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第14章 突破

ちょっと長いですが気にしないでください。

 数十秒も走っていると、二つ目の門に着いた。

 既にそこは構成員で埋め尽くされていた。突撃だ。

 手加減不要。僕はすぐに手榴弾を投げつける。そのままでは爆発まではしばらくかかる。少し止まる必要がありそうだ。

 とそこで彼が懐から自動拳銃(今回作った武器の中で一番頼りにならない武器だ)を取り出した。それを今投げた手榴弾めがけてぶちかます。

 自動拳銃の先から鉄の弾(鉛の弾は用意できなかった)が飛び出す。鉄の弾は手榴弾の真ん中に命中。手榴弾はすぐに爆発した。白煙が通路いっぱいに広がる。

 敵は何も見えなくなってパニック状態。僕達はその横を悠々と通り過ぎた。

 走りながら会話する。

「へえ。」

「どうした。」

「いや、それはそういう風に使うために作ったのかって思って。」

 さっき使った手榴弾で僕達は少しも傷を負っていない。それは遠くて影響を受けにくかったというのもあるけど、飛んでくるすべての破片を指で捕まえていたからこそだ(爆発の熱エネルギーの方は範囲が狭いため少し離れていれば問題はない)。

 そういった身体能力に関しては僕達のレベルは普通の人の何倍、何十倍ある。しかし、程度はともかく相手が似たような能力を持っていないとは限らないのだ。

 だから僕は彼が自動拳銃を作ったのが不思議でならなかったのだ。反射神経や動体視力が上がっているような相手なら簡単に弾を受け止めてしまうだろう。

 人間にダメージを与える、ではなく、手榴弾を即爆発させる、ならば、かなり効果があるだろう。

「当たり前だろう。直接打つとでも思ったか。」

「そうは思っていなかったけど。でも使い道が分かってすっきりしたよ。」




 三つ目の門に着いた。一体いくつあるか分かりゃしない。

 また構成員が集まっている。

 僕達はかなり速く走ってきた。恐らくまだどうやって突破してくるか、という情報は伝わっていないだろう。

 僕は手榴弾を二つ取り出した。何となく二ついるような気がしたのだ。

 彼が自動拳銃を構えて発砲。片方の手榴弾に当たり、もう片方が誘爆する。

 こちらに向かってくる破片の量が二倍になったけれど、まだまだ余裕でさばける。

 煙の量も二倍になったんだけれども、パニックになる者はいなかった。

 一番手前にいた何人かはさすがに怪我をしたようだが、何せ人数が多い。

 気配を頼りに何人かが攻撃を仕掛けてきた。少し遠くで通信機を使っているような気配もする。

 こちらは相手の攻撃が見えたし、相手の攻撃はさほど早くなかったので攻撃は楽にさばけた。下手に力に反発せずに軽く受け流し、時には少し力を加えて向きを変えてやる。

 何とか突破できた。

 しばらく追ってこれないよう、後ろに手榴弾を置いてやる。目に入ったらしみる白煙が行く手を遮ってくれるだろう。

 戦闘中は何も会話をしない。しかし、走っている間くらいは会話をする余裕がある。

 珍しく彼が口火を切った。

「いきなりこのレベル差はなんだ。」

「全くだね。」

 一つ目、二つ目の門は不良に毛が生えたような奴らだったのに、いきなりレベルが違いすぎる。

「手榴弾、もう半分使っちゃったよ。」

「どうせ次からはほとんど意味ないだろう。別に構いやしないさ。」

「そうかもしれないね。」

「それにもう半分くらい突破しただろう。なかなかいいペースだと思え。」

「うん。」

「それよりも、次からはほぼ肉弾戦になるだろうから、心の準備でもしとけ。」

 今更心の準備もないけど、できれば戦いたくないなあ。




 四つ目の門に着いた。

 今までと同じように構成員がたくさんいる。数が少ないような気がするが。

 僕は集団の少し手前(集団の中に投げ込むと簡単に対処されてしまううえ、最悪こちらにダメージが来るため)に手榴弾を投げ込む。間髪おかず彼が自動拳銃をぶち込む。

 あっという間に白煙がその場に立ち込めるが構成員に動揺する気配は全くない。前にいた何人かは火傷したと思うんだけど・・・・・・

 まあ予想通りと言えば予想通り。どうせ直接的ダメージは見込みが薄いから一つしか使わなかった。

 やっぱりここからは完全に肉弾戦になるのかな。正直勝つ自信はないが、やるだけやってみよう。

 通路は真っ白だが、相手は見えているようだ。ゴーグルもしていないのに。

 六人が同時に襲いかかってきた。動きの鈍い者が二人、さっきの手榴弾で負傷したのだろう。鈍いと言ってもコンマ何秒単位だが。思ったより効いているかもしれない。

 彼が走りながら一人に足払いをかける。その構成員は軽くよろける。僕はその隙に体当たり。構成員を後ろに倒れさせる。これで数人はしばらく動けないだろう。まだ僕の方がレベルが高いようだ。でも一人一人を相手にしていては数でやられる。動けない者、動きの鈍い者は無視する。攻撃の準備動作に入っている者の横を通り抜け、攻撃が既に始まっている者に対しては軽く触れて直撃を避ける。もう少しのダメージは食らっても仕方がない。片手で一人、両手で二人対処する。

 走り抜ける者と、それを防ぐ者では走り抜ける者の方が有利。どんな戦いでも守りの側はどうしても不利になるのだ。

 走り抜けるだけならほとんど戦う必要はない。しかし、相手は倒せないため、後ろから攻められるという点もある。

 僕達は門を突破すると、すぐに全力疾走した。

状況がわかりにくいという人は言ってください。

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