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ダメ女のエール ~笑顔のキセキ~  作者: F'sy
第三章・発覚
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結核……?

 最近、背中が痛い。息を吸うたび痛む。

 痛みは日ごとに広がってゆき、初めは部分的だったものが背中全体、さらには肩や首にまで広がってきた。まるで刃物で刺されているような、鋭い痛み。心配になった私は、仕事を休んで近くの病院へ向かった。


 診察室に呼ばれ、伝えられるかぎりの症状を医師に話す。「写真を撮りましょう」と言われ、X線検査室で胸全体の写真を数枚、体の角度を変えながら撮る。撮影が終わり、何事もないことを願いながら待合室の硬い椅子に腰掛けた。

 しばらく待ったのち、同じ診察室に呼ばれた。医師の机の前のボードには先ほど撮ったX線写真が貼り付けられており、ボードが放つ白い灯りが私の胸の内側を浮かび上がらせている。医師は写真の一部分をボールペンで指しながら、事務的な口調で言った。

「肺のここ、影がありますね。総合病院の呼吸器内科を紹介しますので、そちらで診てもらって下さい」

 大きな封筒に入ったX線写真と紹介状をもらい、翌朝指定された病院へ行った。そこでは〝結核の恐れあり〟と診断され、何日かに分けて血液検査やCT検査をおこなった。


 激しい咳、感染、隔離──。結核と聞いて、私がイメージしたもの。そんなことになったら、どうやって生活していけばいいんだろう。隔離などされたら、子供たちの世話を父ひとりに任せることになってしまう。それに、私も子供たちと接することができなくなる……。

 それに、シュウ。付き合い始めたばかりで会えなくなれば、絶対に別れてしまう。やっと掴みかけた幸せも、こんなに早く終わりを迎えてしまうのか……。

 結果も出ていないのに、私はもう結核だと決めつけていた。


 数日後、検査結果を聞きに病院へ行くと……結核ではなかった。とんだ取り越し苦労だったが、ひとまず安心した。

 しかし明確な病名は判明せず、もう少し検査を続けることになった。それに対しての不安はあったが、結核ではなかったことが重い病気ではないと私に思い込ませていた。


 ひと月、ふた月と過ぎてゆき、時の経過とともに痛みが周期的になっていったことで、だんだん体が慣れてしまっていた。

 そこで気付いたのが、その周期が決まって月に一度、約一週間続くこと。……生理と重なっている。深刻に考えなくなっていた私も、最近よく耳にする女性特有の病気を疑い始めた。

 医師にそのことを話して関連する検査もしてもらったのだが、依然としてはっきりとした病名はわからず、なぜか来院の頻度も減らされていった。私は一抹の不安を抱えながらもそんな病院に嫌気がさし、この病院の初診から三ヵ月が過ぎた頃には通院をやめた。

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