半分はチュートリアルのようなもの
昨日も一話更新してます
「製薬企業の営業職であるMRは皆さんがイメージする一般的な営業職とは違う点がいくつかあります。皆さんも就職活動の時は業界研究なんかしたでしょうからご存知の方も多いでしょう。特に印象に残っていることはありますか?誰でも結構ですので是非ご意見ください」
そうして見渡すとちらほらと手をあげる姿が見える。
「それでは、田中さん少し教えてください」
「はい、まず扱ってる商品が薬ということで健康に関わりますのであまり過剰な宣伝は出来ないと聞きました」
「ありがとうございます。そうですね、最近はその辺りは本当に厳格化されてきました。何年か前には薬の宣伝が誇大広告というように見なされてペナルティを受けた会社もありました。私たちの宣伝方が悪かったばかりに不健康になった。場合によっては亡くなってしまうということもありえます。なので結構責任は重大です。大切なことですね」
他にはどうですかと問いかけたところまだまだ意見をしたさそうな人が多かった。
「商品を直接病院に販売しないのも特徴だと思いました」
「日本は病院や小さいクリニックまでいれると20万軒近く医療機関がありますからね、その一軒一軒と直接値段の交渉をして代金を請求してたらとても処理しきれません。ですので通常は医薬品卸に販売して卸は何十社もの製品を病院に販売して代金を徴収するわけです」
要するに製薬メーカーの一番の得意先は卸というわけだ。といっても結局病院で使われなければただ卸の在庫となるだけなので、医者に営業が必要なのは間違いない。
「病院用の薬はCMができません」
ドラッグストアで販売してるようなものと違って薬は一般に広告はできない。アメリカなんかだとCMは出来るみたいだが……
「資格が必要です」
「はい、確実に合格してくださいね」
医師免許などと違って国家試験ではないので、必ずしも必要なわけではないのだが、基本的には全員取得している。特に薬学部卒でない大学出身者は勉強量はかなり膨大になるだろう。不合格でも営業はほとんどの場合出来るが待遇に差が出てしまう会社がほとんどだろう。試験は一年に一回しかない上には8.9割は入社1年目に合格できてしまうため不合格だとかなり気まずい一年を送るハメになる。
◇
「さて、今日の私の授業はここまてです。一日長いですが休憩をとって、この後も頑張ってください」
そう言って会議室を退出するとその後の講義を担当する木津川さんとすれ違った。昨日はまるで病人のような顔つきだったが、今は多少生気を取り戻したようだ。
短くてすいません




