第五話 マークⅡ
タイトルで次の戦車ばれるパターンはこのままいくべきか?
悩む。次に進化する戦車は進化系統樹つくって考えいるのだが。
英国面に落ちるべきか否か悩む。
「源さんいる?」
「おう、坊主?早くね?何かあったのか?」
「その何かってやつだ。」
剛志は親指で後ろを指差した。
「おお?見ない顔だな。」
「この町に来たばかりらしい。沼に嵌ってた」
「どこの?」
「第二嵌りポイント。」
「あそこは見えづらいから初心者には辛いな。」
「源さんのおかげで大変助かっております。」
「よせやい、気持ち悪い。」
「・・・気持ち悪いはねえだろうよ。」
地味にへこむ言葉だ。
「悪りい悪りい。ま、今度飲みに行ったら奢るよ。」
「じゃ今日で。」
「早!!!」
剛志は後ろで静かにしている二人の方を振り向いた。
「コンドル、ファイス。お前らも後で来るだろ?夕方5時にここ集合な?」
「・・・おおい。ま、いいかお前らもこいよ。この源さんが奢ってやる。
初めてだろこの町?」
「え、いいんですか?」
「ゴチになります。」
当然、困惑顔でいいんですか?と言った方がコンドルで。ゴチになります。といったのがファイス。
「じゃ、また後でな。」
今日はもっと稼ぐつもりだったからな。今度は第3狙撃ポイントにいくとしよう。
―ーー3時間後―ーー
ぐえっへっへ。デスベアー5匹ゲット。
剛丸も進化した。
機械音声で剛丸が次の進化を何にしますか?と聞いてきた。
だんだんといろんな戦車に進化可能になってるな。よしよし、しかし剛志は躊躇なく。
マークⅠ雌型へ進化させた。
左右に張り出す大砲が機銃に変更された。
え?弱くなってね?とお思いの皆様。はい、対戦車戦闘的には弱くなってます。
え、雄型と雌型は同列だろ?どっちかしか選べないんじゃないか?とお思いのお方。
作者談 沢山戦車だしたいので、横滑り進化を可能にしました。
マークⅠ雌型に進化して得たスキルは
警戒Lv1 周囲の警戒能力がレベルによりUp
他のスキルのレベルは全然上がらない。
経験値が足らないのか、スキルの利用回数が少ないのか?
この辺は源さんでもわからないらしい。一度本格的に調査しておく必要があるかもしれない。
図書館とかこの町にもあった筈だ。
しかし、デスベアー狩りも大分上達してきた気がする。
そろそろ違う獲物も狙うべきだろうか?デスベアー専門ハンターになる気はないから、
剛志は違う獲物を狙ってみることにした。
狙撃ポイント8番、ここのポイントは源さんメモ(源さんのアドバイスをメモ帳に記録した。
ほっとくと忘れちゃうからね。)によれば、オールドリガーターという魔物(でかいリスみたいな生き物らしい)
が引っかかるとある。正直リス嫌いな剛志にとってみれば、嫌なポイントであると同時に好きなポイントでも
あると思っている。リス殺したらー!。剛志がリス嫌いになった理由は愛憎の反転というべきか、実は
昔の事、小学生頃に剛志はリスを飼っていたのだが、まあ寿命だろう。ある日死んでいたわけだ。それがショック
で逆に憎くなったという。まあ、子供だったから、PTSD(別名トラウマ)の一種と言えなくもない。
でかっきもっ、それが最初の印象だった。でかいリスという生き物がこれほどキモいとは思わなかった。
真っ黒な目、小刻みに震える体、全てがキモい。・・・だが、いい毛皮だ。高く売れるかもしれない。
獲物としては上々といった所か?
しっかりと狙いをつけて、ガツンといってやった。
見事一発でヘッドショット(頭への銃撃)に成功。
ypaaaaaaaaaaaaaaa!!!!
剛志は、心の中で雄叫びを上げた。
―ーー 3時間後 ―ーー
7匹目をやった時、てれってれって―、マークⅠ雄型はレベルアップした。
じゃなくて進化した。レベルを知る方法がないので、正直レベルアップは分からない。
スキルのレベルは分かるのだが・・・ひょっとしたら何か方法があるのかもしれないが。
こんど調べてみるか。正直この世界について分からないことは多い。源さんやナターシャさんに
いろいろ聞いて知った事も多いが、知らないことだらけだと思う。でも、それは地球にいた時も
そうだったように今にして思う。結局知ってるつもりで何も知らなかったんじゃないかと・・・
マークⅠ雌型はマークⅡ雄型へ進化した。
なんとなく皆様お気づきかと思う。マークⅠあるならⅡあるんじゃね?と。
そう、あるのだ。マークⅡはマークⅠに比べて何が違うかというと。
上部にハッチがつき、履帯が改良された。
そう。実は今まで剛志は剛丸から降りる際に、車体横のハッチとうかドアを開いて外に出ていた。
マークⅡは上部にハッチがついて戦車らしくなったのだ・・・相変わらず装甲薄いくせに妙に重く、
サスペンション付かない菱形戦車なので動くとすっごいガタガタするけど。
え、なんでサスペンション付かない菱形なのか?
