第十四話 ヴィッカーズ中戦車
短い。遅い。
だんだん雑になる。
よくないので、できるかぎり毎日投稿しますが、
状態が悪い時は一日間隔をいただきます。
町へ戻ってまいりました。
あなた達が一番乗りです。といわれて喜ぶ原住民派の皆さん。
でも一番弱い敵でしたよね?
一番弱くても素晴らしい経験値の持ち主だったなあの海老。
職員さんに凄かったといったら。
「実を言うと、取得経験値が敵の強さに見合わない事が時々
あるんです。ひょっとしたら当たりだったのかもしれません。」
との事。
だとしたら俺ラッキー?珍しい事もあるもんだ。
運には自信がない。
報奨金は皆で山分け・・・とは当然いかない。
原住民派の連中が(20名程)ほとんどとってった。
のこりの10名強で2割程を山分け。
当然クラさんはブーイング。
剛志やコンドルとファイスは別にどうでもいいので、
何も言わずに受け取った。
正直アホだな。と思う。
だって原住民派は今回のクエストで名を上げるつもりだったはず。
剛志含めた残りのハンター達の原住民派への評価はだだ下がり
ですよ。
目先の利益に釣られて、真の目的をおろそかにするようでは、
ぶっちゃけそんなに金に困ってたのかな?
だとしてもそれを周囲に知らせてしまってはダメだろ。
俺たちは強い。俺たちは気前良い。だから一緒にやろう?
とやらないと。
剛志の取り分はそれでも30万ギアなり。
奴らはそれ以上取った訳だ。
個人ハンターの皆さんの顔・・・青筋浮いてた。
クラさんはあいつ等とは絶対つるまないと宣言。
そりゃそうだ。こっちの4倍取ってるもの。
恨まれるよなあ。
さて、まだ日も高いので源さんの店により、補給。
コンドルとファイスとは別れた。クラさんとも別れたんだが。
なんか寂しそうにしていたので、連絡先を教え合い。
何かあったらすぐ来なさいよ?とかいってました。
案外面倒見がいいのかもねこの人。
さて、久しぶり・・・特殊災害生物の退治に一週間実はかかってます。
個人で狩りをする方が効率いいね。
まあ、海老狩りの途中で剛志はずっと寝てただけだから。
本来ならもっと儲かり、剛丸も進化していたのかもしれないが。
ムールド氏・・・というかユーティリシアの無事は気になるが、
今の剛志にできる事はぶっちゃけない。
いつものようにいつものごとく狩りをするのみ。
--- 30分後 ---
やってきました。狩りポイント1
ひさびさの1です。
もうほとぼりが冷めた頃だろう。
さあ、デスベアー狩りだ。
スーパーグレートを停止。
剛丸・・・菱形戦車マークⅩの上に腹ばいになり、
バレットM82を構える。
2㎞先のポイントを睨んで30分・・・来たわ。
慌てず騒がず。
ズバン
重たいものを叩いたような音が鳴り響き、
熊のような姿の生き物の頭部が吹き飛んだ。
「・・・段々慣れてきたかな」
ってズバン?音でかく・・・失敗したああああああ。
そうです。バレットM82はルノーFTシリーズの時から使ってないが。
しかし、ルノーFTには乗せていたし、毎日手入れもしていた。
その際。ハッチが狭いのでバレットM82がよく引っかかった。
頭に来たので、清音装置を外してから搭載していた。
・・・菱形戦車なら問題なく入るのに。引っかかるのが嫌で外した
ままにしてた。
うああああ。
またですよ。3歩進んで2歩戻る。歌の通りだ。
まあ、前よりましと思うとしよう。1歩は進んでるはず。
--- 4時間後 ---
ハンターベアは8匹狩った。
剛丸はヴィッカーズNo1中戦車になった。
英国も菱形戦車に満足しているわけではなかったらしく、新戦車を開発
それの試作車両No1である。
全周旋回式砲塔を持ち、マークBホイペットに似た外見。
武装は7.7mmオチキスM1914重機関銃3挺をドーム型砲塔の
ボールマント式銃架に装備。
ただし、機械的信頼戦に劣るため、没になった。
スキルは掃射がLv3に上昇。
町で狩ってきた弁当を食べながら次の狙撃ポイント
へ移動する。ポイント2にて再びデスベアー狩り。
運よくハンターベアの群れを狩る事が出来た。
ただし、その後全然当たりがなく
結局日暮れになったので町へ帰還する事にした。
取得した獲物は5匹だが、例によって群れ狩りボーナスがついて
かろうじて剛丸は進化しが。
ヴィッカーズNo2中戦車
試作2号である。こちらとNo1の違いは武装。
3ポンド砲を装備。(47mm40口径)
こっちもまた没戦車である。
No1と同じく機械的信頼性に劣ると判断されてしまった。
取得スキルは修理Lv1
なんと、魔道戦車は自分で自分を修理する能力があるらしい。
流石魔道戦車なんでもありだな。
そのレベル1との事。ただし、戦闘中は修理ができない。
安静にしていないとスキルが働かないとの事。
この辺は以前図書館から借りてきた本に書いてあった。
『魔道戦車のスキル』
というまんまの題の本だった。
でもそろそろ借りてきた本を全部読み終わっちゃう。
剛志は浪人生だったし、オタクだし、日本人だし、本読むの好きだ
から、毎晩少しづつ読み進めている。
今のは初心者向けおススメとの事だから次は中級者向けか?
