神のプレゼンはまともじゃない!
題名誤字すみません
あれ狙ってやってたんですよ⋯⋯
ほんとですよ⋯⋯
ようやく、心を取り戻した僕は未来予知ができる神様が作ったプレゼンを姿の見えないアルテミラを合わせ3人で見ることとなった
《〜義妹のためにお兄ちゃんは魔王を倒せますか?〜》
「俺が倒すのかよ!」
空に浮かぶ文字に思わずツッコんだ
『そこ、静粛に!』
加害者の罪を被害者が代わりに償うのかよ
《ミッション:義妹のために魔王を倒し、世界を平和へと導く
※なお、ミッションが成功しない限り元の世界には戻れません》
題名の割に真面目だな⋯⋯
まぁ、生真面目に説明されるよりツッコミどころのあるプレゼンの方が見やすいしな⋯⋯
次々と現れる文字
《今から行く世界には、レベルが存在します》
「おぉ⋯⋯」
《成長に限界はありません
ですからレベルの上限はありません》
いい事いうな⋯⋯
《レベルが上がる度にスキルポイントと呼ばれるものを貰えます》
どっかのRPGと同じか⋯⋯
有名なゲームの続編
木の実を探すため元天使の主人公が旅に出るあのゲームに似た設定
子供の頃はまってただけあってテンションがあがる
《スキルポイントについては向こうの世界で説明して貰えるのでここでは省きます
次に才能です
才能は初めから持っている特殊な能力のこと》
あれか、炎を食べて回復!とかかな?
期待に胸をふくらませる
《才能は、複数持つ人もいればひとつも持たない人もいます》
まじか⋯⋯
可哀想に⋯⋯
異世界転生の俺はまぁたくさん持った勝ち組だろうな
おっと、悪い顔をしてしまった⋯⋯
《これは自分で調べてください》
さっきから詳しい説明が省かれてばっかりだな⋯⋯
「なぁ、この神様
ほんとに説明できるのか?
さっきからはぶ──」
《シャラップ!》
デカデカと文字が現れた
《誰だって、見えないものがあるんですぅ》
「なら他の神とかわれよ」
《嫌だ》
「なんでだよ!」
《これを理由に仕事サボれるでしょうが!
ちょっと考えれば分かるでしょ!
全くもう⋯⋯》
「上司がいる前で堂々と⋯⋯
よく言えたな」
《さっきのは忘れてちょ》
「無理だろ!」
『わかりました』
「承諾したらダメだろ!」
《仕方ない、口封じのため1つあなたに好きなものを上げましょう》
「おぉ⋯⋯」
《まぁ、好きなものと言ってもあなたに上げるものは決まっています》
「なんでだよ!」
《最後まで話を聞いてください
ちゃんとあなたが欲してる物をあげますから⋯⋯》
「武器か⋯⋯、聖剣とかか?」
《それは──》
ゴクリ
《私の声援w》
「ふざけんな!そんだけで誰が黙っとくかぁ!いらねぇよ!
つーかwってなんだ、舐めてんのか」
『しっ、静かに!』
「お兄様、言いたいことがわかりますが抑えて⋯⋯」
「⋯⋯」
俺絶対こいつとは合わない
《う・そw
ちゃんと、軍資金とかあげるから怒らないでよw》
そのw刈り取ってやろうか!
《あっ、大丈夫箱ティッシュ大量に用意しとくから安心して⋯⋯》
「なにをだよ」
《ナニをだよ》
うぜー
先読みうぜー
チラチラと見てくる義妹
「私がの──」
「やめろ!」
義妹とはいえ、手は出したくない
《ふざけすぎたね、てへぺろ》
「⋯⋯」
蛇足にいらっときたがおえる
《脱線しすぎたから話を戻すね》
「⋯⋯」
《応援の時なんて呼べばいい》
「もっと前にもどれ!」
《えっとー、なんだっけ?》
「これから行く世界の話だよ」
《あっ行く気になったんだ
これ、私のおかげじゃない?