当時の戦争は塹壕戦といって、大地にでかい壕を掘って隠れる強固な防御陣地が流行ってた。
こいつをぶち破るために戦車を作ったため、超壕力(堀った壕を超える力)が重視された。
菱形戦車はそれだけは高い。必要な機能がなければ作る意味ないのだ。
・・・しかし、どうしてこうなった?感はとても強い。人それを英国面と呼ぶ。
追加されたスキルは射撃Lv1、実に普通のスキルで、改造型なら初めに付けるスキルと聞く(源さん調べ)
無料で手に入れて剛志はホクホクである・・・普通は進化したのに普通に買えるスキルかよ!と憤るべき
所であるのだが、やっぱり剛志は変というか何というか。
当然雄型なので再び6ポンド砲に戻った。だから何?という気はするが、気にするな。
まだ待ち合わせまで時間はある。
さらに狙撃ポイント9(獲物は同じくオールドリガーター)へ移動して待つ。
いやっふー、入れ食いだぜー。さらに5匹をゲット。
しかし、進化はしなかった。5匹程度じゃもう無理かもな。
時間になったので慌てて町へ急ぐ。まずい、獲物を売りさばいたらギリギリだ。
ま、どうせ『きゃんち』だろ?遅れたらそこ行けばいいし。
心の中で言い訳しつつ、M25を急がせる。でも周囲の警戒は怠らない。さすがに剛志も学習する
命かかってるし、忘れるわけない。
周囲に漂うスモッグは、殺意すら吸い込みそうで、煙るその向こう側には何があるのか常に緊張を促すのだ。
「おつかれーっす。」
何でこうなってんの?視線で横にいる源さんに質問する。
ファイスとコンドルだけじゃなく、ひのふの8人は多いぞ?
「久しぶりだな剛志ーーーー!」
何この人、知らない人かなあ?ってイタイイタイ。
「何やってんだお前はよーーー、そろそろ合流してもいいなじゃないかあ?」
ええ、気付かない人もいるかと思いますがこの剛志に絡んでいるのはユーティリシアさんです。
酒入ってます。酔ってます。顔赤いです。剛志の頭をガンガン叩いてます。
「痛い、痛いよユーティリシア。やめてーーー」
ふざけてめっちゃ痛がってみた剛志だったが。
「ぐすん。痛くないもん痛くないもん。うえええええええ」
ユーティリシアは泣き始めた。剛志は混乱した。剛志は不思議な踊りを踊った。しかし何の効果も
なかった。剛志のMPは0だ。
「泣き上戸みたいなんですよ。すみませんが、そのまま相手していてください。その内に寝ます。」
それは無いだろムールドさーん。助けてー。
「だいたい剛志はなー・・・」
絡み始めたよこの人。
「おい、聞いてんのかあ?」
「はい、聞いてます聞いてます。」
そういや、ユーティリシアは何歳なんだろうか?女性に歳を聞くなんて剛志には無理です。
年下だとは思うが、同世代だったり?案外年上だったり?
猫耳生えてる人間の世界では何歳ぐらいまで生きるものなのかな?
