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タンク・ワールド  作者: 米 三昧
49/65

第四十九話 巡航戦車クロムウェルマークⅡからⅦ

毎度、拙作をお読みいただき誠にありがとうございます。

この分は毎回キーボードより手入力しております。

休日と言う事で、何とか早朝に投稿いたします。

本当は前日に投稿したいのですが。

どんどん遅れてきております。

申し訳ございません。

 「つ、ついに着いた。」


 疲れ切ったジャッカル。


 「ふう、疲れたな。」


 剛志は結構平気だった。

 戦車で車中泊とか何時もの事ですので。


 剛志は全くの魔道戦車バカだ。

 ここまでで、雑魚とはいえ結構強い敵がいろいろ出てきてくれた

お蔭で経験値が入り。

 昨日よりさらに4段階も進化しておる。

 正直戦い過ぎて、ジャッカルはうんざりしているのだが。


 剛志はぴんぴんしている。

 剛丸が強くなればそれでいいんかい。

 そう聞いたらこう答えるだろう。

 いいんです・・・と。


 進化の内容は

 クロムウェルマークⅠからマークⅡ、マークⅢ、マークⅣ

 そしてマークⅤとなった。

 マークⅡはセント―のマークⅡで試した幅広履帯を装備している。

また、例の不評な車体機銃を廃止した。

 マークⅢは実は元々セント―マークⅠで、リバティーエンジンを

マーリンエンジンに換装したもの。

 この車両に係わらず、英国は古い戦車を改良して新しい番号を振る

と言う事をよくやる。

 中戦車センチュリオンも、すっ飛ばしたが歩兵戦車チャーチルも

 古い車体に新しい砲やら装甲やらエンジンを積んで、型番を新しく

振っている。


 つまり、普通の人ならあまり通らない進化の道なのだが。弱進化

 さえいとわない剛志にとってはご褒美です。


 続けてマークⅣだがこっちはセント―マークⅢのエンジンを

リバティーからマーリンに変えた物。


 最後にマークⅤだが。クロムウェルの後期生産型。

 主砲を75mm対戦車砲に交換している。

 つまりマークⅣとⅤの差は最初セント―だった物をエンジン換装

したらⅣで、最初からクロムウェルとして作られたらⅤになるわけだ。


 またこのマークⅣ以降はサスペンションの消耗を防ぐという事で

最高速度を時速51.Kmまで落としている。

 64キロ以上の速力が51キロ程度に下がったのは残念だが。

 それでも普通の中戦車より全然速いからいいのだろう。


取得スキルは、

 戦車砲がLv4からLV5へ上昇。

 火炎耐性がLv4からLv5へ上昇。


 上機嫌な剛志に対して、ジャッカルは不機嫌。

 魔道センサーが外されると困るので、進化させられないのがまた

 心的に負担となっているようで、いらついている。


 しかし、

 そう、ついに町に到着したのだが。


 「?何か寂れてないか?」


 町の様子がなんか昔の西部劇みたいというか。

 人がいない感じ。


 「おっかしいな。人間の反応があったからここで良いはずだが。」


 ジャッカルが搭載している魔道センサーかなり便利。

 科学では実現しにくい事を魔道で実現。

 魔道ではコスパ悪い事は科学で実現である。


 「ああ、廃村じゃないのか。じゃあどっかに隠れている?」


 剛志がそう言うと、


 「そういう事になるんだが・・・何でだ?」


 「俺に聞かれても、この村の住人じゃないし。」


 「うーん。一寸危険な気がする。」


 「奇遇だな、俺もだ。」


 「しかし、ぼおっとしていても仕方がない。

 剛志、人捜してこい。俺はここで戦車見てるから。」


 露骨に嫌な顔になす剛志だが。まあ仕方がない。

 魔道戦車から降りて町・・・というか村に入っていく。


 「誰かいませんかー」


 何となくホラーゲームやってる気がしてくる。

 初めに入った店は飲食店だったが。誰もいない。

 ただ、テーブルの上が綺麗だ。

 人がいなくなったとしても最近だろう。

 埃が積もっていない。


 厨房にも誰もいない。居住スペースにも誰もいない。

 この店には誰もいないと結論づけて、次の家を目指す。


 今度は一番大きな家にする。

 辺りには誰もいない。

 とりあえず呼び鈴を鳴らしてみるが。・・・反応無し。


 これは本格的にミステリーか?と思ったが。

 ジャッカルが人間の反応があると言っていた以上隠れているのは

確実な訳だ。


 入口の戸を叩いてさあ入ろう・・・としたら。


 『うお?』


 おっとこれは村の入り口の方、待っているジャッカルの方で何か

あったようだ。

 ベネリM3を構えて急ぎ戻る。バレットM82とブローニングM2は

剛丸の中に残してきた。

 人間相手だと威力強すぎるし、接近戦に向かないから。


 「どうしたジャッカル?」


 入口に戻ると、ジャッカルのT-10の周りを銃を持った男達が

囲んでいる。

 すわ何事か?

 とりあえず様子を見よう。今すぐにでていったらまたこじれそうだ。

 物陰に隠れて見ていると。


 「盗賊め、お前にやる金などない!」


 あら?剛志達は盗賊と思われている模様。


 「盗賊じゃない!宿を頼みたい。」


 「怪しいぞこいつ。こんな辺鄙な所に旅人等いるわけがねえ。

 俺達をだます気だ。」


 あー。そりゃあそうだ。だが剛志達とて来たくて来たわけじゃない。


 こりゃあ揉めるな。

 ・・・と言う訳でしばらく放置。


 ジャッカルが必死で答弁しているが、だんだん怒りゲージが

上がっていくのが見て分かる。


 まずいな、そろそろ仲裁に入るかな。

 地面に書いた三目並べをがしがし消して、さあ入ろうか・・・と

思ったら。


 所が変な所変に運があるのが剛志。

 来ちゃった。本物の強盗団が。


 「ひゃっはー。金を出せー。」


 うーん。随分と分かり易い強盗団だな。類型ってやつか?

 何でこんなわっかりやすいテンプレートな連中が?


