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容姿で悪役令嬢と言われた私、本当の悪役令嬢になります。

作者: 夜麗出ユウ
掲載日:2026/02/13

「何故ルーディア家がここにいるのだ!!?!」


「陛下が婚約者にと、」

「そんなことは知っている!!!!

父上はこんな容姿の女を産んだ家を信用しているのか…!?騙されているに決まっている!!!!帰れ!!悪役令嬢が婚約者なんて認める訳がない!」


何故????

________________________

こうなったのは少し前に遡る。

私はいつも通り部屋で本を読んでいた。

新しい本ということもあって、わくわくしながら読んでいた。


そんな中、父上が部屋に来た。


「マーシャ、私だ。少し相談があってきた」


「ああ父上。どうぞお入りになって」


珍しく私の部屋に来たのだ。

いつも仕事が忙しく、顔すら合わせない日だってザラにある。

それで母上とよく喧嘩しているのは、この屋敷での名物と化している。


「それで父上。相談というのは?」


「あぁ、実は陛下からマーシャを第一王子の婚約者にしたいという申し出があってな」


「婚約者?第一王子に?……あの方は幼い頃から婚約者が決まっていたはずでは?」


「あぁ………王子もすごく気に入っていてよく遊んでいたそうなんだが…

突然拒み始めてな。その婚約者は第二王子の婚約者にするそうだ」


「………それで、何故私が選ばれたのでしょう?」

自分で言うのもなんだが、私は側から見れば“変わり者”だ。

勉強をして、本を読み、舞踏会やパーティーには出席せず、

最低限の催しや儀式にだけ出席する。

私に対しての良い噂などあまりない。


「……表向きには他の女にはない優れた知識がある、階級も高く申し分ないから、だそうだ」


「…………表向き、というと裏もあると?」


「……あぁ、私の稼いだ額の3割を毎年献上しろと」


デメリットしかないじゃないか。

何年も前に決まった婚約を破棄したいと言い出す我儘王子。

そしてこちらにメリットも何もないのに3割を渡す。

“3割”と言うのがまたダメだ。ちょうど良い額なんだ。

しかも父上の持っている財産はそこら辺の大貴族とは

比べ物にならないような多大なる額だ。

つまり、「少なくて良いから、献上してね☆」と遠回しに言っているようなものなんだ。


………だが、私はこれを断れない。いや、断ることなんて許されない。

「はい」or「yes」だ。

これを、父上が分からないわけがない。


「…………はぁ…分かりました。その話、お受けします」


「すまないな………」







という感じで、やるからにはビシッと決めようと一番お気に入りのドレスにメイク、

髪型もやってもらった。

うん、自分でも素晴らしいと思える程には良い出来栄えだ。

…気乗りはしないが仕方がない。行くとしよう。

________________________

そして今である。せっかく王子に会いに来たと言うのに早々に追い出された。

しかも私が悪役令嬢?


