表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/18

第7話 剣振れねぇ!槍持てねぇ!弓矢はそんなに売ってねぇ!

序盤はちゃんと書けるのに、なんで話が進むと細部が雑になるんだろ……?

切実な話、文才が欲しいですな。



気を取り直して武器屋へと行こうとするが、このままのテンションだと怪しまれるので、ちょっと深呼吸してから出発する。


「すー、はー……よし。 いける」


「じゃ、行こーぜ」


「出発しんこーう!」


「しゅる!」


「武器屋によるというのも久しぶりな気がするな……確か数日前の事の筈なのだがな」


みんな思い思いの言葉を吐きながら武器屋へと向かう。 途中、ミュートとヒビキで攻略情報を交換しあったり、オレがサタン様を視界に入れてビビったり、アルマさんの装備が全てプレイヤーメイドであるという衝撃の事実を明かされたりしながら街を歩いた。



____そして武器屋にて。





「ふん、くっ! …ぬぬぬぬ……っ」


ダメだこれ。 持てねぇ。


今オレは武器屋で剣を持とうと奮闘していた。 しかし、重い。 めちゃくちゃ重いのだ。 これ。


「重ーい!」


「だから無茶だって言ったのに」


「お兄はある程度『筋力』にステ振りしないと鉄製の武器は無理じゃないかな?」


「その細腕で剣を振るうのは無理だろう。 弓などはどうだ?」


「矢のコストが………」


「金が無いのよ」


「………ふむ」


思わず、剣を落とし項垂れてしまう。 憧れてたのに……。 ファンタジーといえば剣なのに……。 というか、『筋力』にステ振りして剣持てたとしても、体格的に振るうのは現実的じゃない事に気付いて、更に落ち込んだ。


「ちくしょうめー! なんか無いのかぁ……オレの使える武器ぃ」


「つってもお前『筋力』0だろ? ステータスの恩恵が無いと現実の身体と全く変わらないから貧弱なお前の武器なんて短剣くらいしか思いつかないぞ」


「むぅうううう!!!」


相棒が蛇で武器が短剣で【ナイトウォーカー】とか、どこの暗殺者やねん! できないぞ? オレ闇夜に紛れて暗殺とかできないからな!

オレはヒビキが渡してきた小さな短剣を地面に投げ捨てて「お客さん、売りモンは大事にしてくれ」と店主に言われながら地団駄を踏んだ。


「あー、アイツのリアルの握力なんだっけ?」


「お兄の? ……確か最近やっと15キロになった! って報告してきたかな……」


「マジかよ……それ、もし短剣でも振った瞬間すっぽ抜けるぞ……」


女子(おなご)より貧弱な男なのだな」


「全部聞こえてるから!!」


さっきから陰でコソコソと! オレは好きで貧弱になった訳じゃねぇ! 毎日筋トレだってしてるんだからな。 ………実を結んだ記憶はあんまり無いけど。


とりあえず、ヒビキが持ってきた短剣を棚に直して、最初に手に取った鉄製の剣を両手で引き摺りながら持ち上げようとしたら、アルマさんが鉄剣の方は持ってくれた。 こういう気遣いができるところいいと思います。


そして、改めてオレに合う武器を見繕う為に棚の武器を見渡すと、変なことに気づいた。 ………確認の為に習得できるスキルの欄を見てみたが、別にそのスキルが無くなってる訳ではないのでこの店にその武器がないだけなんだろうか?


とりあえず困った時のヒビキだ。 聞いてみよう。


「なぁ、ヒビキ。 アルマさんが持ってる刀とかって、どこで売ってるんだ?」


「ん? いきなりどうしたよ」


「いや、スキルには『刀術』があるけど、肝心の刀が店にはないんだなって。 ……いや、最初の街に無いだけかもしれないけど」


「あー、それな」


聞いてみたが、ヒビキはなんて言えばいいか……みたいな感じで悩んでいる。

聞いてる途中だが、ヒビキが悩んでる間にも店の武器を物色する事はやめない。 ちなみに槍に挑戦してみたが、重心が掴めず取り落としそうになったので急いで棚に戻した。 身体全体を使って押し込むように立て掛けるのがポイント。 というか、それぐらいしないと持ち上がらない件。


