武器・術技設定集(順次更新)
ネタバレ注意。
日野森飛鳥
・緋々色金
名前の由来は伝承上の金属、オリハルコンの別名。
日野森飛鳥の第一位階時の能力。
『炎を自在に操る能力』という印象が強いが、厳密には『熱量の自在操作』が正しい。
0℃~∞(飛鳥の精神力次第で変動。本編開始時点であれば約10,000℃が限界)の間であれば、自由に熱を発生させたり、逆に物質から熱を奪い取ることも可能(100話)。
直接敵に向かって火炎放射やファイヤーボール的な技も可能ではあるが、効率が悪いという理由でまずやらない。
能力自体は決して強力なものではないが、飛鳥が熱源探知や熱分身といった多様な技に発展させたことで極めて高い汎用性を誇る。
紅炎投影
熱エネルギーを圧縮して作り出した自身の分身を投射する能力。最大8体まで同時形成できる。
普通の(?)分身のような実体のない幻ではなく、触れれば燃えるエネルギー体のため、単純に分身の数だけ攻撃の数が増えることとなる。
しかし、分身に指示を飛ばすのはあくまで飛鳥本体であるため、単純に分身の数だけ並行して命令を飛ばす必要があり脳にかかる負担はすさまじい(11話)。
光炎転身
体内で熱エネルギーを高速循環させ強制的に肉体のリミッターを解除する、いわば意図的な「火事場の馬鹿力」。誰だ○ランザムって言ったヤツは。
身体能力が爆発的に上昇する反面、制御が極めて難しい能力で、発動中は烈火刃の形成に意識を割く余裕がなくなってしまう。
そのため、発動時の攻撃手段は技も何もない肉弾戦しかできないのと、肉体への負担が著しいので連続使用ができないのが難点。
第二位階が使えるようになった後は、めっきり出番が無くなった。
・烈火刃
『精神感応性物質形成能力』で形成された武具に、緋々色金による熱エネルギー供給を与えた武器。
戦局に応じて全8形態への切替えが可能。
壱式・破陣
全長3mほどの大剣の姿をした形態。
外見上は溶岩をそのまま固めたような無骨なもので、構成情報も単純なため比較的使用頻度は高い。
名前は古来中国・日本の陣形である『横陣』から。
弐式・緋翼
刃渡り90㎝ほどの直剣による二刀流。
日本刀よりは、古代日本で見られた銅剣に近い外見。
飛鳥が最も愛用する形態で、軽量かつ高い切れ味で状況を選ばず活躍できる。また、大量の熱エネルギーを注ぎ込み、レーザーブレードのように展開することも可能(119話)。
また、最大の特徴として刀身からジェットエンジンのように炎を噴出させることにより、急加速・急転進、更には短時間だが飛行すら可能となる(要するに○イアンマンが空を飛ぶギミックみたいなもの)。
実戦で使うことはほぼないが、刀身をナイフ程度にまで短くし出力を最小限に引き下げた、裏の型・影縫いにも発展する(104話)。
名前の由来は陣形『鶴翼』から。
参式・赤鱗
両手から肘まで覆い隠す籠手型の形態。
内包された熱エネルギーは全形態中でも随一で、リーチは短いがウルクダイト製の装甲を軽く融解させて握り潰せる(10話)。
壱~参式は、形成にそれほど集中を必要としない(コストが低い)ため、大半の戦闘はこの3兵装の使い分けで切り抜けている。
名前の由来は陣形『魚鱗』から。
肆式・葬月
天使の光輪を彷彿とさせるエネルギーチャクラム。
全形態中、唯一『精神感応性物質形成能力』を使用していない純粋なエネルギー体でもある。その特性を生かして、エネルギー兵器である陽電子砲などを防御・吸収するレーザーシールドとしての運用も可能としている。