酒が入ってる性か、剛志はちょっとしんみりしてきた。
楽しい時間はあっというまだ。何時までも皆でわいわい騒いでいたいが・・・
剛志は完全に酔っている模様。酒は強い方なのだが、この皆でわいわい騒ぐ雰囲気に酔ってる。
なんせ経験したことがないから・・・浪人生だから。しかも2浪なので、高校以来。高校でも、
剛志は騒がしい方では無かったし、一人ポツンとしている事が多かった。でも実は、皆でわいわい
やるこの雰囲気は結構好きだったのだ。家族で鍋を囲むのも好きだった。
「ZZZZZZZZZZZZZZz」
あ、ユーティリシア寝た。後ろにぐでっと倒れている。なんか猫っぽい。
「おお、今日は早いですね。疲れていたのでしょうか?・・・男所帯に紅一点ですからね。
うーん。女性は女性同士でしか言えない事もあるでしょうし、女性メンバーの募集でも
かけた方がいいのでしょうか?」
「いや、ムールドさん。俺に言われてもその辺の機微はわからないもんで、その手の相談の
お役には立てません。」
「ははは、剛志さんらしい。」
「ちょっ、地味に凹むんですが?」
「おーい、鳥刺しこっちです!」
「うわ、逸らした?」
「・・・逸らしちゃいません。ユーティリシアさんは何故か剛志さんを気に入っているみたいですし、
私も剛志さんは見所のある人だと思っています。剛志さんが良ければ一緒にチームを組みたいと思って
います。人と成りを知るには話しかけるのが一番です。別に凄い答えをして欲しい訳ではないんです。
会話をしたいんですよ。」
ムールド氏らしい。ずばっと確信を突いた話方だ。・・・でも多分それは剛志に合わせてくれて
いるんだと思う。剛志はのらりくらりと躱されるのも、いつまでも答えをださずぐだぐだ話されるのも
嫌いだった。人によっては会話そのものが好きであって、答えを求めていない人もいるが。
剛志はまず本題から入ってほしいと思っていた。御為ごかしはごめんだ。何が言いたいか?
何をさせたいのか?はっきりして欲しい。ムールド氏は相手に合わせて会話をしていると思う。
大人の人だと思った。
―ーー翌朝―ーー
ね、眠みいいいいいいぃぃぃぃ。
剛志はなんとあの飲み会の後、夜狩りにでかけた・・・酔っぱらってました。
酒に酔うと唐突な行動をとるのが剛志。『俺、働く!!!』と叫んで店を飛び出し。
源さんの店に押しかけて『釣りはいらねえよ!!』よ叫んで赤外線ゴーグル用の電池を買いあさり、
札束(この世界のお金は札がメイン、偽造禁止魔道が掛かっているらしい。)投げ込んで町を飛び出したのだ。
で、酔いがさめるまで。正気に戻るまでひたすら夜狩りを行い。
デスベアー5体、オールドリガーター4体、レッドドッグ(赤いでっかい犬。目がギラギラしてる魔物)
3体狩った。
そして、てれってれってー。マークⅡ雄型はマークⅡ雌型に進化した。
何となくそんな気がしてたでしょ?そう正解です。雄→雌へ進化です。
内容は言わなくてもいいよね?雄は大砲二門装備。左右の砲塔の間に死角があるのも相変わらず。
雌はそれが機関銃4門に変化します。近寄ってくる歩兵を威嚇するのが雌型の仕事。
雄型が突破し、雌型がフォローする。実に英国的、やりたい事は分かる。
だがやはり『どうしてこうなった?』感が半端ないです。
マークⅡ雄型になった事で得たスキルは・・・脱出Lv1
魔道戦車がやられた時に搭乗者を確率で脱出させるらしい。これもレベルで確率上昇。
成程。上部にハッチついたからね。うんうん。
他のスキルは、ジャガーノートLv1、超壕力Lv1、不整地機動Lv1、防盾Lv1、警戒Lv1のまま
全部Lv1・・・これはしょうがないのかもしれない。だって魔道戦車は荷台の上に座ったまま。
一歩も動いてないし。かろうじて警戒ぐらいはしているけど。他のスキルを使う余裕なぞないし。
舗装道路の上で時速6キロ弱。菱形戦車の形状上、沼に嵌ったら間違いなく一発アウト。
凸凹道を走らせたらエンジン故障する前に間違いなく剛志が死ぬ。サスペンション無いし。
いやね、この菱形戦車。エンジンルーム(機関室)という概念がないです。
つまり操縦席のそばにエンジン動いてます。ものっそ石油臭いです。五月蠅いです。
エンストしたらどうなるの?エンジン故障したらどうなるの?
部屋中二酸化炭素や一酸化炭素で充満します。死にます。マジです。
過保護と言われても剛丸ちゃんを外に出す気はありません。死にたくないんです。
・・・でも、以前デスベアーが襲ってきた時に外で対応したのは正直やりすぎだ。
まあ、テンパってたとはいえ剛丸の中に入ってればあそこまで怖い思いはしないで済んだ。
剛丸は俺が守る。とか思っちゃったんだな・・・あほだわ。
菱形戦車は戦車の時代を切り開いた先駆者ですが、これに乗るぐらいならト○タのカ○ーラ
の方が1恒河沙倍はましです。
ただし、剛志の様な一部の戦車オタは除く。
そう、剛志は嬉しくて仕方がなかった。剛丸なんて名をつけているぐらいだ。
好きで好きでしょうがない。俺の魔道戦車は世界一と冗談抜きで思っている。
最初の頃ファイス相手にいらついてた理由も、剛丸をバカにされた気がしたから。
コンドルがすぐフォローに入ったので血の目は見なかった。
剛丸の事を古い戦車とかいいやがった。
古いのは本当。でも人に言われるとむかつく。
でも、源さんに言われても何とも思わない。何故ならそこに愛があるから、戦車愛がね。
でも、ファイスも別に悪い奴じゃないな。
剛志はそう思った。Ⅲ号戦車が好きで乗ってるなんてこだわりがあっていいじゃないか。
そう、第二次世界大戦のドイツ電撃戦の立役者はなんといってもⅢ号戦車。
好きなやついたって可笑しくもなんともない。
結局剛志はただのバカ、戦車バカである。
そうこうしている内に剛志は町に帰ってきた。さすがM25だ、速いぜ。
菱形戦車とは比べ物にならない・・・比べる相手間違ってるか?
