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3、例外発生

数日後。


「……またか」


ルナは、もはや日課となりつつある光景を前に、遠い目をしていた。


森。

倒れている人間。


はい、いつもの。


――のはずだった。


「……なにこれ」


近づいて、気づく。

違う。

明らかに違う。


金髪。

やたらと整った顔立ち。

肌は無駄に透き通っているし、装備も破れたり汚れたりしているが“様になってる”。


何より――


「どう見ても主役側じゃん」


嫌な確信。

こういうのは大体、面倒ごとを連れてくる。

異世界ものをやっていた時のテンプレである。


「めんどいの確定じゃん」


即断。

即切り捨て。


「はい転送〜」


いつものように、雑に魔法陣を展開。

ポイっと押し付けて終わり――

(※被害者:ミレイア)


のはずだった。


バチンッ


「……は?」


弾かれた。

綺麗に。

気持ちいいくらいに。


「え、今のなに?」


もう一度。

今度は少しだけ真面目に魔力を込める。


バチンッ!!


「は???」


さっきより強めに弾かれた。

なにそれ怖い。


「ちょっと待って意味わかんない」


三度目。

意地である。

ルナが魔法を発動しようとした、そのとき。


ふわっ


「……あ?」


倒れていたはずの少年の体が、ゆっくりと浮かび上がった。


そのまま――


スーッ……


「いや待って」


一直線に。


ルナが貼った結界の方へ少年の体は進んでいく。


「ちょ、来んな」


止まらない。


そして、


すっ……


結界を、何事もなかったかのように通過した。


「は?????」


侵入完了。

完全に結界をスルーである。


「いやいやいやいやいや」


思わず後ずさる。


「私の結界だよね?これ」


確認。

誰がどう見ても自分のだ。

バグっている。

目の前の現実が。


「無理無理無理無理」


関わりたくないオーラ全開で後を追うが。

しかし現実は非情である。

少年はそのまま家の中のベットにふわりと収まった。


逃げ場、ゼロ。


「……終わった」


ルナ、悟る。

これはもう、


「絶対めんどいやつだ」


確定演出である。


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