―第106話 7月5日 鋼鉄に涙は流れるか 前編―
お久しぶりの刃九朗視点。
そして番外編なのにいきなりのラスボス登場。
それは、7月5日のことである。
月に一度、クラスでは必ず席替えというものが存在する。鋼刃九朗がいる2年1組の席替えは、公平にくじ引きで決定されるのがお決まりのパターンであった。
「さ、最前列……あたしの夏は、終わった」
「よかったじゃないか鈴風。これで居眠りせずに授業に集中できるぞー」
先生に目を付けられたくないからと、前の方の席を頑なに拒否する生徒がいたり。
「リーシェちゃんの隣リーシェちゃんの隣リーシェちゃんの隣リーシェちゃんの隣リーシェちゃんのとなりぃ!!」
「残念、隣は俺だ」
「一蹴うううぅぅぅぅっ! テメェなんざお呼びじゃねええぇぇぇぇっ!!」
はたまた、気になるあの子と隣の席になりたいと、神にも祈る気持ちでくじを引いたり。いくつになってもこういうイベントは盛り上がるものだ。
だが、
「む、同じ席か」
最後尾の窓際。人によっては特等席と言われることもあるこの位置を、3ヶ月連続で死守している刃九朗にとっては、何の変化ももたらさない単なる通過儀礼に過ぎなかった。
別にイカサマや手品をしているわけではない。本当にただの運だけで毎回同じ席という、喜んでいいのか嘆いていいのか判断に困る事態になっていた。
なお、今回の隣の席は、
「あん? なぁにガンつけてんのよ。あんたの自慢の武器を片っ端から水浸しにして錆まみれにしてやんわよ」
ヤンキーみたいな物言いで因縁をつけてくるレイシアだった。
基本的にボケもツッコミも担当外な刃九朗にとって、関わると半ば強制的に漫才空間に引きずり込んでくるレイシアは厄介な存在でしかない。無言で目を逸らして、完全に意識からシャットアウトした。元来、彼はコメディパートの住人ではないのである。
さて、この鋼刃九朗。こう見えて学園内では優等生として通っている。
5月末にあった中間テストは全教科ほぼ満点だった。数百の武装情報を脳内にインプットしている彼にとって、教科書の内容丸暗記など朝飯前だったからだ(カンニングと言えなくもない気がするが)。
服装に乱れもなく、まさしくお手本通りの着こなしだった。そもそも着崩すという発想が彼にはなかった。
授業態度も真面目の一言に尽きた。刃九朗は特に文系科目に対しては並々ならぬ熱意を見せており、
「椎名教諭。なぜこの男は自分を人間失格と評したのだ? そもそも自分を人間と定義するには何か資格が必要なのか?」
「ええ!?」
素っ頓狂な(だが見方によっては斬新な切り口とも言える)質問で現代文の教師を驚かせてもいた。
なお、同じ文系科目でも、
「くぉら刃九朗! ぼさっと窓の外見上げてんじゃないわよ!!」
夜浪先生による授業だけは完全に聞く耳を持たなかった。この女から学ぶことなどない、というささやかながらの反抗心であった。
この時、刃九朗の態度に怒り心頭だった霧乃先生は、熱血教師のお約束ことチョーク投げを披露したのだが、
「こっちを……向けっつってんでしょが!!」
――カカカカカキィン!!
避ける気配もないまま見事彼の頭に全弾命中し――明らかな金属音と共に弾き返されていた。
「ね、ねぇ。どう考えても人間の頭叩いて出る音じゃなかったわよ今の……」
「気にするな」
石頭というか鋼鉄の頭であった。
そんなこんなで、学業態度は満点といってもいい評価(ごく一部を除き)を得ていたのである。
このように常に泰然自若、揺るぎない刃九朗であるが……
「鋼センパイっ、今日もお昼ご一緒にいかがですか?」
篠崎美憂という少女の前では、面白いように動揺を隠せないでいた。
毎日のように、昼休みになるとすぐにこのクラスに入ってきては、手作りのお弁当を刃九朗に差し出してくる。
周りの男子からは『リアジュウ』とか『爆発しろ』などと言われ怨嗟に満ちた目を向けられるのだが、刃九朗にはさっぱり理解できなかった。
「今日のおかずはハンバーグとエビフライのダブルコンボです! どうでしょうか!!」
「…………もらおうか」
向こうで必死に笑いを堪えている飛鳥の顔面に、無性に杭打機を打ち込んでやりたくなったのは何故だろうか。
これもまた、刃九朗にとっては変わりない日常である。美憂の小さな手に引っ張られ、されるがまま教室を後にした。
「思えば、初対面の時から随分と印象が変わったな」
「そうでしょうか? ……だとしたら、それはきっとセンパイのおかげですよ」
中庭の中央にある一際大きな木の下で、こじんまりとしたレジャーシートに2人、腰を下ろす。
話題は刃九朗と美憂が初めて出会った時のことだ。
あの頃の美憂は一言で言ってしまえば『引っ込み思案』な少女だったと記憶している。儚く、弱々しく、風が吹けば飛んで行ってしまいそうな――どこか危なげな印象だった。
「変わらなきゃって思ったんです。認めてほしい人がいましたし……それに、誰かに守られっぱなしでいるのは、嫌でしたから」
認めてほしい人とは鈴風のことであろう。刃九朗も4月にあった事件については飛鳥からそれとなく聞いていた。
綺麗な小判型に整えられたハンバーグを一口で平らげる。甘辛のソースと相まって絶品だった。隣の少女はそれを見てくすくすと顔を綻ばせていた。
何とも居心地の悪い――それでも、決して嫌な心地ではなかった。
刃九朗が生まれてこの方経験したことのない、数字や理論で分析することのできないこの感情は何なのか。
いや、知識として脳内から引っ張り出すことはできる。これは俗に言う、恋だの愛だのといった感情の発現であることくらいは。
自惚れでなければ――この少女は自分に対して好意を向けており、だからこうやって昼食に誘って来たり、こうやって笑顔を見せてくれる。
ああ、しかし――好意とは何なのだ?
