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委員長は認めない  作者: まる
突然のラブロマンス
5/18

5

長らく更新していませんでしたが、ようやく再開しました。

お気に入りにいれて下さった方、お待たせしてすみません!


 水曜日の朝。いつも通り予鈴の30分前に登校すると、人は少ないながらも女子生徒の色めいた話し声が飛び交っていた。


 ちらちらとこちらを見る生徒を尻目に通路を通りすぎていく。



『ユーキ先輩が……!』

『1組の……』

『えぇっ』


 もしかしたら、自分が関わっているのだろうか。

 昨日は生徒間の華であるユーキ先輩と接触を持ってしまった。周りには女子生徒もいたことから、話題はそのことかもしれないと想像がつく。


(気にしない、気にしない)


 ほんの少し会話をしただけだ。やましいことなど何もない。とはいえ、噂の的になるというのは存外嫌な気分である。


 ユーキ先輩は、四六時中好奇の目線を向けられながら噂話をされているのかと思うと、僅かに同情する。


『学級委員の子……』

『ユーキ先輩と付き合ったらしいよ』


(気にしない、気にしない)


 委員長は聞かなかったことにした。



「委員長ユーキ先輩と付き合ったってホント?!」

「そんなわけないでしょうっ!」


 友人の二人が登校するなり、席までやってきての第一声だった。

 そもそも昨日のユーキ先輩との会話を思い出してみても、浮ついた話題になるような話はしていない。

 むしろ規則違反だらけの格好を指摘したくらいだ。振ったという噂ならともかく、なぜ付き合うことになっているのか。


(まあ、振られたという噂よりはまだ良いかしら……)


 思考を巡らせていると、向かいにいた雪がホッと胸を撫で下ろしていた。


「良かったぁ……!身近にユーキ先輩の恋人が出来たら刺し殺しちゃいそうだよっ!」


 恐ろしい言葉に一瞬動きが止まったが、冗談だろうという切り替えと、彼女にはそれだけユーキ先輩への想いがあったのかもしれない、と考え直した。


(ガチ勢というやつね)


 予鈴が鳴りそれぞれが席につき、1限目が始めると、皆集中してシンと静かになった。


 1日中、移動の度にチラと顔を見られたり、耳打ちをしていたり。

 それを二人に愚痴を溢すと、『ユーキ先輩が人気なのもあるけど、噂のお相手が委員長なのも原因じゃない。ギャップありすぎー』と、からかい口調で言われた。


 人の噂も79日。

 放っておけば勝手に収まるということわざだが、79日もこんな注目のされ方をしたらおかしくなりそうだ。


 本当は出会った女子一人一人に弁解をしたいところだが、下手に騒ぐより自然消滅を狙う方がきっと早い。

 委員長は気にしていないかのように毅然とした振る舞いをし、足早に過ごした。



 翌日の木曜日。

 友人の一人が欠席をした。


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