあろうかと用意していた
火炎放射器を設置。
剛丸は以前より火炎放射のスキルを持っているので、機会があれば
使ってやろうと密かに用意していたのだが。
ここで役に立つ時が来た訳だ。
虫と言う奴は見かけよりはるかに硬く、強く、生命力が強い。
だがいくつかの弱点が存在する。
1つ目が火、熱である。
40℃強程度の熱でも生きていけない虫は結構いる。
人間なぬるいサウナだな。程度でも死ぬ虫はいるのだ。
(種類によってはとても熱に強い。そういう進化を遂げた奴もいる
のだが。平均的に熱に弱い。)
また熱を検知する機能が低いので、(虫の種類にもよるが大抵
熱感知能力は低い。)
飛んで火に入る夏の虫
なんて言われる事態を起こしたりする。
火の光を見て近づき、熱に気づかず焼け死ぬ訳だ。
(光に虫が近づく理由は、夜間、星や月をみて空を飛ぶため、
火や灯といった人工の明かりと区別できずに近づいてくる。
将来的には人工の光と星、月を区別する事の出来る虫も出てくるの
かもしれないが、はたして何億年必要かわからない。
ある日突然に突然変異する可能性もあるが。今の所その兆候は
見られない。)
2つ目が呼吸系。
例えば、スズメバチという怪獣じみた虫は、煙で呼吸困難をきたし
て気絶する。
人間なら臭いなあ程度でも虫には致命傷になる。
その2つから考えると火炎放射器は理想的な対虫兵器なのだが。
これまで使わなかったのは場所がダンジョンだから。
閉鎖空間で火炎放射とか。注意しないと自分達も巻き添え食う。
だがお嬢様方が絶対に後ろに通すなとおおせですのでね。
ここで使わせてもらいますわ。
掃射スキルアンド火炎放射スキルのダブル使用で文字通り虫一匹
も通しません。
・・・だが、剛志には懸念があった。
多分今までの傾向からすればこの後には・・・
そしてその予想が的中。当たってほしくなかったが的中。
そう、ダンジョンボスである。でっかい虫である。
女王蟻のようだ。
・・・女性陣逆切れ・・・
「死ねコラ!」
「貴様の存在はゆるさない!」
「ギャー、ギャー!」
キレタジョセイッテコワイネ。
瞬く間に細切れに・・・絶対に怒らせない。
硬く心に誓った剛志だった。
「女って怖えぇぇぇ。」
あ、ヤムイがトラウマ状態。
「・・・」
エリオットとテニトンとコンドルも無言。
「あはははは、楽でいいじゃん?」
ファイスは大物だな。
さてここの迷宮の秘宝は?
「えっと・・・なんかベルトみたいな物ですね。」
「・・・剛志隊長。その前にこの迷宮をすぐに出た方がよくない
べか?」
エリオットよ、たまにはいい事いうなぁ?
女性陣がまた切れる前に速攻で出よう。
あわてて外へ全速前進。
外に出た後でアムリシアに魔道で調べてもらうと、
速力強化系の魔道の付いたベルトだそうだ。
今度は機動力を上げるアイテムらしい。
次は火力かな?防御力かな?
アンカー家の秘宝はまあアストラル・ギアに比べれば弱いが。
まだまだあるみたいなので集めればかなりのもんだろうな。
外に出ればもう一安心。心理的な意味で。
逆切れした女性と一緒に居たい奴なんているのか?