同時に8枚まで展開可能で、飛鳥の意思に応じて自在に飛び回る○ァンネル仕様だが、精神力の消耗も激しいため長時間の操作ができないのが欠点。
名前の由来は陣形『偃月』から。
伍式・火車掛
人ひとりの身体をすっぽりと隠せるほどの幅広の大剣形態。
柄が存在しないため破陣のように手に持って振り回すことはできないが、そのぶ厚い刀身で即席のシールドとしても機能する(89話)。
しかしてその本領は、上に乗って鍔の部分から炎を噴出させて高速移動するジェットボードである。
弐式・緋翼よりも出力が高く、長時間のフライトにも対応できるため、戦闘回避や長距離移動の際によく使用される。
名前の由来は陣形『車掛かり』から。
陸式・火群鋒矢
参式・赤鱗の発展系であり、籠手と大弓が一体化したような形状をしている。
左腕にのみ装着され、矢の代わりに細長い剣を装填し、全熱エネルギーを凝縮して撃ち放つ兵装で、瞬間火力は全形態でも最高クラス。紅炎投影で分身と合わせて同時射撃した際には、モノレールの車両や大量の鉄の塊を一瞬で消し飛ばした(119話)。
また、装甲内部で発生させた熱エネルギーをそのまま解き放つレーザーアローとしての運用も可能。消耗は激しくなるが連射が利くため、短期決戦を挑む場合に使用される。
名前の由来は陣形『鋒矢』から。
漆式・桜蓮軛
足全体に装着される大型のドリル形態。巨大な敵対象を破砕するために構築された武装である。
ところどころに推進器が付いており、一点突破の破壊力は全武装中最高。
しかしその重量と大きさ、かつ片足をまるごと換装する形態のため、地上では運用ができない、というか歩けない。
飛び蹴りの要領で相手に叩き込むという戦法しかとれないため、使用できる環境は極めて限定的。
名前の由来は陣形『衝軛』から。
なお、ドリルを足に付けての飛び蹴りは某仮面ライダーのリスペクトネタ。
終式・???
???
・緋々色金真打“八咫烏”
156話より登場した飛鳥の第二位階。
手足に鷹を思わせる意匠の装甲が追加され、ジャケットの裾から孔雀の尾羽のように八つ又の炎の尾が伸びる(赤いロングコートのような見た目になる)。この尾からは鳥の羽の形をした飛び道具を射出することも可能。
武装なしでも飛行することが可能となり、身体能力の強化率は鈴風や雪彦を上回っているため、単純な力押しでも他の人工英霊を圧倒できるレベルに到達している。
ただし、跳ね上がった能力と比例するようにエネルギー消費もすさまじく、万全の状態でも5分と維持できない。まさに『切り札』と言える。
紅炎投影・改
第一位階では8体が限界だった熱分身も、第二位階では数十体単位まで同時展開が可能となった。制御の安定性も高まり、長時間の維持も問題ない。
そのため、1人の敵に対して数十人で完全包囲してフルボッコという、まるで主人公とは思えない戦法も実現できるようになった。
エナジーブレイズ
第二位階発動中に全身から放出されている熱エネルギーは、敵であれば触れるだけで焼き尽くし、味方であれば触れることで活力を与える生命力の炎として機能する。
この敵味方の判別は、飛鳥と対象の精神の同調率に応じて効果が増減する。
そのため、強く敵視されている相手にはより強烈なダメージを与え、クロエや鈴風のように強く精神面で通じ合っている相手ほど大きな恩恵を与えてくれる。
強化型烈火刃・金烏一文字
第二位階時にのみ形成可能な武装。
ただし、第二位階では壱~漆式の烈火刃は使用できなくなっている(終式は発動条件が特殊なため含まれない)。
壱式と弐式の中間のような外見で、全長1.5mほどの長剣。