給料アップかな、これ》
「神様も給料制!?」
『はい、神だってタダ働きなどしたくありませんから』
「まじか⋯⋯
でも、給料で何すんだよ」
《ナニをします》
「もうお前だまれ!」
神様の下ネタなどもう聞きたくない⋯⋯
神様のイメージが俺の中で崩壊してゆく
《では、ナニについて話しましょう?》
「今から行く世界についてはなせよ!」
《あぁ、すみません
?を余分につけてしまいました
先程のは質問ではありません》
「下ネタはもういらないよ!」
《異世界の話が始まるのはこの一時間後であった》
「ナレーション要らないから、今すぐ始めろや!」
言葉通りこの一時間後やっと異世界の説明が始まった⋯⋯
〜
「ツッコミすぎて頭に入ってこなかったんだけど⋯⋯」
『そんな嘘、お母さんには聞きませんよ
おこずかいは来月に上げます』
「あなたまでふざけたら俺しんでしまいます⋯⋯」
「ふふふ、お兄様!」
ドヤ顔しながら妹が駆け寄ってきた
「なっ、なに、もう疲れてるからふざけるなら無視するよ⋯⋯」
「違います!私内容ちゃんと覚えてるのでお兄様に説明しようと⋯⋯」
「おぉ⋯⋯」
「ふふふ、簡単に説明しますと
向こうの世界に行ってから調べろとの事です」
「期待した俺が馬鹿でした」
「あぁ、お兄様
待ってください⋯⋯」
「なぁ、アルテミラ様
いつの間にか俺も行く雰囲気になってるけどさ
俺、行く気ないから今すぐ元の世界に返してくんない?」
「お兄様、それはできませ──」
『わかりました』
「アルテミラ様!?」
『ただ、もう一度ウェンディーがあなたを連れていくと言ったら、行く選択肢しかありませんよ』
「いや、もうそれ数秒の差でしかないじゃん
着地点変わってないじゃん」
義妹が腕にしがみつき、頬ずりする
逃れられない運命⋯⋯
「はぁ、わかったよ
いくよ、行って倒してやるよ
その代わり、倒したら元の世界に帰してくれよ!」
『いいでしょう』
「やったぁ!お兄様と2人だけの新婚りょ──」
「結婚してないし、魔王倒すのが最終目的だからな」
不安しかない⋯⋯
お先真っ暗とはこのことだろう⋯⋯
『では、出発地点を選んでください』
ポンと煙の中から一枚の紙が現れた
〜
A.ナニクウサンドラ(上級者向け)
B.ナニニスタン(博打打ち向け)
C.ナニガサキ(早く打ちたい方向け)
〜
「ナニから離れろ!」
結局新しい紙をもらい、冒険者成り立て用の街イージスから出発することとなった
「それじゃあ、行ってきまーす」
『行ってらっしゃい
お土産いらないから、怪我せず早く帰ってくるんだよー』
「子供の一人旅!?」
雰囲気をぶち壊すやり取りの後、またも紫色の光に包まれた
『あっ、ま──』
「えっ何?」
アルテミラが何か言いかけたが途中で途切れ、聞き取れなかった
「読んでいただきありがとうございました」
『ありがとうございました』
(よし、1話目では無理だったけど今日は今日は、ちゃんと⋯⋯)
『さぁ、今回も始まりました
アルテミラのはけ口のお時間です』
「違う!次回予告だ!」
『皆さんお気づきかもしれませんが、次のお話から私、出番ないんですよね、あんまり⋯⋯』
(まじではじめやがった⋯⋯)
『はぁ、また仕事かぁ
今月も休み無し、24時間ずっと仕事⋯⋯』
(すげー、ブラックだな)
『いっそ、全て破壊すれば仕事も──』
「やめろぉ!」
《変神第3話もオカズに──》
「できるかぁ!」
《⋯⋯》『⋯⋯』
「はぁ、第3話も見てねー」
《ティシュ用──》
「いらないよ!」