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リヒト・フェアローレン  作者: ネコしゃもじ
修行

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10/12

二人の<神の称号>持ち

 ーネロの家ー

 夕暮れ時、戻ってきたネロが家の戸を開ける。

「よう戻ったぜ」

「ああやっと戻ってきたんですか。まったくどこ行ってたんですか『私達を置いて』」

 最後の部分を強調し、不機嫌そうに話すシス。

「すまん。フレアの事で伝えなきゃいけない奴がいたからな。そんで、高原になんか軽く空いてるしそこにフルグライトができてるんだが、なんかの雷魔法撃った?」

 ネロは転移した時に高原の方が気になり、そこを確認していた。

「ええ確かにフレアさんが使いました」


 ーネロがインフェスの所に転移してからしばらくたった頃ー

 フレアとシスは魔法で机と椅子の代わりとなる岩を創り出し、魔導書を読み漁っていた。そこで気になる魔法を試し撃ちをしていて、そのうちの一つが<雷撃尽滅(ライジュノス)>だった。ちなみにフリーナは魔力が枯渇していた為、すぐそこの木陰で休んでいた。

「フレアさん、次はどれを試すのですか?」

「そうだなぁ、これにするか」

 フレアは立ち上がり、200メートルほど離れた所にサイドチェストのポーズをしたマッスル像を創り出した。それを見て『なにあれ?』と思うフリーナとシスだった。

「<雷撃尽滅(ライジュノス)>」

 象の頭上に魔法陣が展開し、辺りが暗くなり呆然と見つめるフリーナと何かに気づくシス。

「<雷撃尽滅(ライジュノス)>ですか。……え?」

 あれ? 確かフレアさんって、<無魔素魔法(ノンエタル・マジック)>で双詠破棄の初級魔法で上級以上の威力を出したから詠唱破棄の上級魔法、それも上級魔法の中でも特に威力の高い<雷撃尽滅(ライジュノス)>を使ったら……。

「っ⁉ フレアさん待っ……!」

 制止しようと飛び上がるシス。しかし時すでに遅し。魔法陣から像に向かて太い稲妻が直撃する。閃光があたりを包み、雷鳴が轟く、それは宛ら神の裁きのよう光景だった。そして、そこに残されたのは穴ととフルグライトだった。