飛躍的に高まった熱エネルギーの影響か、刀身部分は赤色ではなく金色の炎でコーティングされており、物質である限りはほぼすべての対象を溶断破砕に導くことが可能。
また、刀身に蓄積された熱エネルギーを天衝刃の要領で遠くに飛ばすこともできる。
・断花流弧影術
断花重工創設者である断花浄雲によって設立された総合戦闘術。
「人間が人ならざる者を打倒するための技術」として創られたが、人工英霊である飛鳥に伝授されるにあたり、「人外が人外を倒す技術」として内容に多少の組み換えがされた。
蜃気楼
極限まで研ぎ澄ませた集中力による見切りと、そこから派生するカウンター。
剣道における「後の先」をどんな相手でも発動できるようになって、初めて完成となる。
揺
自分の身体の芯をほんのわずかにずらし、敵の攻撃リズムを狂わせる受け流しの技術。
武術を極めた格上の相手であるほど効果を期待できる。
天衝刃
剣を高速で振るい衝撃波を飛ばす技。
高密度かつ高重量の武器で、かつ速く鋭い斬撃でないとまともな衝撃波が飛ばないため、『精神感応性物質形成能力』で作った武具以外で使用するのは難しい。
瞬幻足
足の裏に意識を集中し気を爆発、瞬時に加速する走歩術。
轟天砲
断花流の中では絶招(要するに必殺技や奥義)にあたる技。
強く踏みしめた軸足を起点に、脚、腰、肩、腕を極限までねじり、その回転エネルギーを一気に開放して放つ掌底打ち。
生身の人間に放てば、肉や骨をミキサーのように粉々に砕くことが可能。
クロエ=ステラクライン
・光子魔術展開式
クロエ=ステラクライン専用の魔術体系。
目に見えない『光』を制御するという高難度な術式のため、クロエ以外に扱える魔術師はいないとされる。
術名はすべて天然石や金属の名称を由来としている。
01“裁きの曙光”
極限まで蓄積された光エネルギーを解き放ち、地面で破裂すると同時に無数のホーミングレーザーとなって敵を追尾する広域殲滅術式(18話)。
02“落鷹の閃光”
糸のように細く集束させた光エネルギーで対象を狙い撃つ術式。29話ではブーステッド・アーマーの関節部位のみを狙い撃ってパイロットを傷付けないために使用された。クロエは数ある術式の中でこれが一番苦手。
03“天翔靴”
高速移動の術式。ごく短時間だが、自分の肉体を光と同化させ任意の地点への瞬間移動を可能とする。といっても、射程は視界に入る範囲が限界となっている。なお、94話においてイギリス~日本間を「飛んできました」というのは、この術式を連続使用した移動方法。
04“天蓋穿つ滅輝の柱
地球に届く太陽光の射角を一瞬だけ掌握し、任意の地点に集束させて照射する、まさしくサテライト・レーザー。
69話では、この術式でミストラルの身体の半分だけを消し飛ばすという離れ技をやってのけている。
05“祝福されし愛華”
クラウ・ソラスの銃剣部分に光エネルギーを集中し、レーザーブレードのように延長展開させる術式。クロエは接近戦が不得手なため滅多に使われることがないが、少ない魔力で構築できることから消耗戦の際に使用される(152話)。
刀身の長さは自由に調整でき、コンディション次第では数百mまで伸ばして大型の建造物を一刀両断することも可能である。
07“月下輝刃”
正面に巨大なレンズを形成し、圧縮した光エネルギーを放出する術式。
真正面の直線にしか放てないという欠点はあるが、その火力は巨大な工業区画にまん丸な風穴を開けるほど(51話)。
08“星屑の鏡面結界”
圧縮した光エネルギーによる鏡のバリアを形成する術式。144話では飛鳥の烈火刃・葬月と合体させて、20名近い人間を覆うドーム状の結界を構築した。
