プロローグ 自分勝手冒険者参上! その12
「うおぉおぉお!?」
「こ、これはなんか抜くしかない展開やで!」
「よし抜くぞ!」
そして創像剣をさやから抜くとさらに光が強まっていく。
「おおおぉぉ! なんかすごいことが起こりそうだぞ!」
「せや、せやせや! 何が起きるんや!」
ワクワクしながら創像剣を見ている二人をよそに、ナズナは向かってくるロボットを見ていた。
(何か起きてくれればいいのですが……)
そう思いながら手に装置を持ち肩に双子を載せながらシュテルと創像剣を見つめていた。
「おおっなんかおれが光りだしたぞ!」
「お――ってうちも光りだしとる!」
「……光ってる」
「ものすごく……」
「これは、一体――」
気がつくと自分たち自身が発光を始めていた。
青白い光がシュテル達の体全体から発光すると突然体が宙に浮き始める。
「お、おおっ!」
「な、何が始まるんや」
「わ……」
「……お」
「集まっていく!」
光っていた全員が一つの場所へと集まっていく。
そして集まると同時に全員が青白い光に包まれる。
「なんだ、あの球体はよぉ」
「あ、あいつらがアレになるのをオイラ見ましたぜ!」
追いついたロボットに乗っていた二人が球体になった光を見つける。
驚きふためきながらそれを見ている。
「く、なんかの目くらましだ! ぶん殴ってやるぜぇ!」
そう言ってロボットが腕を振り上げ球体めがけて殴りつける。
ガンっ
「うおわぁっ」
ロボットは攻撃を跳ね返され倒れかける。
「なんではねけぇされたんだぁ!?」
「あ、ま、前を見てくだせぇ!」
「あ、ああ!?」
目の前には胸にオレンジ色の龍。右肩には黄色の狼の顔。そして左側にはその尻尾。右足には白熊、左足には黒熊。そして頭には蒼い龍の冑をかぶった人間のような顔。
そう巨大なロボットが突如として現れたのだった。