町へ帰ってギルドで換金する。
蛸方面へ行ったグループに、負傷者がでたらしい。
先行して戻ってきていて治療を受けているそうだ。
負傷したのが誰なのか気になったので聞いてみると。
知らない人だったので、薄情なようだがほっとする。
漂流民派の方も上手くいったようだ。
源さんの店にいく。補給が目的だが・・・
特殊災害生物の話をしてみる。
こんなに上手くいくものなのか?
もちろん普通は上手くいかないぞ、と言われた。
原住民派には、源さんの知り合いのハンターがいて、
それとなく対応策を授けていたそうだ。
例の鳥もち砲ですな。
一門しかなかったけど。
あれがないと、見た目以上に動きが素早い奴らしく。
簡単に弾が当たらないらしい。
蛸の方にはムールドさんへちょっとしたアドバイスをしたとか。
え、源さん。俺には何もなかった・・・坊主なら大丈夫だ。
とか言われた。いやそういう問題じゃ。
タージマ家の連中に関しては、一番遠い場所なんで遅いだけ
と言われた。
タージマ家の強さの秘密の一つとして、徹底したデータ管理が
ある。一度遭遇した敵のデータは即全チームへ通達され、
トップは対応策を表示しなければならない。
見た事も無い敵の対応策を出すのか?と聞くと。
結構あそこで上張るのはきついらしいぞ?
と言われた。
だが修正して挑戦してを繰り返せばいつかは最適解へたどりつく。
膨大な敵データと対応策。徹底した集団戦。
強ええぞあいつら。
源さんはそう言った。
その話に触発された剛志は、夜狩りへ出発。
あいも変わらずノリ重視。やる気がある時が大事。
いつやるの?今でry
今度は狙撃ポイント7へ移動。
ここは実は今までは来たくなかった。
ここは魔獣ではなく・・・魔虫ポイントです。
剛志は虫苦手。
でもそうもいってられません。
剛丸の進化がだんだんし辛くなっている今。
夜に大量にやるとしたら魔虫だろう。
一応虫対策として2種類の薬品を用意した。
一つは環境フェロモンと言うやつ。
魔虫がもし少なかったら、魔虫を集めるのにつかう。
もう一つは殺虫剤というか防虫剤。
虫の嫌がる臭いがするので、逃げる時に使おうと思う。
さて狙撃地点に到着。したのだが・・・
偵察を剛丸に使わせると・・・周りにおるおる魔虫の群れ。
凄い近くではないが、射程距離にすでにいるとは。
この狩りポイントは穴場なのか?
つか源さんからもらった情報が凄いんだなこれは。
念のため防虫剤を用意。腰のベルトに吊るす。
こいつは健康には良くない物質だが、命には代えられない。
いざとなったら頭から被る。
バレットM82を取り出し、消音装置を取り付ける。
赤外線暗視装置を付けたスコープを覗きこみ、照準を合わせる。
うおっ・・・何かキモいというより怖いな。
ここまでデカい虫だと逆に違う生き物みたいに見える。
なんつうか小さいゴキブリだと逃げるが、
人間サイズだと殴れる。・・・違うか。
めっちゃきもいだけだそれ。
でかいカマドウマ。なんか違う生物みたいに見える。
ラッフィングスパイダークリケット。
でかいと顔が良く見えるんだが。それが笑っているように
見えるとの事でこの名がついたらしい。
でかいセミ
デストロイヤーローカスト。
超音波で泣き、周りの物を破壊する危険生物。
でかいカマキリ
ハイヒールマンティス
足の先だけ赤く、ハイヒール履いてるみたいだからそういう名に
なったそうな。
でかい蜂
クレイジービー
ミツバチのくせに戦意が高いのでこの名がついた。
でかいスズメ蜂
スカルホーネット
人間の頭を齧っているのを見た学者が付けた名だそうな。
でかい蟻
リミテッドアント
ふざけんな、もう限界だと叫んだハンターの言葉より名が付いた。
いるいる沢山いる。
御免なさい、初めに誤っておきます。
無理です。奴らの死骸を集めて持ち帰るなんて・・・
サブイボでてきた。駄目、もう駄目。
やばい、狂いそう。
「剛丸。皆殺しにしろ!」
--- 3時間後 ---
剛志は号泣していた。
もう駄目。
弾が切れるまでバレットM82を撃ち、
ブローニングM2に変えて、また弾切れまで。
さらにベネリM3、M29と次々に撃ちまくった揚句。
ハッチから引っ込んで、剛丸の中で蹲って号泣。
恐らく命中弾は少ない。ガク引きしまくり。
ハンターの意地とか何それ?美味いの?状態。
プライドなんぞ木端微塵。