09“不変にして不侵の聖衣”
頭から足下までを覆うオーロラ状のヴェールによる結界を展開する、いわば1人用“星屑の鏡面結界”。高密度の光エネルギーで編まれた衣は、外部からの物理攻撃を瞬時に蒸発させ、エネルギー攻撃も容易に弾き飛ばす。
123話では麗風の雷を地面へと受け流すアースのような機能を果たしていた。
10“虚銀の世界”
脳から走る電気信号を術式で作り出した光の信号に入れ替えることで、自分の体感スピードを一気に100倍近くにまで引き上げる。要するに目の前の光景が100分の1のスピードでゆっくり見えるようになる。
あくまで加速するのは思考の速度であって肉体の速度ではないため、某○ブトのように制止した世界で自分だけ普通に動く、といったことはできない。
・クラウ・ソラス
名前はアイルランド神話などで登場する『光の剣』に由来する。
クロエ用の魔女の鉄槌であり、魔術契約によりどこにいても瞬時に召喚することが可能。
びっしりと魔術文字が刻印された白銀色のフレームを持つ、リボルバー式の二丁拳銃。
その銃口にはぶ厚いブレードが備え付けられており、厳密には二丁拳銃でなく二丁銃剣である。
あくまで魔術を発動するための媒体(魔法使いの杖にあたる)に過ぎないが、拳銃である以上、弾丸を込めて射撃することも可能。しかし、弾倉に光エネルギーを溜めて撃つ光子弾が使用できるため、実はクロエは実弾を撃ったことがない。
楯無鈴風
・ジェットセッター
楯無鈴風の第一位階時の能力名。世界中を飛び回る人のことを指した名前を由来としている。
周囲に体内で精製した微粒子を散布し、それを操作することで空気の流れを自在に制御することが可能。
また、両手両足に『精神感応性物質形成能力』による装甲が装着される。
手甲部分からは鋭い風が噴出され、不可視の刃として運用可能。
脚部には拳銃の撃鉄のようなパーツが装着され、駆動することでまさしく弾丸のように鈴風の全身を打ち出すロケットスタートを可能とする。
鈴風専用撃槍“びゅんびゅん丸”
元はオーヴァンの村から拝借していたリュミエール鋼製の槍だったが、人工英霊覚醒と同時に、能力の一部として再構築された。
イカリのような形状をした幅広の先端になっており、中央が展開し勢いのある空気砲を放つことができる。別に○ターライトブレイカーを意識しているわけではない。
・ジェットセッター・フルテンペスト
144話から登場した(121話時点では未完成)鈴風の第二位階。
各種能力の底上げに加え、『精神感応性物質形成能力』による装甲が全身に行き渡り、外見上はエメラルドグリーンの鎧を纏った戦乙女そのもの。
また、背面腰部から伸びた4枚の機動ウイングにより飛行能力も獲得。地上・空中問わず嵐のごとき超スピードによる戦法が可能となった。
また、数々の新たな能力も取得している。
カウンターモード・狂風乱麻
空気中に散布した微粒子から敵人工英霊の能力を読み取り、その能力へのカウンタープログラムを構築するという『能力殺し』。
幽体となって攻撃が通用しない能力が相手ならば、幽体に通用する能力を即席で作り出せる。
常に相手の能力を凌駕する特性のため、彼女を打倒するには、能力に頼らない純粋な力で対抗するしかない。
イグニッションモード・風雷武装
劉麗風から読み取った雷の能力“曇鏡雷公鞭”の解析情報を元に、自身の風の能力と同時展開した形態。
雷を纏い、任意の位置に落雷を浴びせられるだけでなく、純粋にパワーやスピードの底上げにもなっている。
イグニッションモード・熱風武装
???
イグニッションモード・斬風武装
???
