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ミッドフィルダー タクマ ~強豪校のエースが田舎の学校でサッカー始めました~  作者: 或 真土
ミッドフィルダー タクマ ~勝ち残れ!北海道大会Aブロック編~
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SCORE 05 VS ALLIANCE

 このサイトには「寝取られ」とか「追放」とか「復讐」とか「ざまあ」とかネガティヴなな感情を誘発するワードを使う危険な輩がいるというのにどうして浣腸じゃ駄目なんだ⁉浣腸は薬だぞ、身体に良いんだぞ⁉浣腸が人間関係を悪化させたり、誰かを傷つけたりするのか⁉不倫とか暴力とかそういう反社会的な行為を誘発するような言葉なんかよりもずっと浣腸の方が綺麗じゃないか。浣腸を否定するようなヤツはこのサイトに入る資格はない。即刻この作品にいいねと感想とブクマを残して、消え去るがいい。戻ってきたらまたいいねとか入れてくれよな絶対だぞ⁉

 土曜は新・オタモイ高校の初試合の日。

 梶原、大川、長沢、花園の四人は医療用具などを買う為に地元で一番大きなショッピングモール「マイカル小樽」に向った。いや違ったイオン小樽築港駅前店に向かう。

 花園に命じられるままに和気あいあいと買い物をする一同の前に、ライバル校岩見沢高校のサッカー部の部員たちが現れた。主将の鬼小島は品定めするように、タクマと長沢を見る。

 「ハンドボールの長沢と、例の落ちぶれエースを部員に引き込んだか。やるじゃないか。お前を過小評価していたよ、大川」

 鬼小島は嫌味たっぷりに言う。だが他の部員たちは緊張の面持ちを崩さない。なぜなら鬼小島の許可無くこの場で言葉を発しようものなら後で制裁を受けるに違いないからである。

 「相変わらず暴力で他人を支配しているのか、鬼小島」

 「フン。完全なチームとは一糸乱れぬ統率をもって完遂するのだ。それがわからぬうちは、どれほど人を集めようとも無駄な事。今の貴様らは烏合の衆にすぎん」

 と大川を鼻先で笑い飛ばす。彼らは中学時代、同じ学校に通い、共に全国を目指して切磋琢磨する仲間だったのだ。少なくとも大川はそう信じている。

 「俺のおかげで札幌の、あのチンケなサッカーチームは全国に行けたんだ。次は初の北海道勢として優勝してやる」

 鬼小島の瞳の奥では野心という仄暗い炎が燃えていた。


 こいつらアタマおかしいよ。試合前に何で喧嘩してんだよ。試合前喰らい仲良くしろよ。ああ、これだからオタクってやつはスポーツってものを履き違えていやがる。いいかスポーツってのはただ争うだけじゃない。ルールという縛りを自分たちに科して、どこまでポテンシャルを引き出せるとかそういうものも含めて競ってんだ。オタクどもはやれ精神論は前時代的とか言うけどよ、だったら何の準備も無しにどうやって試合前に100パーの状態に持って行けるってんだよ。まあ下手に全力になると人間怪我するからな。学生時代致命的な怪我をしてるのは、そういうのを理解していない連中だ。だから精神論でさらに強い縛りを作って無理をせずに体力を限界までするトレーニングをしなきゃなんないんだよ。わかったか?情弱のオタクども。ああ、こんなんだから景気が良くならないし、学マスの限定ガチャ引いてもロクなのが来ないんだ。そもそも俺にはオタクどもと違って、友達一人もいないから同人誌だって作れないんだ。俺は可哀想なんだ。もっと俺だけを特別扱いしてくれ…。ブクマ、高評価、いいね、ヨロ‼






 恒例のおまけ小説「斬光のエスペランザ」が始まる。エスペランザはあくまでおまけ、本編は浣腸の話だから勘違いするんじゃねえぞ…。


 PHASE 02 ACCIDENT

 

(いつの間にか尾行されていた!?)


 リリは全身から滝のような汗を流す。

 声が出なかったのは彼女の胆力が強かったからではない。単に驚いて口を開く事さえ出来なかっただけの話だ。


 「よく気がついたな。もしかして学生か?良い勘をしている」


 人型戦車クワドリガの双眸がリリのハウンドカスタムを注意深く観察する。


 男の声が通信用のスピーカーから聞こえてきた。

 

 こいつは少なくとも仲間ではない、――リリとて共用の通信チャンネルを開いてはいるが、謎の人物は強引なクラッキングで通信回線をこじ開けてきたのである。

 おそらくまともな人間ではない。


 「アー、アー。マイク、テス…テス。こちらは”ダマスカス”の義勇軍所属、ふじわらしのぶ中尉だ。すまんがネズミ君、おとなしく捕まってはくれないか?」


 人型戦車のコックピットの中で男は笑う。逃げ惑う獲物の姿を見て喜ぶ肉食獣のそれによく似ていた。


 「ダマスカス!?」


 リリは思わずその都市国家の名前を口走ってしまう。

 遠方の軍事国家ダマスカス、ルシタニアのような判事類同盟、或いはリリたち自治都市連合にも属さない金さえ払えばどんな汚い仕事でも請け負う国と民たち。

 ダマスカスの尖兵たる人々が所属する義勇軍という組織はやや自虐的な通称でもある。


 「おい。市民憲章って知ってるか、コヨーテ」


 リリは侮蔑の意味を込めてそう言い切った。彼らの目的はおそらく遭遇したQDを先頭不能に追い込み、機体をバラバラにして回収する事だろう。ダマスカスの軍紀が緩いのは周知の事実だ。