「て事がありました」

 説明し終えるシス、それに納得するネロ。

「なるほどなぁ、あん時の音はそういう事だったのか。二人は?」

「二人なら書庫にいますよ」

「書庫か…」

 ーネロの書庫ー

「っ~///」

 書庫ではフリーナが顔を赤くしてとある本を読んでいた。そこにフレアが覗き込む。

「フリィ何読んで…ってちょ、おまなんでそれ読んでんだよ⁉」

 フレアが本を取り上げる。

「あ…むぅ…なんで読んじゃダメなの⁈」

「それは…その…とにかく読むならもう少し経ってからか、隠れて読め……」

 フレアは本をある程度離れた所の机に置いた。

 触手物か…シスもそうだが頼むからそういうのに目覚めんなよ。俺みたいに……。

「フレアってホント優し!」

「別にそういうのじゃねぇ」

 急に語り掛けるヴァニスに照れ隠しで返すフレア。するとネロがやってきた。

「なんだ~? その本を読む為にここにいるのか?」

「ちげぇよ。つかなんでエロ漫画があるんだよ!」

「あぁ、それはだな、アレフが送ってくるんだよ。見たこともねぇ書物だったからここに置いておいた」

「まじでアレフってやつナニモンなんだよ」

 赤面したまま呆れるフレア。

「てかお前それ嫌いか?」

「いや普通に好きだけど、あいつらがあばずれビッチにでもなったらと思うとな…」

「母親かなんかかお前。つかお前ら昨日会ったばかりだろ、仲良くなるの早いな、朝二人共お前にひいてたのに」

 すると、急に真顔になるフレア。

「まぁいろいろとな」

「そうかいろいろか」

 すると、フリーナが本棚からひょこっと顔を出した。

「ねぇフレア、あれ? ネロさん帰ってきてたんだ」

 フリーナが居た所は、フレア達の声量だと聞こえなかったために気が付いていなかった。

「ちなみにこれ読んでたのはフリィな」

「ちょっ⁉ それ言わなくていいじゃん‼」

 恥ずかしくなり、顔を赤らめるフリーナ。そして、それを聞いたネロは興味深そうにしていた。

「雪女って精霊寄りのはずなんだが、魔物の要素もあるから性欲が強いのか」

「ほーん、だからフリィはこれに夢中になってたのか」

 フレアはにやつき、不満そうな表情を浮かべるフリーナ。

「んでフリィ、何が聞きたかったんだ?」

「あっ、そうだった。<称号>ってなに?」

「さあ? わかる?」

 急にネロに話を振る。それにネロは<称号>について説明した。

「……!! ねぇ、私も授かるかな⁈」

「あーどうだろうな?」

 するとヴァニスが表に出てきて後ろからフリーナの両肩に手を置き、左肩から薄ら笑いを浮かべる顔を覗かせる。

「こういうのは? <性なる雪精>。ちなみに聖女とかのじゃなくて性欲の方ね」

「だからそういうのじゃないってば!」

 不満げに頬を膨らませるフリーナ。すると、フレアが表に出てきてネロを見つめる。

「おん? 俺の顔になんかついてんのか?」

「……<海地暴君(ポセイドン)>」

「っ⁉」

 思わず目を見開くネロ。

「ポセイドンってギリシャ神話だっけ? その本に出てきた神様だよね?」

「ああ…そうだ」

 フリーナの問い答えるネロ。そしてネロはフレアに問う。

「フレア、なぜわかった?」

「あーなんでだろう。見た瞬間分かったんよ」

 淡々と答えるフレアとは反対に動揺するネロ。ふと、フレアの前髪で隠れていた右目と目が合った。すると、突然の頭痛がネロを襲う。

「くっ⁉」

「えっどうしたの⁈」

 心配そうに問うフリーナ。すると、シスがやってきた。

「おや、皆さんお揃いでって、どうしたんですか⁈」

 ネロは頭を押さえながら制止するような仕草をした。

「はぁ、治まった」

 フレアの右目、普通の魔眼じゃないな、まさか。

「……フレア、ついてこい」

 二人は奥が見えないくらい深い、洞窟の入り口の前に移動した。

「この先にゴブリンの群れがいる。そいつらを殲滅して、捕まってるやつがいたら開放してやれ」

「あんたが行けばいいだろ」

 ネロに疑問を投げかけるフレア。

「本来こういうのは俺が関与すべき事じゃないが、お前の魔眼を試すのにちょうどいいからな」

「魔眼? 俺の目が?」

 フレアは右目に手をかざし、問いかける。

「さっきのが関係してる感じか?」

「そうだ。そんじゃ、行ってこい。っとその前に」

 ネロは、懐から貝殻の様な物を取り出し、フレアに投げ渡した。

「なにこれ貝?」

「それを中心に範囲内の事象を観測できる<魔道具(アーティファクト)>だ。それを持っていけ」

 そしてフレアは、火の玉を松明代わりとして、洞窟の奥へと歩み始めた。

「……暗いなあ、怖いなぁ」

 思ってもいない事を口ずさみ、奥へ奥へと進む。すると、ある程度開いた所へと辿り着いた。そこには大量のゴブリンと、服を破り捨てられた女の人達が凌辱されていたり、虚ろな表情で横たわっていたりしていた。すると一体のゴブリンがフレアに気づき、それに続いて他のゴブリン達がフレアに接近する、そしてフレアが入って来た所からもゴブリンが接近する。

