02 コンタクトなんか大っ嫌い
私の通う学校は眼鏡の人が多い。そんな中で、私は眼鏡をしていない。そんな眼鏡のいらないくらい目がいい私と眼鏡さんと眼鏡くんとの愉快な日常。
それはある日の放課後、私は常々聞こうと思って聞くのを忘れてた事を思い出した。
「あ、そういえば…聞こうと思って忘れてたんだけど。咲は、いつから眼鏡っ子になったの?」
「…中一?」
「え、はやっ!」
「そう?」
「もしや、家の人も眼鏡さん?」
「さぁ?秘密。」
「えぇー!気になる。」
「私は謎多き女なんでしょ?」
「え、なんで?」
「…はぁ…忘れてたわ。陽彩の頭が鳥だって事…」
「鶏冠なんかないよ?」
「で、何の話しだっけ?」
「えっ…と、眼鏡の話で…あ!そうそう!咲はコンタクトしないの?」
「残念ながら私、コンタクトなんか大っ嫌いなの。」
「えっ!?咲なら眼鏡なくても美人だって!」
「おい、ただ眼鏡を外して欲しいだけだろ?」
咲の眼鏡が鋭く光った。
「うぅ…反射は止めて!ごめんなさい!だって咲の素顔見た事ないもん。見たいのぉ!」
「勝手に言ってな。しかも素顔って…眼鏡は陽彩の中では化粧か仮面か?」
「眼鏡は…眼鏡でしょ?」
「…頭痛い。」
「えっ大丈夫?」
「陽彩は一度、病院行け。」
「えぇなんで?」
「自分の胸に手を当ててよく考えろ」
「…眼鏡を外してコンタクトにしてって言っただけだよね?」
「…もう、とにかく。コンタクトなんか大っ嫌い。」
「なんだか、いまいち噛み合ってないような…」
「陽彩。拗らせた本人が言うな…」
「えっ!?私が拗らせたの!?」
「間違いなく。陽彩の責任ね。」
「えぇー」
「で、眼鏡なし子は今日提出のあの長沢先生の宿題したの?」
「…ギャー!忘れてた!」
「長沢先生の雑用係り決定ね」
「英語嫌い。」
「長沢先生のチョークが飛んで来るよ?」
「ヤダ…」
「じゃぁ頑張れ。私は敵だから。」
「えぇー!?」
「頑張、」
「りますよ…」
そうして、はぐらかされた事に気付かずに、私は必死で宿題をやるのだった。
結局は、間に合わなかったけどね…