…………見る目ないな、あの男。


確かに私の容姿は茶髪に赤い目、ワインレッドと黒のドレスにハーフアップの髪。

一見すれば“怖そうな女性”に見えるかもしれない。


だが悪役令嬢とは酷いな。

私はそのように呼ばれるようなことはやっていない。

なんなら毎日部屋に篭って本を読んでいるから、

“変な人間”という噂はたてられても“悪役令嬢”と言う噂は絶対たてられないと思うのだ。



……まあいいや。これで婚約は破談。父上の財産も取られることはないだろう。















そんなことを思っていたのが懐かしい。

今やそんなことは言ってられないくらいにはすごい噂がある。


「第一王女様のドレスを破いたらしい」

「今回の婚約もルーディア家当主が脅して契約を結んだそうな」

「なんなら契約の際に3割の金をもらおうと思っていたとか」

「そして婚約をしようとしたマーシャ令嬢はその話を聞いて当主にキスをしたそうだ」

「ファザコンということか」


……と、まぁ、あらぬ噂をたてられた。

下二つに関しては意味が分からない。

何も悪役令嬢じゃない。

というかそもそもしてないのだが………




そして日に日に噂は大きくなっていき……


「どうやら当主は催眠術を習得していたそうだ」

「マーシャ令嬢は婚約者になっていたら王子が王になった時のための毒の調合の練習を始めていた」

「ファザコンすぎたのも王子が婚約を破棄したい理由の一つだったらしい」



絶対ファザコンネタ入れるじゃん。ってかファザコンの情報源どこだよ。

________________________

それからも私の悪役令嬢の噂は止まることも、忘れることも知らずに語られていた。

一歩でも街を歩けば

「噂の悪役令嬢のマーシャだわ……やはり余裕が違うのね」


「今度はどんな悪事をなさるのか楽しみで仕方ないなw」

という嫌味っぷり。





どうせ否定してもこの手の人間は聞く耳を持たない。

私が何か善行をしても、悪役令嬢と言われ続けるのだろう。













ならば、




「本格的に、悪役令嬢になってやろうじゃないか」









予定には、なかったけどね。











慈善活動などの良い活動をしても

「あらあらずいぶん余裕があること」

とか言われる。


ならばその逆だ。


だが、=悪役令嬢と世に知らしめる、というわけじゃない。

私が悪役令嬢と呼ばれることよりも大きいことをしなければならない。


それこそ、国の問題や王族関係のことについて………………とかね
















そして私は、“あえて”食糧不足、貿易の妨害をやることにした。

勝率が上がる。

父は商人から大貴族に成り上がった人間だ。

商業のことなら分かるだろう。


このことを知った時、私はやっぱりこの人の娘なのだな、と思ってしまった。

ノリノリで商業について教えてくれたし、あの“3割よこせ問題”に少なからず腹を立てていたのだろう。


食糧はとにかく買い占める。力技かもしれないがこれが一番単純で一番効果的。

だが自給自足面もある。これはある作戦があるから後回し。


貿易品も買い占める。

と言ってもやるのは私の従兄弟。父上の兄の息子だ。

違う国に住んでおり、手紙で“金は出すから私の国の貿易品と食糧を買い占めて欲しい”とお願いしたのだ。



従兄弟には「私の従兄弟はそちらが貿易する国の王族なのですが…

そのマーシャが自慢げな手紙を送りつけてきて“食糧と貿易品がきたらすぐさま買い占めて大食い大会を開催するんだ!!”と言っており………倍の値段を出すので、毎月その分を私にくれないでしょうか?」というように言った。


めざとい商人は利益を優先したがる。

だからこれは成功するだろう。

それに、父上の兄から生まれた人間だ。

何か否定されても対策は取ってくれるだろう。




そして、自給自足面。昔本で“この国では3年に1回、6ヶ月雨が降り続ける時期がある。作物が水の供給過多で駄目になるためその時は、貿易に頼るため莫大な資産が必要”

と読んだことがある。

ちょうどその時期にぶつかるように作戦を立てた。


今から3ヶ月後。それまでに色々と準備をしなければ

________________________

約一年後ー

貿易品も食料も来ずに食糧不足、貿易に頼って何か仕事をしていた人間は仕事を失った。

そして私の放ったネズミたちが街を荒らした。

もつとも、疫病が出ないように数は計算したが。

そして、王族が仕向けたという噂をホームレスの格好をした弟がばら撒いてくれた。




そして私は従兄弟から直々に送られてきた買い占めたこの国の食糧を無料で皆に分け与え、いつしか悪役令嬢などとは言われなくなった。なんなら聖女と言われるようになった。

(ファザコンの噂は未だに消えない)



そして食糧を分け与えた瞬間、人々が私を信じきっている時に言った。

「皆さん聞いてください。私は父に言われ婚約者として直々に城に向かいました。

しかし、第一王子は私を一目見た瞬間に“容姿が悪役令嬢!!”と突き放し、追い出したのです。しかも!!!そうなったのは私の父が稼いできた財産目当て!!3割を毎年寄越せと陛下は言ってきたのです!!………信じられない方もいるでしょう。しかし、あなた方は私の噂通りの悪行を見ていたのですか!?!聞いたのですか!?!」


まぁ、人のこと言えないけどね



人々は顔を見合わせ、次第に怒った顔になった



「じゃあ……全部王家が悪いってことかよ!!?!!」


「ええ、少なくとも、私にはそう見える。幼い頃から婚約していた令嬢を断ったのも、何か裏があると私は思う」



「ほかに好きなやつができたとか?」


「駆け落ちがしたいとか?」


「あの王子前から思ってたけどバカだよな」



ザワザワとしていく一帯。

あとは、この人たちがやってくれるだろう。






そして、革命が起きた。

王家側はなす術無く捕えられた。

というのも、衛兵たちもこちら側に引き寄せたからだ。元々王子や王に不満を持っていたらしく、付け入るのは簡単だった。

昔は王妃がいたからまだストッパーは効いていたが、病気で亡くなった死後、城ははちゃめちゃになっていたそうだ。










そして今日は、元王と元王子の処刑日。

他にも元王子や元王女はいるがまた別日に処刑される。







ギロチンが二つおろされる瞬間、

父と同時に、私は小さく息を吐いた。




今日は雲ひとつない快晴だ。








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