安全な場所で魔道戦車を進化させる。
ルシア機1段階進化。
99G式になった。
中国戦車の最新型。
99式戦車の改良型。
以前も言ったがGは改と言う意味の中国語の頭文字。
1500hpの国産エンジン使用。
複合装甲使用。
51口径125mm滑腔砲ZPT-98使用。
最高時速は80Km。
ユーティリシア機も1段階進化。
T-72M2戦車に進化。
ERAをさらに改良したものにしたのみでなくFCSも最新型に一新。
レーザー測距儀付の昼夜戦闘可能な赤外線サイト付き。
30mm機関砲2A42が対空用についていて、これは戦車の敵である
攻撃用ヘリコプターの迎撃用との事。
ヤムイ機2段階進化。
まずM26中戦車パーシング。
この前にM25試作重戦車があるのだがヤムイはそれはパス。
主砲:50口径90mm戦車砲M3
最大装甲厚114.3mm
最高速度時速40.23Km
この戦車はHVSSサスペンションからさらに最新のトーションバー
サスペンションに変更され、不整地機動力が高い。
さらにM6重戦車よりも軽い上に装甲が厚い。
M26は当初重戦車だったが。その後分類変更されて中戦車と
なった。
また、この戦車からアメリカ軍は自分で愛称をつける事にした。
英国やカナダが付けた愛称が一般に定着してしまったのを見て、
自分でもつけたくなったらしい。
パーシングはやはりアメリカ軍の昔の将軍から採っている。
このM26パーシングはこの後、アメリカ得意の改造に次ぐ改造に
よって次々と新しい型へと改造されていく事になる。
次の進化先はT26E4スーパー・パーシング。
パーシングの火力強化型であり、
主砲が70口径90mm戦車砲T15E2という長砲身砲となった。
こいつは小数の生産で終わった。理由は簡単。砲が長すぎ
重すぎ使いづらい。
砲塔後方にカウンターウェイトを付けたがそれでもバランスが
悪くて駄目だったようだ。
エリオット機も2段階進化。
チーフテンマーク2、マーク3/2と順調に進化。
マーク2にてエンジン出力が650hpとそれまでが585hpだから大幅に
機動力上昇。
さらにマーク3では720hpまで上昇し、最高速度が時速48.28Kmまで
上昇した。
主砲も新型の55口径120mmライフル砲L11A3になり強化された。
マーク3にはサスペンションやエンジンの違いによりバージョンが
異なり、マーク3/3、マーク3/3(P)等多数あるが。エリオットは
マーク3/2にしたようだ。
まあ、剛志なら横進化して全部網羅しようとするのだが。
エリオットは流石にそれは無いと思ったようだ。
エリオット機は大分強くなってはいるが。進化速度がどう考えて
も遅い。ルシア機にも大分遅れを取っているし、焦る気は分かる。
一方で、スキルをただで取得できるからいろいろ進化させたい気も
ある訳なので、その辺バランスの兼ね合いになる。
剛志の剛丸は他の機より古い機体プラスのスキル効果で3段階進化。
シャーマン・ファイアフライⅡCY、ⅢCY、ⅣCYと進化した。
もうファイアフライも終わりだな。
取得スキルは
高速戦闘がLv4からLv5へ進化。
緊急脱出がLv2からLv4に進化。
シャーマン・ファイアフライはただのシャーマンと比べてハッチの数
が増量されている。1人に1ハッチになっていて、脱出に有利なのだ。
それがスキルに反映された模様。
今日は日暮れまでまだ時間がある。が・・・ここでこれ以上戦闘
を続けるのはまずい。
女性陣にもう一回このダンジョンに潜れと命令したら・・・
命が危ない。辞めよう。
近くの宿場町へ移動してそこで明日まで休憩にする。
剛志的にはもう一狩り行こうと言う所ではあるが。
皆結構疲れがたまっているように感じる。
次から次へと新しいダンジョンに潜っているから、緊張感による
精神的疲労があるようだ。
明日、シナモン所の第4の試練をクリアしたら少し休暇を取らせる
べきかな?と剛志は思った。
皆宿についたら風呂に入って汗を流すとばったり倒れて泥の様に
眠ってしまった。
大丈夫なのは剛志だけ。剛志は疲労よりもまだ喜びというか楽しみ
が上回っているのでどうと言う事は無いのだが。
皆倒れているから自分だけ狩りに行ってもなあ・・・
たまには早寝するのもいいか。
と言う訳でおやすみなさーい。
翌日はシナモンの試練その4に挑む。
一見何の目標も無い草原の真ん中にて、もにょもにょとシナモンが
呪文を唱えると地下へのスロープが。
階段じゃないんだな。
多少の階段なら戦車は問題なく上り下りできる。
履帯を履いているのは伊達じゃない。ある程度の段差なら苦も無く
乗り越える。
もっとも、戦車の重量に階段が耐えられればの話だが。
スロープは下へ下へくるくると螺旋を描いて降りていく。
ここの試練は光と影に関する問題だった。
影絵、だまし絵、透かし絵。
敵の種類も闇、光属性の敵が多い。
この感じだと、ラスボスは闇属性だろうな。
そう言うと何故ですか?とアムリシアに聞かれたので、
「いや、前の迷宮のラスボスが光属性でしょ?