そして何故自分に好意を向けられているのか、そこも分からない。
分からないことだらけで、未知に満ち満ちたこの少女が――どこか恐ろしいとすら感じていた。
「どうしました? ハンバーグ、お口に合いませんでしたか?」
「あ、いや……そうではない。ハンバーグには何の問題もない、美味いと感じている」
心配そうにひょいと顔を寄せてくる美憂に対し、つい言い訳ぎみに早口で捲し立ててしまった。
変に言葉を飾らず、率直に意思を伝えられるのは彼の美徳だろう。刃九朗の直球の褒め言葉に、美憂は柔らかな笑みを浮かべた。
果たして、今の自分はどんな顔をしているのだろうか。
普段通り、周りからよく言われている鉄面皮のままなのか。それとも、思春期の男子さながらに、顔の表面に熱を帯びさせ動揺を露わにしているのか。
そんな、どうでもいい心配をしてしまうあたり、今の刃九朗は明らかに正常ではあるまい。
ああ、まったく。
本当に、らしくない。
「さぁ飛鳥、ちゃっちゃと帰って夕ご飯の準備だよ! ここはエントちゃんの歓迎会も兼ねて、お肉尽くしというのはいかがかな! 例えば焼肉とか。焼肉とか? 焼肉とか!!」
「いや、どうやらあいつ野菜大好きらしい。よって今夜はあの子の希望で新鮮生野菜パーティーだ」
「へ、ヘルシードラゴン……なんて新しいキャラ付けなの……」
「ドラゴンならドラゴンらしく肉食えよあんにゃろー! 野菜ばっかりの夕飯なんてヤダー! 肉―! にくにくにくー!!」
ここのところは戦いの兆しもなく、平和そのものだ。
放課後になり、飛鳥の周囲では夕飯のメニューで騒ぎ立てるのがお約束になりつつあった。騒々しくも微笑ましい、そんな光景を見たクラスメイトは揃ってほっこりとした表情を浮かべていた。
さりとて、刃九朗にはまるで関係のない話だ。
自分が飛鳥に関わるようなことがあるとすれば、それは『戦い』のための繋がりに過ぎない。
そもそも『兵器』として造られた刃九朗の存在理由――こうやって束の間の平穏に身を置いているのも、いつこの場が戦場に変貌してもいいようにしているからに過ぎない。
目的と手段を履き違えてはならない。常在戦場の心構えでなければ、刃九朗がここに存在していい理由がない。
(それはそれで、正しいことなのやもしれんが)
争いのない日々において、刃九朗の存在は間違いなくイレギュラーだ。真に平和な世の中が完成したのであれば、彼のような大量破壊兵器など、真っ先に排他されるべき存在だ。
そうなると、刃九朗は『自分で自分の存在意義を否定するため』に戦おうとしているのではないか。
――いや、それ以上は考えるべきではないだろう。
今日も特に戦闘行為が要求される事態にはならなかった。……だが、学園内にはまだいくつか熱源が残っている。その大半はまだ仕事に追われている教師陣なのだろうが(だが間違いなく霧乃はさっさと帰っている)、その中にひとつ、気になる反応があったのだ。
ただ、待つ。
何をするでもなく、何を考えるでもなく、ゆっくりと沈んでいく夕日を、窓際の席でぼうと見つめながら、待つ。
防衛対象があらかた学園を離れたことを、広範囲熱源探査機で確認した頃には、もう夕日は遠くの山並みに沈んでしまう直前だった。
誰もいなくなった薄暗い教室を出て、無人の廊下に足音を響かせた。
熱反応を追い、辿り着いたのは屋上である。
生温い初夏の風が肌を撫でる。だが、今の刃九朗の心中は芯まで冷え切っていた。
「おや、君も夕涼みかな? 君にもそんな風流を感じる心があるとは思わなかったよ、鍛冶師」
「ここの教師ではないな。……何者だ」
チャコールグレーのスーツに濃い茶色のロングコート。季節感をとことんまでに無視した装いに身を包んだ金髪の男。
学園関係者とはまず考えられない。不審者……というような領域でもないだろう。
鍛冶師という刃九朗の兵器としての名称を知っていることから、どう転んでも友好的な態度を取るべき対象ではない。
「私の名はリヒャルト=ワーグナー。何者かと問うのならば……君たちの未来の友人、とでも答えておこうか」
「偽名だな。よもや貴様が『ワルキューレの騎行』を作曲したわけではあるまい?」
