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リヒト・フェアローレン  作者: ネコしゃもじ
修行

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13/13

突然の剣の修行

 早朝、アンドレイは自室で目覚めた。

「夢…? いや違う…」

 カルラはディミルスに会った事あるみたいだし、師匠も何か知ってるかも。

「行くか」

 アンドレイはピリテオス大樹に向かった。そしてそこには、いつもの二人に合わせて、インフェスがいた。そしてインフェスが気づいた。

「来たみたいだね…」

 アンドレイは皆と合流すると、自分が見た光景と、ディミルスにあった事を話した。

「レイ君、ディミルス様と会ったんだ!!」

「なあどんな感じのやつだったんだ⁉」

「お…落ち着いて二人共…」

 興奮したカルラとイヴリンを落ち着かせるアンドレイ。そしてインフェスは、何か考え事をしている様子。

「……レイ、ディミルスに会う前に見た光景を出来るだけ具体的に話してくれるかい?」

「え…? あ、はい」

 アンドレイは三人に、その場所で起きた出来事を事細かに説明した。そしてインフェスが呟く。

「……あのクリスタルは本当にウロヴェウスが…」

「あのクリスタル?」

 インフェスの言葉が気になるアンドレイ。

「ん? ああ…。<創世の(ゲネシス)・クリスタル>だよ」

 <創世(ゲネシス)・クリスタル>。この世界に魔素を充満させ、今の世界を創り上げた巨大なクリスタル。そしてほとんどの生物が、魔素に適応するよう進化し、人類も個体差があるとはいえ魔力を持つようになった。

「…であってます?」

「うん。あってるよ」

 イヴリンも問う。

「確か全部で7つあるんだよな?」

「その通り。そしてクリスタルの周りは、<高濃魔素領域(エーテル・バリクゾネ)>となっているのは知っているね?」

 インフェスの問いに三人は肯定するように頷いた。

「最近そのクリスタルが輝きを増してね。恐らくフレアと関係してるのではないかと思う。突然だがレイには剣の、イヴには双剣の修行をしてもらう」

「……本当に突然ですね」

 驚くアンドレイとは逆に、イヴリンはやる気に満ち溢れていた。

「双剣か! いいじゃん早くやろうぜ!!」

「やる気は十分だね。うん?」

 袖を引っ張られ、インフェスがそこを向くと、カルラが袖を引っ張っていた。

「あの、私は何をすればいいのですか?」

「そうだね…、じゃあこれを読んで記憶しておいて」

 インフェスは魔法で本を取り出し、カルラに手渡した。

「これは…」

「それは、様々な種族の構造が書かれてある本だ。一般の書物にもない事が書かれてある」

 カルラは木陰で読み始めた。そして、イヴリンはインフェスと双剣の使い方を知るため特訓。一方アンドレイは、インフェスが魔法で創り出した木の剣を持った土人形相手に、木の剣を構えていた。

 これ、とりあえず攻撃すればいいのか?

 アンドレイは土人形に斬りかかった。すると、先程まで微動だにしなかった土人形が動き出し、攻撃を弾いた。

 動いた!

「っ!!」

 土人形は怯んだアンドレイに斬りかかった。その攻撃にアンドレイは、間一髪の所で防いだ。そして横目に見ていたイヴリンが動転した。

「ちょっ!! あれ完全に殺す気勢いじゃねーか!!」

 インフェスは冷静に説明した。

「大丈夫だよ。土人形(あれ)は、相手が反撃などを出来るか否かを判別出来るんだ。だからもしレイが防げなかったら寸前で止まってたさ」

 なるほど、なら安心して…。

「ぐあっ!!」

 安堵した束の間、土人形はアンドレイの横腹に蹴りをお見舞いした。そして軽く吹き飛ぶアンドレイを、イヴリンとカルラは驚きの表情で見ていた。インフェスは淡々と説明した。

「言い忘れてたけど、土人形(それ)は気を抜いた相手に容赦ないからちゃんと集中してね」

 先言えよ! まあ気を抜いた俺も悪いか…。手か本当にこれで上達するのか?

「……とりあえずやるか」

 アンドレイは立ち上がり、剣を構えた。

「来い!」


ーネクロス地下・訓練場ー

 ゼロの頼みで、シュトルムがナタリーを鍛え上げていた。

「ま、待って! 待って…!」

 シュトルムに圧倒され座り込み、息を切らしながら制止するよう懇願していた。

「あんたさぁ、アンノウンの力使わないとほんっと弱いよね」

「うっ…。仕方ないじゃん。対して鍛えてないんだし…。あそういえば」

 ナタリーは立ち上がると、気になった事を質問をした。

「気になったんだけど、シュトルムのアンノウンとしての姿ってどういう感じ?」

「見たい?」

「うん」

 すると、シュトルムの体から蒸気が吹き出し、全身を包み込むと、豹の様な形状へと変わった。

「へえ~。必ずしも二足歩行って訳じゃないんだ」

「『瞬発特化型』の特徴だからね。あんたみたいに二足歩行のも普通にいるけど」

「うん? あんたにも種類があるの?」

 シュトルムが元に戻ると、驚いた様子で説明した。

「あんた知らなかったの? アンノウンにはさっき言った『瞬発特化型』、文字通りの瞬発力に優れてて、一瞬で間合いを詰めるのが得意。形状変化は遅いけど、零砲発射までの速度や硬質化の速度は並。『硬質化特化型』、これも文字通り、硬質化の速度が早くて硬度が高い。零砲はほぼ使い物にならないけど形状変化は普通。んで『形態変化型』、こいつは単純にめんどくさい。硬質化は部分的に早くて部分的に遅い。零砲は普通なんだけど形態変化の通り、形状変化を頻繫にしてきて戦闘パターンも変化するから質が悪い。そして最後に『零砲特化型』、もう言わなくても分かるでしょ?」

 ナタリーは少し困った表情をしていた。

「ん~情報が多すぎて処理しきれてないんだけど…、零砲を溜める時間が短いとか?」

「まあ間違ってはないね。実際はそれに足して後隙も短いんだよ。ちなみに形状変化や硬質化は個体差が多い」

「ほー…。ちなみに私はどれ?」

 シュトルムは呆然とし、一瞬の間をおいて溜息を吐いた。

「はぁ…さっき言ったじゃん。あんたみたいに二足歩行って。これ、あたしと同じ『瞬発特化型』て意味」

「……いや、分かりにくいわ!!」

 すると、シュトルムは剣の先をナタリーに向けた。

「んな事よりさっさと続き始めんぞ!」

「いっ⁉ 勘弁してえ~!!」

 一方少し離れた所からゼロが見ていた。

「……」

 すると、後ろからエイドが話しかけてきた。

「よう。ナタリーはどんな感じだ?」

「素人も素人。前はアンノウンとしての力と本能のおかげで戦えてただけだ。この調子じゃ数年はかかるな」

 それを聞いたエイドは、冷笑するのだった。

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