 


 リリにとっては何よりメカニックの端くれとしてそういったゴミアサリ行為が許せなかった。


 「コヨーテとは酷いな、キミ。せめて軍用犬ウォーハウンドと呼びたまえ」


 どこまでも守銭奴な彼らの声はリリの神経を逆なでする。


 「知っているさ、お嬢さん。歴史の授業でちゃんと習っている。何者も個人の自由を侵す事は出来ないとか、そういう話だったな」


 ふじわらしのぶはそう言ってから操縦レバーを握り直す。

 彼の意思を受けた人型戦車クワドリガが手に持った重斧剣フランキスカでハウンドを薙ぎ払った。


 「‼」


 直撃を嫌ったリリはレバーを倒しつつ、フットペダルを踏み抜いた。

 ギアボックスが起動して後方にホバーダッシュする。

 かなりのエネルギーを擁する行動だったが、ハウンドカスタムに重量級人型戦車8クワドリガ)と戦うだけの力は皆無だった。

 敵機のサーメットを被った古代ローマの衛兵のような頭部に向ってショックガンを撃つが、全てガードが間に合ってしまう。


 「魚鱗装甲スケイルも使う必要ないってか。舐めやがって」


 悪態をつきながらリリはさらに後退する。

 だが建物内部にはルシタニアの兵隊がいるので内部に逃げ込む事は出来なかった。


 「中尉殿。どうせ大した金は出ないんだ。さっさと殺しましょうや」


 ダマスカスの主力人型戦車クワドリガ、「オルトロス」の一体が手負いのハウンドに銃口を向けた。瞬使用対象の前方に向って時に展開し、幾重もの透過性硬質クリスタルで守護する無敵の装甲版シールド。それが魚鱗装甲スケイルであり人型戦車の標準的な防御手段だった。

 それを両手で展開して、リリは大型徹甲弾を弾き飛ばす。

 並みのスケイルならば盾ごと吹き飛ばされていたところだったが父親が親心で持たせてくれた特製の装甲は思いの他硬かった。

 着弾時に硬質化した人造クリスタルの欠片を散らばせ、ハウンドカスタムは一足飛びでオルトロスを肉薄する。


 「ガキがッ‼」


 オルトロスもまたギアボックスを起動させて、普段は背部に収納しているサブアームでハウンドカスタムの持つナイフを受け止めた。


 (位置取りが上手いな。されは玄人か?)


 ふじわらしのぶは他の仲間と共にハウンドの周囲を取り囲むように移動する。

 後は背後からハウンドをハチの巣にすれば問題は無いのだが、味方がいるのでそうも出来ない。


 「おい、チャーリー。チームプレーはどうした。”一人はみんなの為に、みんなは一人の為に”だろ?」


 小隊最古参の兵士オブライエンが皮肉っぽく”ふじわらしのぶ”と名乗る男を嗜める。

 彼は極めて優秀なパイロット技術を有するが、人格は幼く未熟なものだった。


 「説教なら後にしてくれ、先輩。じゃなくて爺さん。こいつを鹵獲してからルシタニアと一戦やらなきゃいけないんだぜ?」


 そう言ってチャーリーの乗るオルトロスは銃口を下げた。

 悔しいが老兵の判断は極めて正しい。ルシタニアの兵士の個々の技量は恐れるべきものではないのだが、物量と通信においては少数精鋭を旨とするダマスカスの傭兵では到底敵わない。


 「本物の中尉の到着を待つべきだったな、新入ルーキーり。嫌がらせはほどほどにしておけ」


 そう言ってオブライエンは背中を晒す味方の機体に一発撃ちこむ。


 (コイツ、本当に撃ってきた!?)