源さんの店へ・・・その駐車場へ一直線
で、爆睡。
源さん苦笑。挨拶も何にもなし。気安すぎる。
昼過ぎにおおーあああーとか言って起き出すと、源さんどうも?
とか挨拶してまたまた源さんの苦笑を誘い、ギルドへゴー。
手当した獲物を売却。
・・・そしてふと気が付く。あれ、夜中に『きゃんち』飛び出したということは。
店の飲み代の払いはどうなった?
あわててきゃんちへゴー。
「源さん、あざっしたー」
剛志は源さんに頭を下げていた。
そう、昨日の飲み代は全部源さんが持ったそうだ。
「いや、いいんだよお得意さんだし。」
「・・・すんません。」
「それより、ユーティリシアちゃんやムールド君には挨拶したの?
コンドルとファイスには?」
「おおっと、してないっす。あいつ等どこに居るんですか?」
「おおーい。そういう事話す機会はいくらでもあったろうに・・・ま、いいや。
坊主なら悪い事はせんだろうし。」
--- 六弦亭 ---
「おはようございます。こちらにムールドさんとユーティリシアさんが泊まっていると聞いたのですが?」
剛志は源さんの情報を元にすぐ宿へとやってきた。
「お客様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「あ、すんません。剛志といいます。」
そりゃそうだ、いきなり来た客をあっさり通す訳ない。
「少々おまちください。」
そう言うと、仲居さんは奥へ下がっていった。
3分ぐらいか?応接間の椅子に座って待っていると。
「剛志くんよく来たね。」
「剛志。ようこそ!」
ムールド氏とユーティリシアが仲居さんと共にでてきた。
「剛志君。我々に参加しにきたのかい?」
「いや、そうじゃない。昨日の事を謝ろうと思ってね。
いきなり飛び出しちゃったろ?」
「そうなの?」
あー・・・ユーティリシア寝てたし知らんか。
「驚きましたけど。あのあとどうしたんですか?また源さんの駐車場で寝たんですか?」
「えーっと。源さんの駐車場で寝たのは本当ですが・・・夜徹して狩りしてました。」
「・・・なんですかそれは?」
飽きれるのも無理ないです。剛志も逆の立場だったら飽きれます。
「あぶなくない?」
おおっ、心配してくれるのユーティリシア。
「大丈夫、初めてじゃないし。」
「初めてじゃない?」
「夜狩りの事ね、流石に徹夜で狩りは初めてです。」
「律儀ですね?あの飲み会は、我々の方が飛び入り参加ですよ?謝らなくともよいです。」
「いや、こういう事はきちっとしとかないとね。ごめんね。また今度飲もうよ。」
「ははは、うちのチームに参加していただければ毎日でも。」
「誘ってくれてありがとう。だけど今のままじゃ足手まといにしかならないからね。
もう少し魔道戦車を強化できたら参加する。その時はこっちからお願いするよ。」
「そうですか・・・今は残念ですが、その時はぜひ。」
ムールド氏と剛志は握手した。ユーティリシアとも握手した。
ちょっと寂しそうだったので、にこっと(剛志主観)微笑んだら、にこっと微笑み返しされた。
ほっこりした。
--- ホテル・ワイアット ---
汚な、この宿メッチャ汚な。
ここにコンドルとファイスが居ると聞いて来たが・・・
安宿だろうな?これで安くなかったら暴動が起こるレベル。
あっそうだ・・・汚いで思い出したが、関係ない話題かもしれませんが、
剛志は基本的に外で出すもの出してます。ウォシュレット欲しい。だれかクレない?
