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破壊神と恋  作者: 南蛇井


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6/6

第六話

早退した水無月は、帰宅の途についていた。

いつも見慣れた景色ではあったが、視線は自然とわずかな異変を探していた。

自販機の破損、ひび割れた地面。

そこには、省吾が存在していた。

胸がチクリと痛む。


家に着いた水無月を出迎えた牛は何も言わない。

何も言わない牛を見つめ、ぽつりとつぶやく。

「私ひとりで...」

「無理はするんじゃねぇぜ。勇者はお前だけじゃない力を借りるんだぜ」

水無月は唇をかんだ。


一方、省吾は水無月の席を見ていた。

空いている...それだけで胸の奥が少し冷えた。

(...返事、まだ、聞けていない。)




翌日、登校の喧騒を切り裂くように、水無月実花は校舎へ足を踏み入れた。

(もう時間がない。今日確実に...)

省吾を確実に殺す。

視界に省吾の姿を捉える。

一歩前に踏み出した...その時、水無月は肩を引っ張られた。

「...っ!?」

振り向くとそこにはメガネで細身の男子がいた。

見覚えはある...確か隣のクラス...。

「何?邪魔しないでよ」

「邪魔をしているんだ」

「なんで?」

「君に中谷省吾...破壊神を倒すことは出来ないからだ」

「勝手に決めな...」

言いかけて言葉を止める。

(この人...破壊神の事を知っている…?)


「俺は高永翔、勇者の一人だ」

突然の宣言に戸惑いを隠せない。

(この人は味方...それとも...?)

思考が絡まり水無月の表情が硬直していく。

「そう警戒しないでよ。俺は水無月さんの味方...

  ではないけど敵でもない」

「どういうことよ」

「俺は破壊神を殺すつもりはない...が青峰のように利用しようとも思わない。

 安全かつ平和に破壊神を、中谷を安定した状態へもっていき破壊も創造もさせない。

 それがベストな選択だと思っている。

 だから殺させはしない」

「そんなこと出来るわけ...」

「それを模索している。

 どのみち水無月さん一人で倒せるような代物でもない」

一瞬のゆらぎ...それでも。

「無理でも...やると決めたから」

高永は軽くため息をつく。

「やれやれ強情だね。

 なら力づくで止めさせてもらうよ」

「やれるものなら...」

水無月の剣が高永に向けられる…が剣が消えていく。

「どういうこと...?」

「無駄だよ。俺の半径3m以内では勇者の力は使えない。

 それが俺の力」

「そう...だったら」


ガコッ!


水無月の拳が高永の顔面を貫いた。

「勇者の力なんて必要ないわ」

そういうと一歩、省吾へと近づいた。

「待てよ。させないって言ってるだろ」

「しつこいわね」

「それが本当に君の望みなのか?」

「私の…」

迷いが歩みを止めさせる。

「決めたから...」

「そう、でもね...」

高永が省吾の元へ近づく。

「俺が中谷の近くにいる限り君は何も出来ない」

「邪魔よ!」

「邪魔をしてるんだ」

省吾は水無月さんに気付く。

「みっ水無月さん、返事...って言うか君は誰?なんで俺の近くに立ってるの?」

高永を不審な目で見る。

「気にするな俺は君を守る」

「えっ?要らないよ。

 邪魔だよ。」

「そうね。

 確かにあなたはこの場には不要よ」

高永の肩を押し向こうへ追いやろうとする。

「水無月さん、やっぱり俺と二人になって告白の返事を...

 やっぱりお前邪魔だぞ」

一気に高永に抗議する。

「何を言ってるんだ!俺がいるからお前が無事なんだぞ」

水無月は剣を出そうとするが消えた。

(だったら...)

ガシッ!

高永のみぞおちに蹴りをいれる。

ひるんだスキに省吾の手を取り走り出す。

(距離を置く、このスキに高永君と距離を置いて中谷君を...)

「み、水無月さん...」

笑みを浮かべる省吾。

(ごめん)

水無月は剣を出した...

はずが剣が出なかった。

(なぜ...?)

握った中谷の手の先...逆の手を高永が握っていた。

「だから...無駄だって...」

みぞおちを押さえながら苦しそうに宣言する。

水無月は周りを見渡した。

「...今日は見逃してあげるわ」

水無月は立ち去っていく。

「それと...高永君...あなたも敵ということね」

高永は何も答えない。

(これ以上の騒ぎは不審に思われる...でも次こそは)


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