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04 今の、冗談ですよね?

私の通う学校は眼鏡の人が多い。そんな中で、私は眼鏡をしていない。そんな眼鏡のいらないくらい目がいい私と眼鏡さんと眼鏡くんとの愉快な日常。番外編終了です。

私は誰かと歩む未来なんか望んでいなかった。

私は陽彩さえ幸せなら、自分はどうでもよかった。

なのに、この男は未だに私の隣りをうろつく。


「咲ちゃん」


そう言って、楽しそうに笑うばかりで、私がどんなに突き放しても、それさえも楽しそうで…

もう面倒臭いやって思った頃、奴は私の目を見て真剣な顔をした。


「咲ちゃん、好きだよ。俺、咲ちゃんが好きなんだ。」

「な…何を言い出すかと思ったら…今の、冗談ですよね?」


そうやって誤魔化した。

奴は、それでも真剣な顔で「冗談じゃないよ」って言ってたけど私は質の悪い冗談で片付けた。


毎日あったメールがこなくなった。

正直、何故だか腹が立った。

出会ってから、ずっと習慣みたいにしてたからだと思った。


一週間メールが来なくてイライラしてたので、新婚の龍浪くんと陽彩の新居に乗り込んだ。

今までの事を、愚痴ったら二人に笑われた。


「咲って、嶺生さんが好きなんだね。」

「はっ?冗談よね?」

「三端。どうでもいい奴なら、そんなにイライラしないぞ。」

「龍浪くんも言うようになったわね…」

「嫁が陽彩だからな」

「そうね。」

「何を納得してるの!もぉ…ほら、咲は嶺生さんに会いに行きなよ。きっと大丈夫だからね?」

「嫌だ。」

「咲…素直になりなよ。じゃないと嶺生さん人気あるから取られちゃうよ?」


奴の隣りに、知らない女の子…少し想像しただけでイライラする。

胸が締めつけ…って


今の、冗談だよね?


急に頭を抱えた私を、陽彩は心配そうに龍浪くんはニヤニヤしている。

さすが兄弟、ニヤニヤが似てる。


はぁ…仕方がないな…本当は冗談なんて思ってなかった。

一人の覚悟があったから、受け入れるのが難しかっただけ。

自分の心なんて、小さくて弱くて奴を受け入れたら、もっと弱くなるんじゃないかって怖かっただけ。


「咲ちゃん」


そう呼ぶ声が、いつからか甘かったのも気付いてた。

今日は私からメールをしよう。


嶺生と出会ってから、自分の世界が変わったって。


本当に、本当に、これで終了です。

お疲れ様でした。ありがとうございました!


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