中のトイレなんてボットン基本でとても汚い。使いたくない。外の方がマシ。
狩りの最中にもよおしたら最悪。ベネリM3片手に持って必死こいてやります。
早く出ろ早く・・・心の声です。
トイレタイム中に襲われたらとてもお話にできない事になります。
剛丸だけが頼りです。警戒Lv1最高。これがあるお蔭で今の剛丸は剛志より警戒能力上。
『敵来襲』の声を聴いたことは今の所ない。でも今後はあるかもしれない。
いや、きっとあるだろう。備えはしておかなければ。
「ここにコンドルとファイスっていう野郎二人組がいるだろう?」
「・・・・・・」
受付のケバイ姉ちゃんに話しかけても返事がない。ここは定番のあれか?
「ホイ、1000ギア。」
「・・・っち」
舌打ち怖えええええ、そういうの耐性ないんです。剛志は日本人です。
お金払ったらすっごい舌打ちされた経験ある方居られますか?剛志はそんな経験なかったです。
好きとか嫌いとか言う前に怖いです。
でも我慢してポーカーフェイス。だって男の子だもん。つか受付にビビるハンター・・・
恰好悪い・・・がんばる。
「2階の211号室」
あっ、教えてくれるんだ?流石安宿。ここには絶対泊まらないと決心する剛志。
やっぱ源さん家の駐車場が一番だよね?・・・ご迷惑おかけします。
正直そろそろ駐車場に泊まるのは辞めようと思う。
真似する奴がでてきたら源さんに迷惑かかるもんな。夜はいっぱいの源さん家の駐車場とか
・・・シュールだ。
2階に上がって目的の部屋に到着『211』号室。看板がかすれてて読みにくい。直す気ないなこれ。
とりあえずまずはノックから。
コンコンッ
「・・・誰だ?」
おおっ、ファイスの怖い声初めて聞いた。普段聞いてる呑気な声じゃない。
「剛志だよー。受付にお金渡してここ聞いて来たよー」
わざと呑気な声を出す。
こんな宿に泊まったらそら緊張する。二人がドア越しに銃を構えていても可笑しくない。
「証明できるか?」
「そんなコントみたいな事させんな!・・・ファイスっていうアホ面がⅢ号戦車。コンドル
っていうイケメンがⅣ号戦車に乗ってたよ。」
悪意バリバリ。
「本物みたいだな・・・よし通れ。」
「ちょっと、コンドル酷いよ。」
怖い声はさっきだけか?ファイスよ。やっぱりこっちが素だな?
「入るよー」
一応一声かけてからドアを開ける。
・・・やっぱり銃を構えてた。コンドルのワルサーPPKは分かるが、ファイス?
なんでAK47なの?H&K使えよ。ドイツ式じゃないのかよ。
「何でカラシニコフやねん?」
おおっと思わず声に出た。
「・・・俺もそう思うんだがな?」
コンドルも不満顔だ。
「だって安いから、壊れても部品交換楽だし、部品代も安いし。俺は戦車乗りよ?サブウェポンなんて
取り回し良ければ何でもいいじゃん。」
「いや、普段使わないからこそこだわりたい」
剛志の即ツッコミ。
「だよな?だよな?」
コンドルと握手。
「せめてモシン=ナガンだろ?あれはドイツも使ってたし。」
「実用性かんがえてよ。AKの方が出回ってるし、威力あるし。」
「せめてG11にしろっていってるんだが。」
「おい・・・ケースレスはやめとけ。MG4でしょ?」
「殺意高すぎ、サブウェポンだよ?MP5でいいじゃん。」
「ハンターならやっぱビッグパワーでしょ?獲物狩れないじゃん?」
「お前だってベネリM3でしょ?取り回し重視じゃんよ。」
「俺はいいんだ俺は。」
「何それ?その俺様理論。」
「だからここは間をとってG11・・・」
『却下。』
「早い、早いよツッコミが。二人同時って何それ?打ち合わせてんの?」
---2時間経過---
「あっやっべもうこんな時間じゃん?ふざけんなよ二人とも、俺の貴重な狩り時間が・・・」
「おい、お前が勝手に来たんだろう?んでそれかい?」
「おっとそうだった。昨日は途中で抜けちゃってごめんな?・・・それ言いに来たんだったわ。」
「それ言うためだけに2時間かよ・・・暇人め。」
「悪りー悪りー。めんごめんご?じゃ、またな?」
「うわー、謝る気が微塵も感じられないんだけど・・・気のせいかなコンドル?」
「悪気がないのは分かる。面白いからいいんじゃね?」
「・・・ノリいいなあ。ま、僕も面白い方がいいからいいか?」
「二人とも仲良いなあ。やっぱり出来て・・・」
『出来てない!!!』
はっはっは、めんごめんご・・・そんな事言いながら剛志は安宿をでた。
さあ、狩りの時間だ。