 まあ詮索は後だ。こうしちゃおれない。万が一剛丸持ってかれたら

困ってしまう。


 「あ!剛志てめえ、隠れてやがったな。」


 「いいからいいから、ほれ、あいつらやっちまおうぜ。」


 「なんでだ?」


 「俺達が盗賊じゃないって証明するのにいいだろ?・・・

 なあ、勝手に助っ人させてもらうがいいかね?」


 「え?えええ?あれ?」


 随分と混乱しているな。


 「まどろっこしい。やるぜ。」


 ジャッカルは怒りのはけ口を強盗団に求める事にしたようだ。


 「おらおら、アポカリプス起動!」


 「・・・いきなり全力かい!」


 次々と強盗団を吹っ飛ばしていく。

 連中は機動装甲車両をつかっているようだ。

 バナールやらダイムラーやら、WWⅡ時の装甲車両揃い踏みという

感じだ。

 成程な、これならこの辺の地平線まで続く荒野を走るのに向いて

いるんだろう。

 強い敵が来たら逃げればいいしな。

 頭いいな強盗団。

 ・・・だが運が無かったな。


 「ふははははこっちもオンスロートが起動したぞ。そらそらそら。」


 怒れるジャッカルと、絶好調の剛志の敵ではなかった。


 「ありがとうございました。」

 「疑ってしまって申し訳ねえっす。」


 村人達からお礼を言われて野眼や歌えやほーやれほー。

 酒も入って最高です。


 あの後、強盗団を締め上げて、本拠地に乗り込み、

 怒れるジャッカルと絶好調の剛志により強盗団は全滅。

 生き残った連中は縛り上げられ、奪われた人や物や金が帰ってきた。

 ・・・まあ、全部じゃないけど。一部はもう他の町へ売っぱらわれ

てしまっていてどうしようもなかった。

 だが、これで強盗団の脅威がなくなった村人の顔は明るい。

 ジャッカルも剛志もしこたま飲んで。騒いだのだった。


 それなりに経験値も入って剛丸は1段階進化。

 巡航戦車マークⅧクロムウェルマークⅥである。

 このマークⅥは近接支援タイプ。なので榴弾砲が乗っている。

 95mm榴弾砲装備。他はマークⅤと変わらない。


 取得スキルは、

 爆風がLv3からLv4に上昇。


--- その夜 ---


 一台の車両が村から出て行こうとしていた。

 「あばよ。剛志。次は俺が必ず勝つからな。」


 ジャッカルだ。


 「やっぱな、1人でいくのか?」


 そこに近づく影。剛志だ。


 「ちっ気が付いてやがったか。」


 「うん、なんとなくな。お前案外律儀だよな。町までは

 一緒に来たしな。途中で後ろから撃ったりしなかったしな。」


 「ふん。そんな事するか。戦車乗りの誇りってもんがある。」


 「恰好つけんな。悪人のくせに。」


 剛志は笑っている。


 「悪人だが戦車乗りさ・・・それでどうする?ここで勝負

 つけるか?」


 ジャッカルも笑っている。


 「やめとく。俺は別にお前個人になんかされた覚えないしな。

 まあ次にあった時敵味方に分かれていたら手加減はせん。」


 「ふん、源三郎の爺みないな事いいやがって。

 お前には借りがあるんだ。簡単に死ぬんじゃねえぞ。」


 「・・・なあ、1つ聞いてもいいか?」


 「なんだ?」


 「やっぱりお前の後ろにいるやつってミゲーロなのか?」


 「・・・なんでミゲーロだと思った?」


 「お前は師団長だったんだろ?そんな立場の人間が簡単に脱走とか

