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プロローグ 自分勝手冒険者参上! その2

「おっと双子ちゃん達。おれは君たちを捕まえた奴らじゃないぜ」

「関係ない……」

「……食べ物置いてけ」


幼い風貌をした双子の少女達はその風貌に似合わぬ鋭い目つきでシュテルを見つめていた。

ボロボロの服に布切れをまとって姿。その中で藍色の髪だけが美しさを残している。

その姿を見たシュテルは彼女たちのことをとてもかわいそうに思った。


「シュテル様から離れろ、ゴミども!」


そうシュテルが考えていると双子に向かってナズナが銃を構えていた。

だが、双子はそれをいとも気にしない。


「何か知らないけどそんなもの向けても……」

「……怖くない」

「ああ、あなた達は魔銃を知らないのですね。この国は本当に閉鎖国家ですね」


バンッ!


「あっ……」

「……ツォイク!」


魔銃から放たれた弾丸は双子のツォイクと呼ばれた少女に当たる。

もう一人の少女があわてて近寄っていく。


「……血が出てない?」


気を失ったツォイクを見て少女は驚きの声を上げる。


「魔銃ってのは魔法を発射する銃。撃つ者によっていろんな弾を発射できるんだよ」

「……ッ!!」


少女の首筋には剣が突き立てられていた。それによりもう動くことができない。


「ま、あの盗賊に捕まったのもワザとだったんだろうが、おれ達相手じゃ勝てる見込みはなかったな」

「……う、うう」


グゥ~


「……お腹、すい、た」


バタッ!


「シュテル様」

「ああ、腹減って倒れたんだな」


目の前で倒れる少女をシュテルは指差す。

それを見てナズナは頷き、華奢な体にしか見えないナズナは二人の少女を担ぎあげる。

シュテルは手伝うこともなく道を進んでいった。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


《アンファングの町 宿屋 一階 食堂》


「……うまい」

「おいしい……」


ガツガツと双子は目の前に出された料理を食べている。

シュテルとナズナはそれを見て軽く笑っている。

そしてあたりを見渡す。


「どうもおれ達は見られているようだな」

「閉鎖国家であるこの国では旅人もあまり来ないのでしょう。わたし達の姿が珍しいのでしょう」


食堂で食事する客たちはジロジロとシュテル達を見ている。

この国の一般的な服装は中世の服装と言われるものである。

閉鎖国家であるこの国は服装や食事などの成長が遅い。

それに比べてシュテルの恰好は黒色のTシャツにカーキ色のコート。藍色のジーパンに黒色のベルト。そして青色のスニーカーとうすい青色のサングラスと言う進んだ格好をしている。このあたりに似合う雰囲気のものと言えば背中に背負っている剣ぐらいのものだろう。

さらに金髪の髪と言うものがこの国では珍しいらしくさらに目を引くようだ。

そしてさらに目を引くのはナズナだろう。

ナズナの服装は執事服である。普通は男性が着るものを着ており、ナズナのスタイルの良さを強調している。右腰にはホルスターと魔銃が。左腰には小さな黒色のウエストポーチがつけられている。そして靴は黒色のシュテルと同じ形をしたスニーカーである。

そして髪の色は先端部分だけが黒であり、それ以外は金髪である。


「ふ、珍しいと言ってもあれだぞ。かっこいいとか素敵とかだぞ」

「シュテル様はそうにきまっておりますが私などは……」

「ふ、おれの奴隷第一号が謙遜することはない。その首輪は世界でも数少ない優秀なものの証しだ」


そう言ってシュテルはナズナの首を触る。そこには首輪がつけられていた。


「はい。申し訳ありません。シュテル様の奴隷としてあるまじき発言でした。罰をお与えください」

「ははっ。こんなことでイチイチ罰を与えるわけないだろ。自分のものはあまり傷つけたくないからな」


そう言いながらシュテルは頭をなでる。シュテルはうれしそうに顔を赤らめる。


「……ごちそうさま」

「うん。ごちそうさま……」


それを見た双子はごちそうさまと両手を合わせていた。


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