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ダメ女のエール ~笑顔のキセキ~  作者: F'sy
第四章・闘病
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隔離・三日目

 この病室へ来た晩から違和感を感じていた奥歯のあたりが、じんじんと痛み出してきた。左の頬に手を当てると、少し腫れているのがわかる。抗ガン剤とは関係ないと思っていたが、一応先生に話してみることにした。

「先生、なんか歯が痛い……」

「え? ちょっと見せて。……あ〜、だいぶ腫れてるなぁ。いつから?」

「一昨日ぐらい……」

「一昨日? なんでもっと早く言わないの!」

「すいません……」

「熱が下がらないのは、これが手伝ってるせいもあるね。もうちょっと見るから、口開けて」

 言われるままに口を開く。

「出切ってない親不知おやしらずのところ、炎症起こしてるね。治療したいけど今はできないよ、白血球数が少ないから。数値が戻ったら、被さってる歯茎を切るか、親不知自体を抜くか……」

「……抜くの、やだ……」

 反射的にわがままを言ってしまう。治療を始めてから、変な癖がついてしまった。

「まぁどっちにしても、数値戻ってからだね。とりあえず、痛み止め飲んどこうか」

「……それ、なんか副作用ある……?」

「ないよ。ただの痛み止めだから」

「良かった……」

 苦痛が和らぐなら、もう薬がどれだけ増えようが構わない。

(でも、今度は歯の治療か……。はぁ……)

 痛む奥歯を頬の上から押さえ、今日もまた長いため息をついた。

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