表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/19

第2話 異世界へ来たエルフ

俺は、自宅のリビングで、彼女と話をしていた。


「分かったぞ。キミも日本に憧れてやってきた口だな?」


日本に憧れる外国人。

アニメやマンガで来る人がいるとテレビで見た事がある。

きっとそういう事なのだろう。


「いや…ちょっと待て。言っている意味が分からないのだが」

「なあに恥ずかしがらなくても良い。こんな耳まで付けちゃって…こっちの方がよっぽど…」


俺は、女性の耳を引っ張った。


「痛っ!」


あれ?本物?


「これじゃまるで…本物のエルフみたいじゃないか」


涙目で、彼女に睨まれる。


「異世界人っていうのは勝手に耳を触ったりして…謝る事もしないのか?」

「ご、ごめんなさい」


どういう事だ?

彼女は本物のエルフなのか?

てっきりジョークだと思っていたのだが。


「えっと…」


しばらく気まずい空気が流れた。


「私はカモミール・ルムフェ、見ての通りエルフ族だ」

「俺は、松永裕也…高校生をしている」


「高校生?」

「学校で勉強をしているんだよ」


「学校か…魔法学校のようなものか」


だいぶ違うが、納得したらしい。


「どうやら、異世界へ来てしまったようだな。しばらくお世話になるからよろしく」

「はああ?どうしてそうなるんだよ?」


「君がここへ連れてきたんだろう?どうせ戻れないのだし、住ませてもらっても良いじゃないか。私は魔法が使えるから何かと便利だぞ」


図々しいエルフだ。


「俺は困っていたから助けただけだ。両親が生きていたら他人に親切にするだろうからな」

「…そうか。ご両親が…」


「勝手に住めばいいさ。俺は一人暮らしだし、襲われても良いのならな」

「私が襲えるとでも?魔法で返り討ちにしてくれるわ」


右手にはいつの間にか魔法の杖が握られていた。

ていうか、どこから出した?


「収納魔法が使えるようだ。あっちで入れておいたポーションも入ってる。何も支障がないな」


仕方が無いので、俺は母が使っていた部屋を案内した。

食いぶちが一人増えたところで、大したことない。


「部屋は片づけていない。好きなように、勝手に使ってくれ」


まあ、そのうち外に出て働いてもらえばいいか。

アルバイトくらいなら、外に出しても大丈夫だろう。


深夜、彼女の部屋のドアノブに触れようとしたら、バチン!と弾かれた。

見えないもので覆われているらしい。


まあ、本当に襲うつもりはないのだがな。

学校が始まったら、カモミールはお留守番だ。

それまでに、日本での常識を教えておいたほうが良さそうだな。






「「ピンポーン」」


朝っぱらから何だ?

昨日は遠出をしたので、疲れて早めに寝てしまったようだ。

あれ…何か大事な事を忘れているような…。


自室に戻らずにリビングで寝てしまっていたらしい。

疲れすぎだろ。

俺。


玄関に行ってドアを開けると、一人の短髪の少女が立っていた。


「何だ、あみか」

「何だはないでしょう?昨日からラインにメッセージ入れたのに、返事がないんだもの。何かあったのかって心配したじゃない」


スマホに通知がきていたのか。

スマホはテーブルの上にある。


「夕飯でも一緒にどうかなって思ってさ。東京に行って疲れただろうから」


あみ、中嶋あみは隣に住む幼馴染だ。

あみのご家族は、俺の両親が亡くなって何かと俺の事を心配してくれている。

昨晩もそういった感じなのだろう。

もう大丈夫なんだけどな。


「心配しなくても、もう一人でやっていけてる。ご両親にもそう伝えてくれ」


あみは何とも言えない表情を浮かべた。


「そう?無理しないでね。何かあったら連絡して」

「心配してくれてありがとな」


あみは隣の家に戻っていった。

俺はそんなに頼りなく見えるのだろうか?

もう三年も経つのだし、気を遣わなくてもいいのだけど。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