ワーグナー、という名を脳内機関で検索する。
19世紀ヨーロッパで活躍した作曲家、かの『歌劇王』の名であるが……まさか目の前の男が本人のわけがない。
それとは別に、もうひとつだけ該当する対象がある。
「《パラダイム》の首魁――そして、飛鳥の仇か」
「仇と断じられるのは些か苦言を呈したいところだが……まぁ、君に説いたところでむべなるかな。今は甘んじて受け入れるとしよう」
リヒャルトは舞台役者のような、どこか芝居がかった台詞選びで応じてきた。
だが、刃九朗が確認したかったのはそれだけだ。
問答の余地無しに即時殲滅が認められる敵対象――そう判断さえできれば充分だった。
――対特殊個体用武装プラン・タイプEの展開を開始。
高位の人工英霊や《九耀の魔術師》クラスの魔術使いなど『単身で圧倒的脅威となる敵対象』に対しての銃火器群を形成しようとする刃九朗だったが、
「そういきり立つな。――落ち着きたまえ」
「――――――――あ?」
頭の中が、真っ白になった。
間抜けな声を出したまま、刃九朗は指一本動かせずにいた。
おいたをする子供をたしなめるようなリヒャルトの言葉を耳にした途端、刃九朗は本当に落ち着いてしまった。頭の中に爽やかな風が吹き抜けたような、不気味なほどの清涼感が全身を駆け抜けていた。
「ほう、ものは試しと使ってみたが……機械と人工英霊のハイブリッドである君にも効果はあるようだな」
「なん、だと……」
「隠し立てをする必要もないか、教えてあげよう。これは私の権能のひとつ“パルジファル”。――私の放つ言霊には、誰もが耳を傾ける。まるで無垢な少年のように、何の疑いもなく、私の言葉は正しいものだと信じて疑うことなく」
は、と刃九朗の口から無意識に乾いた笑いが漏れた。
なんだそれは。奴の言った言葉には絶対に逆らえないとでもいうのか?
だが、今、実際に。刃九朗は己が意思をすべて無視された上で、リヒャルトの言葉に粛々と従ってしまっていた。
全身に異常がないか、ウイルスチェックのプログラムを走らせる。……だが、ものの数秒で完了したチェックの結果は『異常無し』。
――標本の昆虫にでもなった心地だった。
「ふむ、機械的な思考を持つ君でも、恐怖心というものはあるようだね。アルヴィンもなかなかどうして、面白い研究成果を残しているではないか。彼を野放しにしたのは早計だったかな」
目の前の男は隙だらけだ。拳銃のひとつでも呼び出して、その頭蓋に一発弾丸を撃ち込むだけで簡単に終わらせることができる。
が、動けない。……否。正確には、動こうと思えない。
頭の中では、もう何十回と奴を始末するシミュレーションが構築されているにも関わらず、それを実行しようという気がまるで起きない。
敵意や警戒心というものを、浮かんだそばから消しゴムでゴシゴシと消されていくような気分だった。
「さてさて、どうしたものかな。私はただ、君たち『良き友人』の様子を見たかっただけなのだがね。仕方がない、残念だが……壊すか」
「……!!」
恐怖などない。憎悪も悔恨の情もない。
ここで死ぬのはそういうものなのだという、あるがままを受け入れるだけの諦観の情しか湧かなかった。
リヒャルトがこちらに手を伸ばす。
朝のまどろみにも似た、夢と現実の狭間に身をおいたまま、刃九朗はただその手によって命が摘み取られる様を
「センパイから、離れろおおおおぉぉぉーーーーーっっ!!」
雷鳴と聞き違えるような怒号が、屋上の空間に轟いた。
眠りにつく直前だった意識が一気に浮上する。そこからの刃九朗のアクションは、最低限、かつ的確なものだった。
――武装選択、“ヴァイオレイター”。
――形成完了。照準。放て。
紫電を纏いし電磁加速砲の一閃が、リヒャルトの腹部を貫通するまで、僅か一呼吸の間だった。
「これはこれは驚いた。誰かと思えばいつぞやの『でき損ない』の少女ではないか! こうしてまたこの場所で会い見えるとは、奇妙な縁もあったものだ」