シナモンのご先祖様が同じ属性のラスボスを出すとは思えない
から、そうなると闇属性かなって。」
と言ったら。笑われた。何故だ?
何かシナモンのご先祖様と同じ発想だとか言って笑ってる。
それが何故、笑いのツボを刺激したのか?
さて予想通りのラスボスは闇属性。
シャドウデーモン。
影の悪魔である。
いや、この敵が結構苦戦。
こっちの砲撃を躱す躱す。
動きが速い上に影の中を移動するので思わぬ位置へ移動している。
よーしこっちも移動返しだ。とか訳わからん事言って剛志が
エクソダスを発動すると・・・味方にぶつかりそうになって、
ユーティリシアに怒られた。
遊んでないでしっかり戦えと言われた。しょぼーん。
だが一発当たった事により事態は一気に好転。
どうも機動力がある分防御力と生命力に難があったようで、
一気に弱体化。
シャドウデーモン打倒により宝箱ゲット。試練証明書カードその4
を入手。
ユーティリシア機1段階進化。
PT-91トゥワルディ戦車
今度のはポーランドの戦車。T-72は東側諸国の一般的戦車だったが。
その後は各国で独自発展していった。これもその1つ。
また、独自発展した理由のもう1つは湾岸戦争とイラク戦争。
旧ソ連製の戦車が西側諸国戦車にボロ負けしたのが効いて、
T-72の輸出価格が暴落してしまったのだ。
武器輸出は高価な産業で、儲けが大きい。
T-72をライセンス生産していた旧東側諸国は困っただろう。
そこで各国独自の発展系を作って輸出し始めたと言う訳。
「トゥワルディ」(Twardy:ポーランド語で「強固な」という意味)
におけるT-72からの変更点はまずFCS、レーザー測距儀、
赤外線暗視装置、ERAWAという名のERA(爆発反応装甲)
「オブラ」レーザー警報システム。
「ドラワ」赤外線映像装置。
エンジンを850hpの新型に換装。
基本的にT-72のままにオプションをいろいろつける事で新型化し、
エンジンを高出力化した事で機動力の低下を防いでいる。
よってカタログスペックはT-72と一緒だが。いろいろオプション
付いてくるという形。
ヤムイ機2段階進化。実はまだWWⅡを抜けていない。
対戦終了前に開発された戦車である。
まずはT26E5、これもM26パーシングベースで、M4A3E2ジャンボが
現場にて好評だったことを受けて作られた重装甲型。
主砲は元に戻って50口径90mm戦車砲M3。
最大装甲厚がなんと279.4mmもある超重装甲。
最高速度時速35.41Km
エンジン出力が上がって無い割には速力の低下は1割強程度。
履帯を広げて接地圧を下げ、機動力もそこそこ。
次にM45重戦車。
こいつはT26E1をベースにT26E2として開発され、
砲塔がT26E3と同じと言うなんかややこしい戦車。
T26E3はその後M26パーシングになるから兄弟機と言える。
だが重戦車なのは伊達じゃなく、
最大装甲厚が203.2mm
主砲:22.5口径105mm榴弾砲M4
ジャイロ式砲安定化装置を使用していて砲の安定性が高い。
生産数は185両。
アメリカにしては少な目。
ヨーロッパにも行っていない。まあ1945年7月に生産開始では
出番が無いな。もう戦争終わるころだ。
機動力は悪くない最高速度時速40.23Km
エリオット機2段階進化。
まずチーフテンマーク5。
マーク4はどこ行った?筆者も探したが見つからない。
4は没ったのだろうか。
情報無いのでパスする。