 やっぱ後ろにもいたか。つーかキモい顔してんなほんと。……魔眼か……とりあえずあれでいいか。

 フレアは前髪をたくし上げて、右目でゴブリン達を見つめる。すると、ゴブリン達は動きを止め、しばらくするとゴブリン同士で殺し合いを始めた。フレアの後方にいるゴブリン達は、魔眼の効果を受けたゴブリンと目を合わせた瞬間、同様に同士打ちし始めた。

 一方、洞窟入口付近。

「うん?」

 ネロは、こちらに近づいてくる存在に気づく。

「……っ!」

「やっほ! 直接会うのは久しぶりだね!」

 姿を現したのは、フレアが成人直前の少女のような容姿をした、明るそうな少女だった。

「なんの用だ? アレフ」

「別になんでもいいでしょ? それよりもフレアを一人で行かせてなにをしてるの?」

「魔眼の効力を知る為にな」

 ネロは、フレアに渡したのと同じ貝殻のような物を取り出し、その上に映像を映し出した。そこには、殺し合うゴブリン、転がるゴブリンの死体、真ん中に佇むフレアが映っていた。

「これって、邪眼じゃない?」

「邪眼…ああ、さらに質の悪いやつか。確かにそうだな」

 アレフの言葉に肯定するネロ。突如、アレフがフィンガースナップをした。すると、ゴブリンが逃げるように洞窟の中から勢い良く飛び出し、落雷が直撃した。

「なんだ、ゴブリンが逃げてきたのか」

「あっネロ、映像観て」

 映像では、フレアがこちらを見ていた。

「二人で観てるな。まぁいいか」

 フレアはフィンガースナップをし、その瞬間音が反響し、全てのゴブリンの頭部が破裂した。フレアは、気を失った人達の中に一人だけフレアを見て怯えているのを見つけた。

「ひっ⁉ あ…ああ……」

「別になんかしようって訳じゃねんだけどな」

 すると、ネロが背後に転移してきた。

「ここに救出に向かってきてる奴らがいる。俺達は撤退するぞ」

 ネロとフレアの二人は崖の上に転移した。

「おっきたきた」

 二人に気づくアレフ。すると、フレアがアレフに指をさしてネロに問う。

「誰?」

 突如、アレフがフレアに抱きつく。

「フレア久しぶり~! 相変わらず可愛いんだから~! って、あそっか、記憶ないんだっけ? それじゃ、もう聞いてると思うけど、私が『アレフ』だよ」

「ああ、エロ漫画送ったって奴か」

「あっ! もう読んだ? あのシチュいいと思うでしょ?」

 すると、ヴァニスが話しかける。

「なんていうか…思ってたのと違うんだけど……」

 ああ確かに、まさかこんな感じの奴とはな。うん…? <天統主(ゼウス)>……えっまじ⁈

 アレフの胸を顔に押し付けられて抱かれたまま、アレフの<称号>に驚くフレア。すると、アレフがネロに話しかける。

「あっ! お客さんみたいだから戻ったら?」

「え…? あっ本当にきてんじゃん。それじゃあ…」

「まって、少しフレアと一緒にいてもいい?」

「え? ああいいぞ。そんじゃ」

 ネロは転移した。

「俺の意見は聞かねえのかよ」

「まあいいじゃん! ねぇ、裏にいる子にも会わせてよ!」

「なんで知ってんだよ。まあいいか」

 <天統主(ゼウス)>だから分かったのか?

 その瞬間、ヴァニスに切り替わる。

「え…あれ…⁈ ちょっとフレア⁉」

 すると、アレフがヴァニスに顔を近づける。

「へぇ…フレアと一緒で、可愛い!!」

 ヴァニスを犬猫のように愛でるアレフ。

「んあ~!」

「あそうだ! フレアに変わってついてきて」

 アレフは<次元亜道(ゲート)>を発動し、裂け目の中に二人は入っていた。

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