 できるか?内部の人間でも相当に地位の高い人間が手引きしたと

 しか思えん。」


 「それは違うぞ剛志。」


 「え?ミゲーロじゃないのか。」


 「違う違う、ミゲーロが俺を使ったんじゃねえ。俺が奴を利用した

 のさ。」


 「はっはっは。・・・そうかよ。お前らしいや。」


 「1度きりの人生だ・・・好きに生きるさ。じゃあな剛志。

 次会う時が敵か味方かは分からんが達者でな。」


 ジャッカルはくるりと振り返り、愛車のT-10に乗ったまま

村を出て行った。一度も振り返る事はなく。


 次の日。剛志は村人から地図をもらっていろいろ教えて貰い。

 ハイドラ市を目指して出発した。


 「くそっ遠いなあ。24時間吹っ飛ばしても何日もかかるぞ。」


--- テラワユクラ ---


 「遅かったなアレクサンドル。」


 「トーマス兄者。すまん。途中妨害にあった。」


 「そうか、ミゲーロの奴。我らに賞金なんぞかけたらしいな。」


 「・・・そのようです。」


 「ふふっ。何を深刻な顔をしている。マーシャもアレクサンドルも

 親父を見舞っていけ。」


 「え?父上はご健在なのですか?行方不明と・・・」


 「それは欺瞞情報だ。父上は刺されたばかりだからな。

 ご健勝であれば何も問題ないが。怪我をなされている以上、

 細心の注意をはらったまで、ここの病院に居られる。

 後で案内しよう。」


 「なんか?段取りができてる?」


 ユーティリシアは不思議に思った。

 まあ元々ここに来るよう指示したのはトーマスなので、

 別段驚く事ではないのだろう。

 しかしそれにしても素早い対処だと思った。

 ユーティリシア達の前にはお菓子とお茶がだされていて、

 シナモンは流石タージマじゃ。と喜び、

 テニトンは一寸悔しそう。

 コンドルは若干緊張しており、

 ファイスは美味いねえとお菓子をむさぼっている。

 エリオットもこんなお菓子食った事ねえだと言って驚いている。


 「このお茶もかなりいいものですよ。」

 アムリシアはお茶に感心していた。


 「このお菓子流石ね。」

 クラさんも感心している。


 「お茶がおいしい。」

 クリス君もめずらしくにこやかにほほ笑んでいる、

 このチート戦士は人見知りするたちだが、おいしいお茶の性か

緊張感がなり。リラックスしている。


 剛志ならどう対応しただろうか。そう思ってユーティリシアは

少し悲しくなったが。

 ここは自分がしっかりせねばと思い直し、考えた。

 が、わからない。判断するには材料が足りないと思った。


 「皆さん、アレクサンドルとマーシャを連れてきていただいて

 本当にありがとう。私からもお礼を言います。

 現在、タージマ本隊をこちらに回しています。

 到着次第反撃開始となりますが。

 皆様にはぜひ参加していただきたい。

 もちろんムールドチーム本隊の方にも密偵を回しています。

 なんとか安全にこちらへ脱出させたいと思っています。」


 対応が実に鮮やか。さすがトーマスだが。

 ユーティシアは若干胡散臭く感じた。

 なんか出来レースみたいな感じがする。

 もっともこれはユーティリシアの第六感とでも言うべきもので

あり、トーマスの対応は普通に考えておかしい所は無い。


 「お世話になります。」


 とユーティリシアは答えておいた。