 オレンジ色の閃光に包まれる中、リリは前方に魚鱗装甲を展開。

 視界が一瞬遮られるという短所は既に想定済みだったので、逃走の必要な距離を稼ぐ事に成功する。

 オブライエンは僚機が健在である事を確認した後、廃屋の中に突入する。


 「ただの練習機ではあるまい…」


 バリスタと呼ばれる熱線レーザーライフルのカートリッジを交換しながら後方を覗く。

 地面に座り込んだオルトロスが、フォローに入った味方に手を借りて立ち上がっていた。


 「ロジャー、災難だったな」


 「ええ。これはもう天然物の煙草をワンカートンくらいプレゼントしてもらわないと」


 ロジャーと呼ばれた若い兵士は操縦席の足元の方にあるコンソールを操作しながらオルトロスの怪我の具合をチェックする。

 本体と背部ギアボックスには異常無し、外装が少し剥げたくらいだ。


 「俺の安月給じゃ天然物は無理だな。無煙のスモーキー・ガムで許してくれ」


 オブライエンは談笑しながらチャーリーとロジャーを待つ。三人一組スリーマンセルでのまとまった行動は中尉から受けた目入れの中でも最優先事項だった。


 「ひっでえな。それ会社の支給品じゃないですか」


 ロジャーは給与と一緒に配られる味気ないタバコ風味のチュ―イングガムを思い出して落胆する。

 傭兵家業は命を賭けた仕事だが、報酬はかなり少ない。

 近年において都市国家同士が交わした不戦協定のせいで仕事が激減している。

 さらに都市の軍縮も重なって十数年前の好景気が懐かしい。

 だが、それらの状況に反して都市国家同士の特に人型戦車の技術競争は年々激化して特に他の都市の所有する人型戦車の生きた技術は高値で取引されていた。


 「あの”ハウンド”は見かけこそ汎用練習機だが、中身はかなり改造されている。しかもジェノバのエリート養成機関”フォートレス”の校章付きとくれば、かなりのプレミア品だぜ?」


 チャーリーは下卑た笑いを漏らす。

 彼は食うに困らない程度の中流階級出身だが、給金の取り分にはうるさい性格だった。


 「そうか。ならパイロットは殺さなければならないな」


 「死人に口なしってね」


 オブライエンとロジャーは揃って剣呑な物騒な事を言う。

 他都市の技術の盗用は重罪に相当するが被害届が出されなければ罪に問われる事は無い。

 つまり中立地帯で偶然廃棄されていた人型戦車を運んできたと上司に説明すれば、ある程度は口止め料を持っていかれるだろう。

 だがかなりの報酬が期待できる事には違いなかった。


 「中尉殿は潔癖症だからな。さっさと仕事を終わらせよう」

 

 こうしてオブライエンたち三人もまた廃屋に突入する。

 この時、佐々木リリは人生で何回目かの最大の危機を迎える事になった。

 

 広大な空間の中、リリはようやく休めそうな場所を発見する。

 そこはかつて人工知能側の領土だったコーカサスという都市の一部だった工場の一区画だった。

 QDクワドリガの背丈ほどもある廃資材の物陰にまで移動してからハウンドカスタムを止めた。

 

 そしてハウンドカスタムの左膝を地面につけて屈ませる。

 自分は希代から降りて背部のギアボックスの点検を行った。


 「エネルギーかなり使っちゃったな…」


  リリはオレンジ色に明滅するパネルを見ながらため息を吐く。

 先ほどの敵勢力との接見で、もう歩いて帰るほどのエネルギーは残っていなかった。

 

 「バッテリー代、高いのよねえ…」

 

 リリはギアボックスのカバーを閉じるとコックピットに戻り、ハウンドの電源を落とした。

 ギアボックスは基本的に半永久的な動力機関を有するのだがこうして身体を動かさずにじっとしている時間が必要となる。

 そもそおギアボックスは未だに再現不能なオーパーツの集合体で、それらを統制コントロールする機械に使われているのは材料も部品も満足に用意できない現代の技術で精製された代物だった。


 「エンジンの熱でパーツが溶けていないだけマシかぁ…」


 リリはお気に入りの花柄のついた円筒型の水筒を開けてスポーツ飲料を飲む。

 最悪の心象が作用した事が原因か、少しばかり苦い。


 (前門の虎、後門の狼ってか。投降するっても無いわけじゃないけど、この子を手放すのは惜しいんだよね)


 リリはコックピットハッチを開けて愛機を眺める。

 ハウンドカスタムのフレーム部分はパーツの組み立てに始まって、試験運転、塗装まで自分だけでやった思い入れの強い機体である。

 正直、他人にくれてやるつもりなど毛頭ない。


 「きっと父さんなら命あっての物種とか言うんだろうなあ…」


 ジェノバで自動車工場をやっている厳つい顔をしている父親を思い出して苦笑する。


 コンッ。


 その時、外でハウンドカスタムに何かが当たったような音がする。

 石の類だろうが、建物が崩落した形跡はない。

 リリはゴーグルを下げて周囲を見渡した。


 「ここよ、ここ」


 若い女性の声だった。

 ハウンドの目の前に、リリが見下ろすような形で薄汚れたマントを羽織った少女が立っていた。


 「誰、アンタ?」


 リリは動揺を隠しながら腰のベルトにつけられた拳銃を取り出す。

 リボルバー式の骨董品で、一発目は空砲だった。


 「待って。アタシは敵じゃないよ、巨乳のお姉さん」


 少女はリリの胸部を指さしながら言う。

 リリは思わず赤面しながら反射的に見事な双丘を隠してしまった。

 リリの父親は主に軍学校の人型戦車の発注に関わっていたという設定。

 頑張ってピクシブ辞典とか読んで銃と車の用語、覚えています。

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