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妹姫のお悩み相談

フランチェスカ・ダ・リミニは第2王女コーラルの親友である。


その親友が悩んでいると言うのでコーラルはどうしたものかとうんうん唸っている。


姉のパールなら良い案が浮かぶかもしれないけれど、1番上の兄がどうしようもない御方なので本来ラート兄様がやるべき仕事をシュナ兄様とパール姉様が分担してこなしている。


そんな忙しい兄様姉様達の手を煩わせたくはないので聖女様に会ってみようかと思っている。


聖女アノンはコーラルの家族より遥かに忙しいので、最近来たと聞いた余り物の方に話を聞いて貰う事にした。


「余り物…。そんな風に呼ばれてるんだ、わたし」

「失礼だぞ、コーラル」


聖女の部屋には双子の弟のジュナがいた。最近母様が体調が優れないと言っていたのを気にして聖女から聖水を貰いに来たらしい。


「実際、国に庇護を与えたり世界を守ったりしているのはアノンさんの方で、わたしは温泉に入ったり美味しいものを食べたりしているだけだし。そう思われても仕方ないから気にしてないわ」


ラート兄様は彼女を「肥え太った家畜の様な女」といつもティアナにこぼしているけれど、コーラルが見た彼女はそんな風には見えない。

乳母のばあやを思い出して、なんだか落ち着く。


「フランチェスカさんは何を悩んでいるの?」

「フランチェスカには姉妹がいるの。その姉妹がね、最近フランチェスカのふりをして我儘放題していて困ってるって言っていたわ」


アナスタシア・ミスキナ・ダ・リミニ。


フランチェスカの母親違いの姉妹。誕生日は1日違いの同い年で、リミニの家に迎え入れられる前は下町で暮らしていたコバルトブルーの髪をした子だったとコーラルは記憶している。


きっと貴族になって浮かれているのねと思ったけれど、フランチェスカのふりをし始めたのはふたりが姉妹として認められて3年が経ってからの話。

それまでは、コーラルの兄弟姉妹達の様に仲が良かった筈。どうしてそんな風になったのか分からないとフランチェスカは困っていた。


「その時期に、変わった事とかは無かったの?」

「特に変わった事は無かったと思うわ」


コーラルが言うとジュナが呆れた顔で言った。


「ティアナ嬢の兄上のアルフォンソ衛兵長と婚約話が持ち上がっていたじゃないか」

「そうなの?!わたくし、全然知らないわ?!!」


コーラルはいつもぼんやりで、人の話をなんとなくで聞き流している。特に恋愛の話は苦手で、その手の話が持ち上がった時は頭の中ではじめて勉強で褒められた事やダンスレッスンで上手くいった時の事を思い出して話が入らない様にしている。


まさか、親友の一大事だったなんて。


「ああ、恋愛小説とかで良くある妹が姉の婚約者を奪おうとする〜、みたいなヤツね」


聖女は「コーラルちゃんの親友、と言う事は同じくらいの年齢よね?随分とませてるわぁ…」と呟いた。

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