マーク5もまた5/5(P)とかいろいろバージョンあるがこれは
輸出先による仕様変更を受けて改良したものなので、
厳密には進化形とは言えない。
よってマーク5も1両で通過する。
マーク5はエンジン出力がさらに上昇。750hpで、
主砲も55口径120mmライフル砲L11A5になった。
続けてマーク6、
マーク2のエンジンを750hpの新型に換装したもの。
エリオット機はWWⅡ後に入っているが進化が早い。
理由は簡単。マークの違いによる変化は劇的には進化していない。
そのため進化に必要な経験値が低いのだ。
剛志の剛丸は3段階進化。
まずM10C 17ポンド自走砲架初期型。
こいつはアキリーズと言う愛称が有名だが。愛称を付けたのは
カナダ陸軍という罠。英国軍は普通にM10C SPM
(SPM”はSelf-Propelled Mount:自走砲架の略)
と呼んでいた。
ついでにM10もウルヴァリンと呼んだのはカナダ陸軍。
英国陸軍はM10 SPMと呼んでいた。
アキリーズとはアキレス、アキレス腱に名を残すギリシャ神話の
英雄の事だ。
Cが後ろに付いている事から分かるように、通常のM10に17ポンド砲
を乗っけちゃったのがこの対戦車自走砲。
だが性能は段違い。M10は結局あまり対戦車戦闘に向かないと
判断されて、歩兵の支援が主任務だったが。17ポンド砲の威力で
M10Cは前面に立つ。
英国陸軍の第62対戦車連隊のM10C中隊はブーロンでドイツ陸軍
戦車部隊の攻撃を撃退した。
3両のM10Cがやられたが、パンターとⅣ号戦車の部隊を13両撃破
したと言う。
続けてM10C 17ポンド自走砲架マークⅠ。
そしてM10C 17ポンド自走砲架マークⅡである。
マークⅠとⅡ及び初期型の違いは実に些細な所。
カウンターウェイトの形が異なるというもの。
17ポンド砲は大きくて重いのでカウンターウェイトという重しを
つけてバランスを取るのだが、その重しの形が違う。
初めは砲口制退機の直後にリング形のカウンター・ウェイトが2個。
マークⅠは楔形の砲塔カウンター・ウェイト。
マークⅡはダックビル型砲塔カウンター・ウェイト。
取得スキルは、
軟弱地走行がLv3からLv4に上昇。
迷彩がLv4からLv5に上昇。
貫通力上昇がLv6からLv7に上昇。
さて何時ものレベル上げタイム。経験値稼ぎなのだが。
正直ここの迷宮の敵は厄介だ。光と影を利用して隠れてくるし、
連携も上手い。現在レベル上げというか魔道戦車の進化が必要
なのはヤムイ、エリオット、ユーティリシアと剛志。
4人で戦うのはちと不安が残る。
そこでアムリシアとシナモンに偵察役として付いてもらう事にした。
エリオットが張り切りまくって敵を倒していた。
もっとも上手くアピールできたかと言うと・・・
剛志の目から見ても微妙。
例によって日が暮れる前にダンジョンを脱出して町へ帰る。
目がちかちかする。
今回の迷宮は光と影がテーマなだけあって、強い光が満ちていて、
それによってまた強い影がいろんな所にある。
敵が隠れやすく、不意打ちを受けやすい。
機械系のロボット、ライトニング・コイル。シャドウバインダー。
が良く出てきた。
ライトニング・コイルはキラキラ自身が輝くのだが。
こいつが作り出す強烈な光の影にシャドウバインダーが隠れてくる
ので凄く厄介。
シャドウバインダーは熱を遮断する装甲を持っているらしく、
赤外線暗視装置にも映らないので、魔道や警戒スキルで敵を検知