ブラウリーシェ=サヴァン
・シュヴェルトラウテ
断花重工で開発された、携行式自在刀。
飛鳥の烈火刃から着想を得て作られている。
光沢のある金属で作られた、コンバットナイフの刀身を抜き取ったような外見。
鍔の部分にスイッチが付いており、そこから使用者の脳波を認識、内蔵されたリュミエール鋼の液体金属が思い描いた形に変形する。
基本的には伸縮自在の剣として運用されるが、使用者の発想次第で(液体金属の量が許す限りは)どんな形状にも変化する。
・エナジーウイング
有翼人(ヴァルキュリア)の背中から伸びている羽は、ほぼ無意識レベルで『精神感応性物質形成能力』によって作られたものとなっている。
通常は白鳥のような白い羽が形成されるのだが、リーシェのみ光エネルギーによって形成されたエナジーウイングとなっており、羽ばたくのではなく周囲の重力に干渉して飛行する機能を持っている。
白鳳市に来てからのリーシェは、注目を集めるという理由で戦闘時以外は基本的にこの翼を展開していない。
・
鋼刃九朗
・鍛冶師
鋼刃九朗のコードネームであると同時に、能力名でもある。
『精神感応性物質形成能力』の延長線として発現した能力で、刃九朗の脳内にインプットされた兵器の設計図をもとに、それをそのまま再現する。なお、何かしらの燃料が求められる武装に関しては、“祝福因子”を変質させたガソリンで代用している。
精神力に左右されず常に一定の出力で同じ兵器を形成できるため、刃九朗は場所やコンディションを選ばずすぐに完全武装が可能となっている。
ヴァイオレイター
刃九朗がもっとも愛用する武器で、銃剣が備え付けられた電磁加速砲。
なお、銃剣が付いているのは、設計者であるアルヴィンがクロエの“クラウ・ソラス”を意識して作り上げたため。外見も、リボルバー式でないことを除けば大型化した“クラウ・ソラス”といったところ。
ガルムブレイズ
使用者の脳波を認識して自動的に射角制御、発射までを行ってくれるグレネードランチャー。
両手で構えなくとも、肩や脚に装着して自動的に迎撃してくれるため、広域制圧に適している。
トライヘッド
縦長のシールドの内側に大型ガトリングガンを内蔵した機動防盾。
イメージが湧かない方は、ぜひ「○クとは違うのだよ、○クとは」な機体のカスタムを検索すべし。
グレイヴディガー
墓掘りの名を冠した大口径の対装甲ライフル。貫通力に優れた徹甲弾を放つ。
本来、対物ライフルは反動が凄まじいが(普通に立って撃ったら持ち手が吹き飛びかねない)、刃九朗の膂力であれば、立ったまま片手撃ちもできる。
ナグルファル
漆黒のボディを持った大型バイク。
ブーステッド・アーマーのノウハウを流用して設計されており、設計図上では小型の陽電子反応炉をエンジンとしていた。
刃九朗の場合は『精神感応性物質形成能力』による仕様変更がされており、理論上は、刃九朗が構築を解除するか死なない限りは無限に走り続けるモンスターバイクと化している。
ペルクナス
全長10mにも及ぶ対艦用荷電粒子砲。
その巨大さと出力の大きさのため、自前の『精神感応性物質形成能力』だけでは構築できない超大型兵装。
使用には大量の金属と、長い砲身を支えるための砲座を固定できる地盤、そして構築~発射までに約60秒の時間を要する。
使用条件が厳しい分、破壊力は絶大。地下30階相当の地層を吹き飛ばす大火力は、クロエの魔術を除けば味方陣営最大となる。
早撃ち
特に変わった機能は有していない、ただの回転式拳銃。
39話で美憂に当たろうとしていたサッカーボールを撃ち落とすのに使用された。
サンダーイール
追尾式六連装ミサイルランチャー。
ガルムブレイズと同じく脳波認識による武器のため、主に両肩に装着される。
クラウ=マーベリック
・終末幻想
クラウ=マーベリックの術式であり、“聖剣砕き”の称号を持つ魔術師に代々受け継がれる一子相伝の技でもある。