 実際問題。ムールドチームこそが漂流民のユーティリシアに

とっての家族のようなもの。

 まずはチームの皆の安否が大事。タージマの家の事はタージマ

のもので何とかしてほしいというのが実情。

 まあハンターである以上。報酬をもらったならそれなりの働き

をする自信はあるのだが。


 とにかくムールドチーム勢揃いまではここは待ちだな。

 ユーティリシアはそう判断した。


--- 某所にて ---


 「うーん。敵が弱くなってきたなあ。な、剛丸。」

 『イエスサー。車長。』


 剛志は剛丸と話しながら旅をしている。

 ジャッカルが居なくなったら1人旅なもんで手持無沙汰。

 だいたい戦車の方は魂である剛丸が上手い事運転するわけである

からして、剛志のやる事は何にもない。

 食っちゃ寝星人と化している。


 「つまらないのよー。敵が弱いのよー。」


 おかしな曲を自作して歌ったりしている。


 『ハイドラ市までの予測到達時間はあと48時間になります。』


 「え?早くない?」


 『車長よりインプットいただいた地図には抜け道の記載が

 あります。思うにあの村。密輸してます。』


 ぶほっ、剛志はするめ噴いた。


 「何それ?」


 『車長はおかしいと思いませんでしたか?何故彼らはあんな辺鄙

 な所に住んでいるのか・・・密輸です。』


 「・・・成程なー。」


 思えば強盗団に襲われておいて、国やらギルドやらに助けを

求めないのは何故か?

 やばい事やっているからである。

 善と悪の戦いではなかった。

 悪と悪の戦いであったのだ。


 「ま、いいか。」

 戦車バカ剛志にはまあどうでもいい事なんだろうね。


 「それより剛丸。あとどれくらいで進化できる?」


 『この辺りの敵のランクを考えますに後2、3回の戦闘が

 必要でしょう。』


 「剛丸も成長したよなー。でもまだ英国巡航戦車の歴史は続く

 んだよなー。」


 『さっさと日本戦車ルートに入ればよろしかったのです。』


 「うーん。そうなんだが・・・まあ、戦車愛のなせる業って事でさ」


 『今、技じゃなくて業と言いましたね車長。』


 「・・・最近剛丸ちゃんのツッコミが激しい。」


 そんな事言い合いながらハイドラ市へ向かった。

 そこにはもうムールドチームはいないのだが。

 剛志はそんな事知らない。皆きっともどってると思っているのだ。


 ハイドラ到着前に剛丸は1段階進化。

 よって弾薬自動補充。

 食料他の消耗品は密輸村にて補給してきている。

 後はチームに合流すれば万事OKなのだが。


 進化先はまだクロムウェル。

 巡航戦車マークⅧクロムウェルマークⅦである。

 クロムウェルマークⅣはセントーベースなので履帯が古いタイプ。

 新型の幅広履帯に変更され、装甲も増加された。

 最大装甲厚が64mmから76mmに増幅。

 機動力だが。例のサスペンションの負担軽減処理があるので、

 最高速度は時速51.5Kmのまま。

 主砲も37.5口径75mm砲のままである。

ソ連戦車の弱点もいっぱい出しましたが。

強い点も多いです。なんといってもスペックが凄い。

51口径125mm滑腔砲とか凄いよね。


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