きもいよー、虫駄目なんだよー。
そうこうしている内に、
『敵、沈黙。増援を確認。いかがしますか?』
と、剛丸が言ってきた。
流石剛丸。魔道戦車は虫が怖いとかそんなのない。
今だ、勇気を振り絞って外へと飛び出し。
スーパーグレートの運転席へ。
逃走だ。全速力だ。
魔虫は流石は虫だ。遠くの剛志より近くの死骸。
共食い地獄が始まってます。
最も殺戮の宴は毎晩やってるみたい。
虫の種類それぞれ違うしね。
肉食や雑食の虫も多いしね。
しかし、想像しただけで吐気がする。
剛丸はなんと4段階も進化した。
でももう絶対こない。剛志は強く心に誓った。
ヴィッカーズNo2から
ヴィッカーズマークⅠ中戦車に進化
こいつは当初軽戦車だったのだが、
後でもっと軽い戦車ができたので中戦車に変更された戦車。
No1、No2の失敗を元に作成され、正式採用に至った戦車。
機関銃が6門もついてる。砲塔に4門、側面に2門。
さらに主砲が3ポンド砲。
一見重武装だが、視界がそんなによくなくて使い勝手は
そんなでもないという話。
続けて小改良型のマークⅠAに進化。
さらに装甲厚がましたマークⅡに進化した。
さらもその小改良版マークⅡAに進化。
このヴィッカーズ中戦車はWWⅡ直前まで使用されていた。
さて、取得したスキルはというと。
新しいスキルが1つ。
対空射撃Lv1
その名の通り空中の敵に対する射撃命中率に
ボーナスが付く。レベルアップで能力上昇。
後は3スキルがレベルアップ
脱出がLv3に上昇
走行時衝撃緩和がLv3に上昇した。
後は、取ったばかりの対空射撃が直ぐにLv2に上昇。
このヴィッカーズ戦車は主砲についてるボールマウント式
機関銃
しかし、WWⅠを脱し、剛丸の機動力もだいぶ上がってきた。
そろそろスーパーグレートも卒業かもしれん。
修理に出してるドラゴンワゴンは持って帰るとして。
どっかに駐車場借りないと駄目かな。
町へ帰ると、源さんの店の前で我門さんが待っていた。
なんでも打ち上げを例によって『きゃんち』でやってるとか。
そうか、ムールド氏とユーティリシア達も成功したんだな。
よし行こう。我門さんは無口な方なので、無駄口は叩かずに
きゃんちへ移動。
しかし、ムールド氏の頼みとはいえどのくらい待ってたのか?
流石に聞いてみたら、30分ぐらいとの事。微妙。
でもお礼は言うべきだろう。
ありがとうございます。と言うと、
礼には及ばぬ。と言われた。
--- きゃんちにて1時間後 ---
「ほらほら飲め剛志。あたしの酒がのめねえのか!」
皆すっかり出来上がってます。
ユーティリシアは両手に酒瓶もって剛志のコップにどくどくと
酒をつぎ込む。
もう彼女の顔は真っ赤だ。
「おっとっとっと。もったいない。チュー--」
例によって横からコップに吸い付く行儀悪の剛志。
「カンパーイカンパーイ」
そこらかしこで乾杯の音頭がとられている。
ムールド氏も何時もの冷静さをかなぐり捨てて、
喜びの笑顔。
「あ、鳥天こっちね。」
ジャンがバク転に失敗してこけて、皆爆笑。
我門さんもクリス君も嬉しそうだ。
楽しい時間は瞬く間に過ぎて行った。
--- 夜中のきゃんち ---
あの後、一人減りまた一人減りと、帰って行った。
宴会は自然にお開きになった。
ここに残ったのはムールド氏と剛志。
横でユーティリシアが丸くなって寝ている。
我門さんはムールド氏に言われて、クリスとアムリシアを
宿へ連れて行った。
ジャンは二次会だーっと叫んで、町へ行った。
何人かついて行ったようだ。
「剛志君。真面目な話があります。」
「・・・なんですムールドさん。」
「我々はこの町を出ようと思っています。」
「いきなりなんです?・・・理由を伺っても?」
「漂流民派ですが・・・予想以上に駄目な連中でした。」
「成程・・・」
「正直申し上げて、あんな連中の抗争に巻き込まれるのは
まっぴら御免です。」
そんなに駄目だったか漂流民派。
「そこで・・・剛志君も一緒に行きませんか?」
「そうですね。それもいいかもしれませんね。・・・ですが
その前に。」
「その前に。」
「ハイドラ市によっても構いませんか?」
「ええ、構いませんよ。ていうか、次の目的地はハイドラ市に
なるでしょう。」
「それはよかった。」
「でも、何のようがあるのですか?」