して、そこに砲撃するしかない。
そこでアムリシア、シナモンに魔道検知をかけまくってもらって、
他の者で砲撃。途中からは剛志とユーティリシアが魔道で敵を
感知。交代で偵察に当たった。
それなりに敵を倒した。いや慎重に慎重を喫した。
レベル上げしてやられたら元も子もないからな、現実はゲームと
違う。リセットなんて無い。
そのかいあって、魔道戦車が進化した。
ユーティリシア機1段階進化。
PT-91Zハーディ戦車に進化。
ハーディは英語。Hardy:強固な。と言う意味。
PT-91戦車にフランスのSAGEM社製のサヴァン15FCSを搭載。
ERAWAもERAWA-2という2重の爆発反応装甲でタンデム弾頭対策。
エリオット機2段階進化。
チーフテンマーク7そしてマーク8に進化。
マーク7はマーク3に新型750hpエンジン搭載、
マーク8はマーク3/3にマーク6対応の改良を行ったもの。
この辺り全然性能が進歩していない。
旧型の近代化改修型なので。
ヤムイ機2段階進化。
まずはT28重戦車。
ドイツ軍のプロパガンダ「ジークフリートライン」
に踊らされたアメリカが開発した強固な重戦車。
それがT28重戦車で、重戦車といいつつまるっきりドイツの突撃砲
と変わらない。
限定旋回式の砲、がちがちの装甲。
ジークフリートラインと言う強固な防衛線を突破すべく強力な
装甲と火力を持つ。
主砲:65口径105mm戦車砲T5E1 ・・・でかっ長っ。
最大装甲厚304.8mm・・・厚っ硬っ。
最高速度時速12.87Km・・・遅っ。
あまりの機動力の劣悪性、そしてジークフリートラインは嘘。
よって試作のみで放棄された。試作車両は博物館にて余生を
送っている。
T28重戦車は後にT95対戦車自走砲と名称が変わった後に、
再度T28重戦車に戻った不思議な経緯を持つ。
当初T28重戦車として開発したのだが。
砲が限定旋回式で、自走砲だろこれ?と言われてそうだねと。
T95対戦車自走砲になったのだが。
砲が回転しないから自走砲って変じゃね?戦車にしか見えない。
と言う事で元に戻った。
わけがわからないよ?うん。そうだね。
次はT29重戦車。
M26パーシングは実はティーガー戦車対策だったらしい。
しかし、M26ができた時、ドイツはティーガーⅡ。
アメリカ軍はキングタイガーと呼んだ例のデカ物を戦線に投入。
M26は投入前に旧式化。よってティーガーⅡ対策の重戦車を作る事に
なった。
重戦車をアメリカはヨーロッパに投入しなかったが。
開発はしていたのだね。
この戦車の見所は、試作2号機。
MIT(マサチューセッツ工科大学)の手により、
油圧式砲塔旋回・俯仰装置と、コンピューターを用いたFCS
(射撃統制システム)を装備していて、それに合わせて
主砲を105mm戦車砲T5E2に変更して、砲架もT123E2に交換。
この戦車は結局試作のみで終わったのだが。試作何号機かによって
かなり中身が異なる。試行錯誤の後が見られる。
T29E2
主砲:65口径105mmライフル砲T5E2
最高速度時速35.41Km
最大装甲厚279.4mm
剛志の剛丸は2段階進化。
ついに日本戦車ルートに突入する事にした剛志。
まずは、試製第1号戦車。
当初、日本陸軍は技術者達に聞いた。
偉い人「戦車作れる?無理だよね・・・じゃあ海外から輸入」
技術者「作れます。」
偉い人「うんやっぱ英国製かな・・・って、はあ?」
技術者「作れるちゅうとんじゃい。」
