7、他人から見ると家族
それからというもの。
ミレイアはちょくちょく様子を見に来るようになった。
理由はひとつ。
「ちゃんと生きてる?」
アルヴィン生存確認である。
「生きてる」
雑い。
「ほんとに?」
「そこにいるでしょ」
指さす。
そこには――
「こんにちは」
にこにことエプロン姿のアルヴィン。
元気そうである。
「……まあ生きてるのは確認できたけど、ルナ、ちゃんと世話してる?」
「ご飯出してるし」
「うん」
「寝る場所もある」
「うん、あとは?」
「生きてる」
「ギリギリ生活やめて!?」
ミレイアのツッコミが止まらない。
ルナは不満げに顔をしかめる。
「ちゃんと面倒見てるでしょ」
「どこが!?人として最低限のことしか保証されてるようにしか見えないのですが!?」
「……」
そう言われて、言葉に詰まる。
その時。
「ルナさん、これどうぞ」
アルヴィンがすっと飲み物を差し出した。
「……ありがと」
自然に受け取る。
「ほらもうルナが、世話されてるじゃん!」
「違う」
「完全に逆転してるよ!?」
ミレイア、指差しながら叫ぶ。
「いいのこれで!?」
アルヴィンは嬉しそうに笑って頷く。
「はい、僕がしたくてやってるだけです」
「好感度高!!」
「そんな事、ない」
だが受け取った飲み物は普通に飲む。
「……ねえ」
ミレイアは、ふと真顔になる。
「これ、もうさ、家族じゃない?」
「違う、絶対違う」
全否定である。
だが――
「ルナさん」
「なに」
「今日のご飯、楽しみです」
「……普通だよ」
「はい」
「期待しないで」
「はい」
「……」
会話はあまり成立しているように見えないがらも、その空気は妙に柔らかい。
ミレイアはそれを見て、
小さく笑った。
「良かった」
「なに」
「なんでもない」
完全に理解した顔である。
「違うから」
先回り否定。
「誰も何も言ってないけど?」
「顔が言ってる」
「気のせいでしょ〜」
にやにや。
ルナは露骨に顔をしかめた。
そのすぐ隣で。
アルヴィンは、嬉しそうに笑っていた。
その光景はどう見ても。
「……」
ルナは無言で視線を逸らす。
認めない。
絶対に認めない。
「ご飯、用意するから座待ってて」
自然にそう言っている時点で、ルナの中でアルヴィンの存在が大きくなっているのをまだ本人はきずいていない。




