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決してボクは主人公ではありません  作者: 御劔凜
第一章~ボクの日常~
4/11

派遣部のことを説明します

今回も説明ばかりですが、少しでも楽しんでいただけるように頑張って執筆しています!






間一髪HRの前に意識を取り戻した武蔵が、何とか担任にお願いして欠席を取り消してもらい、喜びのあまりポージングを取り始めて、あまりにもうっとおしかったみたいで再び欠席あつかいにされてしまい意気消沈していた。

まったく…爆笑するのを抑えるのに必死だったよ!

まぁ抑えきれてなかったからちょっと笑っちゃったけど、栗野にそこを見られてかなり恥ずかしかったよ!

おのれ武蔵…許すまじ。

なんか栗野も暖かい目でボクのこと見てたし、確実に変に思われたな…。


これからは栗野のことはさん付けで呼ぼう…。


気付けばクラスも静まり返ってるし、これはしでかしたか…。

憂鬱だよ本当に…。

ただでさえクラスメイトに異端者みたいに思われてる僕が栗野さんからも無視されるようになったら登校拒否をするのだって吝かではありませんよ?


だけどもしそうなったら皆勤賞が無くなってしまうな。

いかん、それはいかん!

休めない。しかし学校には行きづらい。皆勤賞は譲れない。

なぜかは分からんが皆勤賞だけは譲れないんだ!


譲れない戦いが此処に有る…。


なんかかっこいいな!胸が熱くなってくるな!

互いに熱い思いを持った二人の戦士(おとこ)がぶつかる…みたいな。

べたかも知れないけど結構そんな感じの映画とか漫画とか好きなんだよね。

どのくらい好きかと言うと、何のことで悩んでたか分からなくなってきたくらい好きだね。


うん、本当に何を考えていたか忘れてしまったが、まぁ良しとしよう!

些細なことだったんだろうきっと。


さて、HRは基本的に学校行事やら連絡事項が有った場合のみ意味があるってものでしょ?

おそらく今日も大したことは無いだろうから、そろそろボクが入部している『派遣部』について説明をしようと思います。



うちの学校は部活動に力を入れている典型的な学校です。

勉学にも力を入れているらしいけど、そこら辺はよく分からないです。

なんせボクが入学できてしまうくらいのレベルだからね。

入試だって頑張って勉強した時間が無駄だったと思えるくらい簡単だったし。


それはさて置き、創立当初から様々な部活で優秀な成績を収めているみたいです。

校長室の前に山のようにトロフィーが飾られてますからね。

特に目まぐるしい成果を残し続けているのが運動部。

剣道や陸上に水泳。野球やサッカーやバスケットボール。

もちろん他にもたくさんありますが、挙げていくとキリが無いので省略させてもらいます。

かといって文化部が低迷しているわけではありません。

吹奏楽や盤上部(ばんじょうぶ)。盤上部と言うのは囲碁将棋、チェスや麻雀といった盤上で行う物の事を総称している部活みたいです。

こちらも全国大会で優勝したり、コンクールで金賞を取ったことのある優秀な部活なのです。

なのでこの高校に入学する生徒の大半は中学時代の部活動でエースを努めていたり、優秀な成果を残した人たちがこぞって集まっているので、一人一人のポテンシャルが高いこと高いこと。


そんな選りすぐりの生徒たちの中で、一際目立つ存在が部長だ。


うちの学校で部長と言う存在は他校のそれとは一味違う。


なぜなら、特に競争率の高い部活動で部長を努めていたと言うだけで大学に推薦入学できるし、在学中の授業料が免除されたり、任期中に成果を残せば部費だって跳ね上がる。

その特典を目指して頑張っている人たちも居るみたいだし、とにかく色々な特典があるんです。

実際、過去に何度か運動部の部長がオリンピックの競技団体から有望だと認められて強化指定選手に選ばれていたみたいだし。

人気の部活には入部するのも大変なのに、入部した後のほうが更に大変だって言うんだからすごいよね。

本当にその部活が好きじゃないとやれないことだよ。


「俺には到底出来ないことだな」


ニヒルに言ってみたり。


そして派遣部。


この派遣部と言うのは運動部でも文化部でもない。

しいて言うならば万能部ってところかな?

活動目的はヘルプ要員。

急に人数が足りなくなって予選や本戦に参加できなくなることを防ぐために作られた部活…らしい。

らしい、というのも、ほとんどそんな状況に陥らないからだ。


思えば当たり前のことなんだよね。

人数が足りなくなったらレギュラーじゃなくても部員はたくさん居るんだから、わざわざ派遣部に頼む必要が無いんだもん。

だけど、どの部活動も人員が潤沢と言うわけでもないので、そこで派遣部の出番な訳なんです。

しかし、此処がミソなんですよ!

