プロローグ 自分勝手冒険者参上! その4
「創像剣は伝承に残る世界を塗り替える可能性を持つといわれている大いなる武器だ」
「大いなる……」
「……武器?」
シュテルが指パッチンをするとウエストポーチからナズナが丸められた紙を取り出す。
そして目の前のテーブルの上で広げる。
「この近くに、誰も知られていないという遺跡があるとされています」
ナズナは紙に書かれた絵を指さす。
双子はそれを見るためにテーブルに近づき紙を見つめる。
「この国は魔学を忌み嫌っているせいかこの遺跡をまだ発見に至ってない。そこで見つかる前にさっさと見つけていただいちまうってことさ」
「我々の持つこの魔学コンパスによって既に遺跡の場所はわかっています」
「ま、今日はそこに行くつもりだったが……」
「私たちとあったから……」
「……行けなくなった」
「お前らが悪いわけじゃない。もう罰する者もいやしねぇからな」
ニヤリと笑いながら双子の頭を両手でなでまくる。
双子は顔をしかめてシュテルをみる。
「さっきからなでられてばっかり……」
「……嬉しいけどやりすぎはやめて」
「カッカッカ。そいつはすまねぇな」
そう言いながらシュテルはなで続けた。
怒っているような顔をしながらも双子は嫌がっていなかった。
「とまぁ、そういうことで明日は目的地の遺跡に再出発だ」
「はい。ではお二人ともベットで寝ましょう」
「はーい……」
「……はーい」
そういうと二人はベットの上にいき布団の中へとはいっていった。
シュテルはそれを見とどけると、テーブルの上にある魔学コンパスをみる。
「あんたの形見でおれはやってやるぜ……」
そう言って魔学コンパスを掴んだ。
「シュテル様。二人をベットに寝かせつけて来ました」
「そっか。ほれ」
「はい」
シュテルから魔学コンパスを受け取るとポーチに魔学コンパスをなおす。
「へ、おれらも寝るぞ。明日ははえぇからな」
「わかりました」
シュテルの言葉にうなずくとナズナはあいているベットへと向かっていった。
「ま、小さい二人がいればこうなるわな」
そう言ってシュテルもベットに向かっていった。