当時の日本は自動車すら作れません。全部海外から輸入。
アメ車最高時代。
何で日本で自動車の工業力が盛んじゃないかと言うと、
道路事情。道が荒れていて当時の車ではあんまり真面に走れない。
つまり、車が走れる道を整備してその上で初めて自動車産業が来る
訳だ。当時の日本はそのレベルに達していない。
一応国産自動車もあったらしいが、その部品の多くが海外製と来た。
さて偉い人。自動車も作れないのにいきなり戦車作れって言っても
無理だと思っていたら。作れると言われてもうた。
売り言葉に買い言葉というか、
偉い人「じゃあ1年後までに作って見せんかい!」
と言ったら・・・
マジで1年後までに技術陣が作り上げてしまった。
因みに何故戦車が必要かと言うと、WWⅠ後に世界的な軍縮の嵐が
吹き荒れて、日本も例外なく飲み込まれたため。
人を減らさないといけないのだが。戦力は下げたくない。
よって戦車だと。
完成した試製第1号戦車は当然の事で試験をした。
この試験がまた面白い。当初技術陣のみで試験するつもりだった
のであるが。
見学申し込みが殺到。陸軍士官学校、参謀本部、陸軍省等颯爽たる
メンバーがそろってしまい。供覧試験となった。
場所は富士の裾野。
その結果・・・大成功。
凹凸の激しい道での走行性・・・優。
操縦性・・・優。
超壕性・・・優。
急斜面登坂力・・・優。
最高速度20Km達成。
砲撃時安定性・・・優。
それまで使っていたのがホイペットマークAやルノーFTと言う事も
あるのだが極めて優秀という結果だった。
だがこいつは量産されなかった。・・・重すぎたから。
当初12トン以内にするつもりだったのだが。18トンに到達。
足回りの強化等行った結果なのだが。
何故そんな軽い戦車がいるのかと言うと、主戦場となるアジアの
道路事情をかんがみて、軽い事が必要だとされたのだ。
また、輸送力の問題もあるのでやっぱり軽くないと駄目となった。
見かけだが、当時の流行に合わせた3砲塔型。多砲塔戦車である。
前に2つ銃塔、車体中央に主砲塔。
主砲:試製57mm砲
最大装甲厚15mm
最高速度時速20Km
エンジンがディーゼルでなくてガソリンエンジンである。
続けて試製2号戦車。
3砲塔を辞めて、軽量化を図ったらしいが。どうもこれも没に
なってしまった。
重いと言う事だ。1号戦車が18トン。要求が12トン。6トン差が
埋まらないのだな。
取得スキル。
不整地機動がLv6からLv7に上昇。
そしてユニークスキル。
ジェネシスLv1を取得。
ジェネシスには生命、起源と言う意味がある。
ジェネシスは修理や簡易修理の上位スキル。
一気に修理される。
やはりユニークスキルはチート臭いな。
レベルが上昇すると使用できる回数が増える。
やっぱり酷いチート臭い。
宿に帰ったらすっかり疲れ果ててしまった。
そこでこないだから調べていた事を実行に移す。
晩飯時に全員を集めて、
「諸君!シナモンの試練も4つ全て終わり、後は最終試練のみと
なった訳だ。・・・だが見た所、皆結構疲れが来ている。
そこでだ。最終試練前に英気を養ってもらおうと思う。」
剛志が偉そうに演説する。
「え?英気を養うってどうやって?」
ユーティリシアが小首をかしげると、
「実はこの辺に温泉が出る所がある。そこで1週間程休もうと
思うんだよね。まああれだ社員旅行みたいなもんと思・・・」
イヤッハー
「うん、喜んでくれて良かったよ。」