既存概念における『反逆』を骨子とした術式で、術者が指定した対象に対してのカウンターを発動させる。
無二の結末
触れた物質の構成情報を読み取り、その物質が破壊される可能性をデータ化して対象に送り込む術式。傍から見れば拳で力任せで壊しているように見えるが、実際はコンピューターウイルスのようなイメージで、対象を自壊させるというのが正しい。
破壊できる対象は多岐に渡り、130話では自分と霧乃が風邪をひいた時に、風邪そのものを狙い撃って無理矢理に完治させるという荒業を見せた。少しでも術式をミスすると、自分自身の肉体が破壊される危険もあったため、実はかなりの綱渡りだった。
一定の情報しか存在しない機械などの無機物には無類の強さを誇るが、精神力次第で常に情報が変動する人工英霊にはほとんど通じないという欠点を持つ(134話)。
継ぎ接ぎの鼓動
対象の破壊、もしくは死といった情報に対する抗体プログラムを作成する術式。
端的に言えば「破壊という可能性を破壊する」術。
83話では、出血多量で死ぬ寸前だったレイシアに使用。彼女は無事に一命をとりとめたが、術式をダイレクトに体内に送り込むためにクラウがとった方法が口づけだったため、使い勝手は色々な意味で劣悪。
・アンサラー
クラウが使用する神導器。
聖別された銀(ミスリルとも呼ばれる)を繊維化して編まれたそれは、外見上は虹色に輝く半透明のマフラーのようだが、その実態は装着者の術式を増幅させるブースター。
クラウ専用というわけではなく、駆け出しの魔術師に広く使われている代物である。
しかしその真価はブースターとしての役割ではなく、高すぎるクラウの魔力により、供給過多で粒子状になって排出される術式の残滓にこそある。
“無二の結末”の術式が周辺に拡散することにより、少しでも粒子を吸い込めば対象を内部から破壊する死の毒として機能するため、ミストラルを追い詰めるための一手として使用された(87話)。
レイシア=ウィンスレット
・水霊招来
そのままの通り、水を自在に操る術式の総称。あくまでベースは流体制御で、対象は液体である水に限定されるため、水蒸気や氷までもを制御できるわけではない。
レイシア専用というわけではないが、習得には尋常ならざる努力とセンスが要求されるため、彼女ほどに使いこなせる魔術師は少ない。
術者の習熟次第で、制御できる水の量や有効範囲は変動する。
大雨が降っていたり、近くが海だったりと、水量が多い環境であるほどに威力や規模は拡大するが、その逆も然り。砂漠地帯のように水自体がなかったり、4章の時のように街中が氷漬けになっていると術式は一気に弱体化する。
船食らい
圧縮した水を鉄砲水のように撃ち出す術式。
校舎の壁くらいなら容易に風穴を空けられる貫通力を持つ(132話)。
守泉精
自分の周囲に薄い水の膜を展開する術式。
物理攻撃には大した防御力を発揮できないが、鈴風の風の刃をかき消したり(58話)、外気をシャットアウトできる特性を生かして即席の防寒着代わりにしたりと(128話)使い道は多い。
絡み取る八腕
計8本の水の触手を作り出し、ムチのように振り回す術式。
海神の怒り
雨や海など大量の水が近くにある環境でのみ使用可能。
制御できる範囲全体の水という水を一か所に集め、対象を叩きつける力技。
癒天女
世にも珍しい「回復の魔術」。
傷口に泡を発生させて雑菌を浮かせ、血液の流れにも干渉して治癒速度を高める。
極めて高い集中力が求められる術式のため、戦闘中に使うことになると完全に無防備となる(134話)。
・ウィリタ・グラディウス
レイシア用の魔女の鉄槌で、母であるテレジアによって作られた形見の武器でもある。
外見上は刀身のない剣で、鍔の部分には蒼色の宝石が埋め込まれている。
水の制御力を高める媒体で、戦闘時には水を圧縮させて刀身を形作っている。