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第18章 権化

何とか前回よりは読みやすいと思います。

 巨大な圧力の塊だった。

 すさまじい衝撃と音が襲いかかってきた。

 目の前が巻き上げられた煙で真っ白になった。

 でも、

 僕自身なぜそうしたのかは分からない。

 僕は両手を前に突き出して、力を思いっきり込めた。

 対抗するかのように。

 そして、

 

 煙が晴れてきた。

 目に前には、体全体で恐怖を表現している構成員達の姿があった。

「ば・・・・・・化物・・・・・・化物だぁ!」

 誰かが叫んだのを皮切りに、

「撤退だ!撤退!!」

 構成員達があわてて逃げ出した。

 僕は逃げる構成員達一人一人に手刀を食らわせた。

 結構・・・・・・遅かった。

「意外と楽しめたよ。じゃあね。」

 動くもののいなくなった通路を奥へ進んでいった。

 奥へと進む道の方はかなり煙が残っていたが、目をこらせば何とか見えないこともない。

 彼はまだ四人組のうちの一人と戦っていた。

 しょうがない。加勢しようか。

 握った銃をぶちかました。




 僕が発砲したことで、向こうの勝負は片がついたようだ。

 少し見渡して見る。

 三人の構成員が倒れていて、一人の構成員の両腕の自由を彼が奪っている。

 確かここにたっていたのは四人だった。ということは、

「これでめんどくさい戦闘はもう終わりだね。」

「そうだといいな。」

 彼が答える。

 彼は自由を奪っている相手にも話しかけた。

「なあ、おい。」

「何度も言っただろう。今更生き方を変えるつもりはない。」

「ああそうかい。」

 それだけ言うと、彼はため息一つついて首の後ろに思いっきり手刀をたたき込んだ。

 構成員はその場に倒れ込み、通路は静かになった。

「そういえばお前、どうしてたんだ。」

「通路の向こう側にいたけど。」

「それじゃあ、あれは。」

 彼は通路の向こう側に倒れている構成員の山を見ながら言った。

「全部僕が倒したんだけど?」

「なんだよそれは・・・・・・まあいい。」

 歩き出した。

「この奥が、恐らく最奥部だ。」

「なかなか長かったね。」

 通路の奥は、今までと同じような場所だったが、証明が薄暗く、部屋は一つしかない。

 彼は何も言わず部屋の扉を開けると、さっさと中に入ってしまった。僕も後に続く。




「待っていたよ。Y-001(・・・・・)

 中にいたのは一人の老人だ。もちろん他の構成員達と同じ服装をしている。

 先のセリフはその老人のものだ。まるで知っているかのような口振りだが。

 そうか。同じ組織にいたというのなら、おたがいに知っていたとしても不思議じゃない・・・・・・かも。

「Y-001って?」

「なんだね。まだ話していなかったのか。駄目な子だな。コミュニケーションはおたがい名乗るところから始まるといつも言っていたのに。」

「・・・・・・うるせえ・・・・・・」

 質問に反応したのは彼ではなく老人の方だった。

「Y-001。これは彼の名前だよ。」

「名前・・・・・・?とても名前のようには・・・・・・」

「そうだ。Y-001というのはただの識別番号。名前なんかじゃない。」

「おや?ここではその識別番号こそが名前だと言っていたはずだが?」

「ふざけてんじゃねえ。こんなものが俺の名前であってたまるか。」

「ふむ。もう一度教えなければならないようだな。ちょうど知らない者もいるようだからな。」

 老人は一人で勝手に説明を始めてしまった。

「さっきの会話で分かったと思うが、この組織には識別番号というものが存在する。識別番号はアルファベットと、三桁の数字で表される。

 アルファベットはG,R,A,Y、の四つ。これはそれぞれの持つ能力の種類を表す。

 Gは“指令塔(ジェネラル)”、状況判断ができる者。その他にも素早い思考ができる者。

 Rは“情報伝達(レスポンス)”、情報を伝えることに特化した者。その他に存在しない(ブラック・)技術(テクノロジー)を持つ者。

 Aは“戦闘要員(アーミー)”、戦闘に特化した者。その他に体力がある者。

 そして・・・・・・」

 老人はここでいったん言葉を切った。

「そして、Y。これは“型にはまらぬ自由人(ヨーマン)”だ。まあ能力で分かれると言っても、実際にはここにたいした違いはないがな。

 続いて三桁の数字。これは単純に組織の中での階級を表す。数字が小さいほど階級は上だ。」

「じゃあY-001だと・・・・・・」

「Yの中でも結構上って訳だ。まあ俺は途中で抜けたわけだから、今は別の誰かがやってるんだろうけどな。」

「ちなみにそれぞれのトップは000だ。000はチームリーダーとなり、チーム全体を指導する立場にある。」

「んでもってG,R,A,Y、のそれぞれのチームを総括していい気になっているのがこいつだ。」

「口が悪いな。こいつ、ではない。グレイ(GRAY)とよびたまえ。」

 グレイと名乗る老人は立ち上がった。それだけで周りのすべてが従っているような、不思議な感覚がする。

「俺たちは話をしに来たんじゃない。お前を止めるために来たんだ!もうこんな馬鹿なことはやめろ!」

「そうはいかない。」

 グレイは右手を彼にかざした。彼はさっと体をかわす。次の瞬間。

 ズガンッ!

 彼の後ろの空間が爆発した。

「わたしの邪魔をする者は、すべて打ち倒すのみ!」

活動報告って見ますか?

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