リヒャルトは風穴が空いた身体を一瞥し、虫に噛まれたような気軽さで困り顔をした。まったく血が流れていないことから、奴もまた人間の枠から外れた存在であり――電磁火砲がまるで効果がない、というのは見ての通りであった。
だが、意識の拘束を引き千切り、形勢を立て直すことには成功した。
それもこれも、
「わたしは、あなたのことなんて知りません。だけど……センパイを傷つける悪いヤツだってことさえ分かれば、それで充分です!!」
小さく儚げな姿からは想像もできない、裂帛の戦意を立ち上らせている彼女のおかげだった。
「篠崎、お前は……」
「言ったでしょ? 護られるばかりじゃ嫌だって」
そういって振り向いた美憂の顔は、『覚悟』を決めた戦士の顔であった。
竹刀を正眼で構え、凛と立っている姿に思わず見惚れてしまうほどだった。
ああ、だが、そうじゃない。そうではないのだ。
「その様子からして、私がどんな存在であるかは概ね承知しているようだ。では、改めて問おうか――正気かね?」
「ええ、ええ、分かっていますとも。こんな竹刀でどうにかできるわけがないことくらいは。センパイ達みたいな力なんて持ってない、ただの子供にどうにかできる相手じゃないことくらいは。でも――」
そう言葉を区切る彼女の足は、震えていた。
どれほど虚勢を張ったとて、美憂はただの人間なのだ。
当然だ、花を摘むより簡単に命が奪われてしまいかねない今の状況下に、常人であればまず精神が耐えられない。
だが、どれほど絶望的だったとしても、死が目の前に転がっていたとしても、彼女はその一歩を踏み出そうとしている。
「――ここで逃げたら、女が廃りますから」
会心の笑みを浮かべて、そう言い切った。
聞き覚えのある台詞、おそらく鈴風の受け売りか。
ああ、だが。
その『決意』は。
その『勇気』は。
絶対に認めてはならない!!
「――素晴らしい。思わぬところで思わぬ収穫ができたようだ! さぁ、見せてみたまえ、君の持つ『意志』の輝きを「悪いが、お前の芝居に付き合ってやる道理はない」む?」
美憂の気高き意志の輝きにリヒャルトが感慨の表情を見せたと同時、刃九朗は美憂の右手を引っ張り彼女の前へ出る。そして、小さく目を見開いたリヒャルトと目が合った瞬間、右肩に装着された擲弾砲塔をその顔面目掛け撃ち放った。
「飛ぶぞ、掴まれ」
「え? ……きゃあああああああああああああ!!」
着弾、炸裂、炎上。その情報のみを認識した刃九朗は、急な展開に思考が追い付いていない美憂を両手で抱え、寸分の躊躇もなく手すりから身を投げ出した。
刃九朗は4階建ての校舎から落ちた程度で何ともないが、彼女は別だ。背中をコンクリートの壁面に叩き付け、その摩擦で落下速度を少しずつ殺していく。下が柔らかい芝生だったのも幸いした。最小限の衝撃で着地した刃九朗は、手の中にすっぽりと収まった少女の様子を窺う。
「無事か」
「あ~う~」
外傷はないようだが、よくよく考えれば3m程度しか離れていない地点で爆弾が大爆発したのだ。すぐ自分の背中で庇ったので怪我の心配はなかったが、その轟音と衝撃で気絶してしまっていたようだ。
ともかく今は逃げの一手だ。美憂を抱え直した刃九朗は黒煙が立ち上る屋上を一瞥し、足早にその場を後にした。
戦力差は圧倒的、いや、そもそも戦いとして成立すらしなかった。
(あれが俺の――俺達の『敵』か)
ほんの数分対峙しただけだというのに、まるで何週間も戦いの最前線にいたかのような疲弊と損耗を感じていた。
己が無力さ、こんなか弱い少女に助けられないと生還すら困難であったという重い事実が、嫌が応にも圧し掛かってくる。
戦うべき自分が、戦わせるべきではない者を矢面に出してまでみっとなく生き延びた。
唯一の存在意義である戦うことすら満足にこなせなかった。
なんだこれは。
敵を倒せない武器に何の意味がある。
人を護れない武器に何の価値がある。
(なんと、情けない)
知らず、唇を強く噛みしめる。口元に血が滴るのも気にすることなく、こみ上げてくる何かに耐え忍ぶように、ただ今は無心で走り続けていた。
飛鳥、クラウと違い刃九朗視点でのヒロインは美憂一択です。まぁコイツ相手にハーレム展開やドロドロの恋愛劇など似合いはしない。