第13章 侵入
情景描写がわかりにくくても気にしないでください。
敵が正面にいることは分かっている。彼はその正面に飛び出した。ということは、出て行くと同時に戦闘開始。
先手は当然こちらだ。相手は何の準備もしていないから。
彼は手榴弾を出て行くと同時に投げつけた。
一番目の門にいたのは五人。恐らくはしたっぱ、もしくは力の弱い者。
その構成員達がこちらの姿を確認する前に、手榴弾が爆発。
この手榴弾には人を殺せるだけの威力はない。火傷や切り傷ぐらいなら付くかもしれないが。一番の効果は煙を大量に出すこと。前はほとんど見えなくなり、目に入ったら、しみる。
問題はこの手榴弾は僕しか持ってないはずだってことだけど・・・・・・(全くいつの間に)
この一発であいては動きを封じられたようだ。少しパニック状態だ。
僕達はその横を走り抜ける。ちなみにゴーグル装備。当たり前。
建物の入り口で、そこそこ立派だったから門、と言ったが、そこは通路のような場所だった。窓はなく、人工的な明かりが照らしている。もっとも、窓があったところで光は入ってこないが。横幅が十メートルほどで、長さは百メートルぐらいはありそうだ。全く広い建物だ。
思ったよりも簡単に中に入れてしまったが、大変なのはここから先。通路を抜けた先はいきなり壁。しかも外側の壁と何ら代わりもない。とても堅そうだ。
「この壁、破れるかな。」
「無理だ。黒閃光の大爆発が起こってから、建物内の壁はまた事故が起こっても大丈夫なようにかなり頑丈に作り直されたんだ。」
「じゃあ何で黒色の核は封印されたのさ。」
「丈夫と言っても一つや二つの爆発でかろうじて全滅を免れる程度だ。それほどに黒色の核は強力なのさ。時間を無駄にしたくない。早く行くぞ。」
無駄無駄うるさいとは思ったが、その通りだった。壁を破れないのなら中心までいくのは大変だ。一秒も無駄にできない。
建物の構造を説明した方がいいかな。
この建物は上から見ると円形をしている。とてつもなく巨大な円だ。そしてその円の内側にはまた円がある。マトリョーシカ人形のように内側へ内側つながっているのだ。そしてその円の一角があいている。そこが門というわけだ。ただ、門は一直線につながっているわけではない。円の下側から入ったとすれば、次の門は円の上側にあるのだ。
円の内部の内側に外壁、外壁の一つ外側に通路、その一つ外側は部屋になっている。門の長さ(?)は部屋の広さというわけかな。
通路にはそこかしこに構成員がいる。姿を隠している訳じゃないから全員に見つかっている。
そうこうしているうちに警報も鳴り出した。
まずい。とにかく走らなければ。
僕と彼は円形の通路を光のように(もちろん比喩だ)走った。
いろいろな機能を使ってみたいな。