6、侵入者(世話焼き、ミレイア)
ある日。
ピリッ、と結界に触れる感触があった。ルナは顔をしかめる。
嫌な予感しかしない。
「また面倒なのがくる……」
ため息まじりに外を見る。
見覚えしかない人物だった。
「ちょっと!!」
勢いよく現れたのは、ミレイア。
「最近ぜんっぜん人送って来ないじゃない!死んだんじゃないかと心配したでしょ!?」
第一声がそれである。
「平和だっただでしょ?」
「そうだけど!送らないならせめて連絡入れなさい!」
「元気に過ごしてます。」
「遅すぎる!!!」
ミレイアと会ってからの、いつものテンションで会話が進んでいく。
このまま話していつものように解散できる。
……はずだった。
ミレイアはふと、家の中に視線を向ける。
そして、固まった。
「……え」
一歩、入る。
もう一歩。
じーっと奥を見る。
「何この美少年!?」
その視線の先。
普通にテーブルに座っていたアルヴィンが、にこやかに手を振った。
「こんにちは」
「え、人がいる!?なんでいんの!?」
「私も知らない」
「いやいるじゃん!!ここに!!」
「色々あってこうなった」
便利ワードを使ってみる。
「色々で美少年いないからね!?」
ミレイアのツッコミが冴える。
アルヴィンはきょとんとしながらも、にこにこと聞いてくる。
「ルナさんのお知り合いですか?」
「違う」
「そうよ」
ハモって、違うことを言う2人。
「なんで否定したの!?」
混乱が加速する。
ミレイアはルナにグイッと近ずいた。
「説明!」
「倒れてた」
「うん」
「助けた」
「うん」
「ミレイアに押し付けようとした」
「うん?」
「失敗した」
「なんで!?」
ルナも想定外である。
ルナは真顔で続ける。
「結界無視して入ってきた」
「危ないヤツじゃん!?」
ミレイアは後ずさる。
アルヴィンはその間もにこにこと笑顔のまま。
怖い。
「大丈夫なの?」
「多分?平気」
「判断基準どこ!?」
ルナはちらっとアルヴィンを見る。
アルヴィンは嬉しそうに微笑んだ。
「ルナさん、今日もご飯美味しかったです。」
「そう」
「……もう住んでるのよね?」
「居候」
「言い方軽いな!?」
ミレイアは頭を抱える。
「え、なにこれ……私がおかしいの…?ついにルナが人と暮らしてる……?」
「不本意」
「でも追い出してないよね!?」
「……」
沈黙である。
ミレイアはニヤッと笑った。
「へぇ〜?」
「なに」
「いや別に〜?ルナが人に関心を持つなんてねぇ」
「魔法、受けてみたい?」
「ごめんなさい」
即謝罪。
一方その頃。
アルヴィンは空気を読んで微笑んでいたが、タイミングを見て言った。
「賑やかでいいですね」
「良くない」
ルナはたまらずツッコんだ。
その日。
ルナの家は、異世界に来て初めて、とても騒がしかった。