そもそも人員が少ない部活動は大会やコンクールに出場することを前提に活動をしている訳ではないんですよ。

もちろん大会やコンクールの季節が近づいてきたら少し活発的に活動はするみたいです。

なぜなら学校側に活動アピールをしないと廃部してしまいますからね。

そして適当に活動して予選敗退。また大会などが近づいてきたら活発的に活動をし、適当に流して予選敗退。

それに伴って、人員に空きが出来てしまう可能性を考慮して派遣部が待機。

予選敗退により派遣部は通常活動に戻る。

これの繰り返しです。

俗に言うお気楽部ってやつですね。

だけどお気楽部があるおかげでボク達の派遣部は廃部しないで済みます。


そんな特に活動と言う活動の場がないボク等の普段の活動はボランティアです。

町に派遣して掃除をしたり、老人ホームに顔を出してお話をしたり。

派遣をお願いされたら断れないのが玉に瑕だけど、それなりに楽しい充実した部活だと思う。

チームプレーとかがある訳でもないし、そんな高等技術ボクは出来ないし…。

本当に感謝ですよ派遣部の設立者さんには。

ボクにピッタリな部活でよかった!

本当によかった!



部員が変人しかいないけどね!!!


んっ!?

いま何かが………。


あぁ…たぶん部員の誰かが電波を飛ばしたんだな…。

毎度のことながら恐ろしい…。


さて、派遣部の説明はこんなところかな。

後は放課後に実際にお見せしたいと思います。

地味な感じの部活ですが、本当に部員はおかしな人が多いんですよ。


部長を含めて3年の先輩が3人。

ボクと同じ学年の部員がボクを含めて3人。

後輩が2人。

ほとんどが変人で構成されているために、別名『変人部』とも言われている。


そこにボクは含まれて居ないと信じたいです…。


そんな派遣部ですが、みんな実はすごいんですよ。

普段はまったり部室でくつろいだりしていますが、いざ自分の得意分野になると途端に才能を発揮するんですよ。

他の追随を許さないと言ったような異常っぷりでそこは素直に尊敬します。

いつだったか、何でその分野の部活に入部しなかったのかを聞いてみたところ。


曰く、「既存の部活ではウチを満たすこと(かな)わずっ!」


曰く、「理由?そうねぇ~、部長ってこんな感じじゃない?目が離せないのよね。ふふふ」


曰く、「私が私で居られる時間はもう僅かしかない。部長にでもなってしまうと後続に禍根を残してしまうのでな」


とのお言葉を先輩方からいただきましたが、部長…貴方が設立者だったんですね。

それに子供っぽい部長に保護者みたいな役割の先輩も居るし…。

あと、ボク以外の唯一男子部員でもある先輩に関しては意味が深すぎで理解できませんでした…。

ちなみに同級生の部員は


曰く、「………………………………………光が、たくさん」


曰く、「アタシはさ、運動全部が好きなんだよ!どれか一つしか選べないなんてアタシには出来なかったのさ!たははっ!」


てな感じで、一人は光がたくさんだから入部したそうです。

なかなか斬新な理由ですよね。

もう一人は運動大好きっ娘といったところですかね。

先輩たちに比べたらまともな理由でよかったです。

後輩たちに関してはまだ聞いていなかったので今日聞いてみたいと思います。


さてと、だいぶ長いこと説明してしまいましたが、そろそろHRが終わってーーー





………………み、みんな。


お、落ち着いて聞いてほしい。


今ボクは派遣部のことを簡単に説明してたわけなんだけど。


一時間目が終わっている!?


今は二時間目の終わりだよ!?


なんでだ!電波か?電波のせいなのか?


いやいや待て待て待て待て。


あまりにもシュールな絵柄になってしまってたわけじゃないか!

HRから今の今まで同じ体勢でジッと椅子に座ってニヒルな独り言までつぶやいていた訳でしょ?


死にたいです。


誰かに話しかけられてたとしてもボクは無視してしまっていた訳だ!


なんてことだ。


わざわざ話しかけてくれていたかも知れないのにボクは…。





………な、なんてことだ。


わざわざ話しかけてくれる人など居ないんだって事を思い出したぜ。



重ねて死にたいです。


もう放課後までジッとしていよう…。




何事にも動じない。


そんな人間(アナタ)


私もなりたい。


                 れんたろう。


早く放課後になってくれ…。

次回はまた別キャラ目線にしようと思っています!

一話ごとに目線を変えるか否か迷ってます…。

展開速度のことを考えるとね…。

今後の課題ですね。

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