月の約束
長い文章なんて仕様書や設計書くらいしか書いたことがありません。
これって小説になっているのかな?と首をかしげつつ、気の迷いと勢いで投稿しました。
いろいろなアレは大目に見てください。
エンリリアが、まだ未開の地であった時代。
この地には数多くの部族が散在しており、互いに諍いや領地の奪い合いを繰り返していた。
族長の息子アルディウス。
子供のころ、領地にある森が彼の遊び場であり、学び場であり、鍛錬の場であった。
彼の身体はしなやかで健康で、彼の心は子供らしい夢と希望に溢れていた。
ある日、アルディウスは森で傷ついた小さな魔法生物を拾った。
彼はそれを家に連れ帰り、手厚く介抱し、傷を癒した結果、魔法生物は森に帰れるほどに快復した。
魔法生物はルナエルと名乗り、アルディウスに深い感謝の意を示し、自分は古代精霊であると告げた。
「大きくなって志を立てたら、永遠の森の中心にある古代神殿を訪れなさい。私はそこにいます」
とルナエルは語り、二人は再会の約束を交わして別れた。
年月が流れ、アルディウスは成長し、彼の心には、この地を平定して他部族との争いを終結させ、国を建てて平和をもたらしたいという大きな夢が芽生えた。
彼は、ルナエルとの約束を忘れたことはひとときとしてなかった。
今こそ志を立てる時だと決意したアルディウスは、永遠の森に住むルナエルを訪れることにした。
永遠の森は、彼の故郷の森とはまるで異なっており、未知の生物や魔法の力に満ちていた。
アルディウスは数々の困難に遭遇したが、ルナエルとの約束を果たしたいという彼の決意は、彼の勇気と冒険心に支えられて彼を導いた。
そしてついに、アルディウスは永遠の森の中心にある古代神殿に辿り着いた。
神殿には、銀色の髪と月のように輝く瞳を持つ美しい精霊が待っていた。
「待っていましたよ、アルディウス。志を立てたのですね」
「私は、新しい国を興す力を求めてここに来ました。しかし、ただそれだけのために来たのではありません。ルナエル、私はあなたと友情を築きたいと思っているのです」
ルナエルは、アルディウスの言葉に驚きながらも、彼の真摯な瞳を見返し、微笑んで言った。
「人間と精霊が友情を築くことは難しい。しかし、あなたの心には誠があります。あなたが私を助けてくれたときも、あなたの魂はそのように美しかった。あなたとならば友になりたいと私も思います」
アルディウスとルナエルは、古代神殿の中で長い時間を共に過ごし、お互いのことを知り、深い絆を結んでいった。
ルナエルは、アルディウスに加護と魔法の力を授けることを決意した。
「誓約を交わしましょう。エンリリアの未来と私たちの永遠の友情のために」
1. アルディウスとその子孫は、授かった加護と魔法の力を悪しき目的で使用してはならない。
2. エンリリアの地が危機に瀕したとき、アルディウスとその子孫は国を護るためにルナエルを呼び出すことができる。
3. アルディウスとその子孫は、命が終わったら、その魂は永遠の森に留まり、エンリリアを守護する。これにより、エンリリアは永遠の森と深い絆を持つ。
ルナエルは一本の美しい杖を彼に差し出した。
「これは『ヒュアスの杖』。古代精霊の力が宿っています。この杖を持つ者は国を導く力を持つでしょう。アルディウス、あなたの魂の純粋さを感じます。この杖を託すのにふさわしい」
アルディウスは杖を受け取り、その重みと信頼を感じて、決然と宣言した。
「ありがとうルナエル、私はこの杖に恥じない平和で豊かな国を創ると誓いましょう」
ルナエルとの友情を胸に、領地に帰ったアルディウスは、建国に向けて精力的に他部族に働きかけた。
古代精霊より授かった大いなる加護と魔法の力、そして彼の熱い志により、多くの部族が彼のもとに参集した。
彼らは部族同士の争いを終わらせ、アルディウスのもとエンリリアを統一し、この地に平和をもたらすことを誓った。
ここにエンリリア国が建国され、アルディウス・レオナルト・エンリリアは最初の王として即位した。
建国王と古代精霊の友情は、建国伝説として永く語り継がれることとなる。