そして、ヒビキが悩んでる間に答えは別の所から返って来た。


「刀ならここには売ってないぞ? アレはプレイヤーが持ち込んだものだからな」


「プレイヤーが持ち込んだもの……?」


「ま、簡単に言っちまえばそうだな」


アルマさんだ。 その言葉に聞き返せば、今度はちゃんとヒビキが答えてくれる。


なんでも、この世界(ルート・エデン)は、中世ヨーロッパをイメージした典型的なファンタジーな舞台だったのだが、ファンタジーによくある『日本に似た文化を持つ東方の国がある』だとか『鍛冶技術に優れた種族が現代の武器を再現してる』だとかの、所謂「都合のいい理由」で武器が登場する事がないのだとか。


結果として、『刀』や『銃』などといった武器は全て生産職のプレイヤーが考察しながら作った模造品らしい。 模造品といっても、ちゃんと武器としての体は成しているので、運営はスキルを創りあげたらしいのだが、一部の生産職プレイヤーがβでそれらを造るまではスキルが無いどころか、実装する予定すらなかったのだとか。


これを、プレイヤーが頑張ればスキルが無限に増えると捉えるか、運営がプレイヤーの行動を見て後付けでスキルを作ってると捉えるかは、プレイヤー次第なんだと。


「そんな訳でな、私のこの長刀も主が知り合いに頼んで造らせた『物干し竿』の贋作よ。 いやさ、人の願望とやらは凄いものだな。 望むものが無ければ作ってしまえばいい。 こんな事が言えるのは世界広しといえど人だけよ」


「むむむ、ただひたすら生産職の人頑張ったな、としか思えないが……。そんなものがあるなら、オレは銃が使いたいな」


いきなりアルマさんが長々と語ってくるが丸っと無視して銃を強請(ねだ)るオレ。 職業ガンナーとかかっこいいと思うんだ。 二丁拳銃とかやってみたい。

ロマンだろ?


「銃を買う事はいいが………反動ヤバイぞ? ただの拳銃でもお前が使えば肩外れるんじゃね?」


「大丈夫だよ。 『銃』スキルの効果に『反動軽減』があるから」


「そんなこと………ホントだ、あるわ」


オレを心配して言ってくれるヒビキだが、それが杞憂であることを話すと、習得スキル一覧を見て確認する。 な? これならオレも銃が使えるだろ? 銃はそんなに重くないだろうし、問題の反動もスキルで軽減できる。 なによりサタン様と並んで戦う必要がない。 遠距離からチクチク撃ってればいいからな。

なによりロマンだ。


「うーん、でもなぁ……これ初心者には厳しいぞ」


「なんで?」


しかし、ヒビキはまだ難色を示す。 何が言いたいのか。 ヒビキもロマンは分かるだろ? そう思ってると、ミュートも同じように微妙そうな顔をしていた。


「お兄、銃って………『固定ダメージ』なんだよ」


「は?」


その言葉に少し考える。 固定ダメージ。 つまりアレか、ステータスに左右されない特定の数値をずっと叩き出すとかいうヤツでございますか?


「スキル使えば『追加ダメージ』って形でダメージ上昇が見込めるけど………ぶっちゃけそんなに強くない」


「そうそう。 お兄、銃使うくらいなら『筋力』上げて剣使った方が何倍も早く強くなれるよ〜」



この世界にロマンは無いのか……。



ちなみにSP1振って『筋力』上げただけで、剣は持ち上がりました。 ちくしょうめ♪

現実の身体能力を素体に、ステータスで能力を上乗せしてる感じです。なので、現実で強い人はゲームでも強いです。でも、システム的にある程度レベルが上がればステータスはインフレする可能性が高いので、リアルチートが無双できるのは序盤だけです。………あと、ステ振りした途端貧弱主人公が鉄の塊である剣を持てるのでわかったと思いますが、ステータスが1上がるだけで基礎能力はかなり上がります。1の違いが勝負を分けるのは珍しくないです。


銃に関しては……ぶっちゃけ科学の産物って「誰にでも使える」ってのが基本ですから、人の才能や能力に左右されない『固定ダメージ』式の武器になりました。武器そのものに付与された攻撃力がイコールで銃の与えられるダメージになります。つまりステータスどんなに上げても銃を使ってる以上ダメージは変わりません。銃でダメージを与えたいなら『銃』スキルで『追加ダメージ(攻撃命中と同時に発生するエフェクトダメージの事)』をうまく組み合わせる必要があります。代わりに属性ダメージとかも追加できるので、攻撃の種類自体は多彩です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