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委員長は認めない  作者: まる
突然のラブロマンス
3/18

3



「……森くん」

「えっ」

「気になっている人は、森清光くんよ」


 気恥ずかしさもあって、ポツリと呟くように伝えた。



 ―――――――――――『えぇーー!?そうなの!?』

『でも分かるかも、テスト順位でいつも学年1位の人でしょ?』

『憧れるよねー!』

『ええそうね。でも憧れというわけではないの、単なるきっかけというか。』

『落ち着いていて同世代の男子より大人びてるもんね、委員長と相性ぴったりだと思うよ!』

『気になるって、そういう意味ではないって言ったでしょ。

恋愛対象として見ているわけでは無いの。』――――――――――――――



 頭の中でやり取りを想定しながら、次の言葉を待ち構える委員長。

 だが友人達の返事はまったく違うものだった。


「森くん…?そんな人いた?」

「1年の時の知り合い?」


 2人の様子に拍子抜けし、少しの間ぽかんと口を開けて固まる委員長。


「一応進学校なのだから、学年1位の人のことは意識しておいて欲しいわ……」


 同学年には知れ渡っていると思っていただけに、僅かに、ショック。


 2人は気にした様子もなくゴメンゴメン、と軽く流しつつ。

「それで、委員長は森くんの頭の良さに惹かれたってこと?」


 学年1位とは言うまでもなくトップ。彼女よりも好成績を残している証だ。

 真面目な委員長が意識を向けるのは自然でもあり、前置きで話していた、気になる相手が偶然男子だった、という話にも納得できる。


 だからこそ、委員長の

「顔立ちが良いからつい見てしまうの」

という言葉はなかなかにインパクトがあった。


「顔が好きってこと?」


「好みとかではなく、整っているから目を向けてしまうのよ。

隣の席にイケメンがいる、って思わなかった?」


「隣の席だったんだ…」


 名前も知らなかった彼が同じクラスであることも、席が隣人であることも、友人達は全く気付くことが無かった。

 単に興味が無かった、というだけではなく、彼はそれほどに目立たない人だったのだ。


「それにしても、委員長がイケメン好きとは意外だなあ」

「思った。それと、顔ならユーキ先輩の名前が出ると思った」

「確かに!」


 彼女達はユーキ先輩について楽しそうに会話し始めた。


 どうやら学内の女子から大人気で、読モ-読者モデル-もやっている3年の先輩らしい。

 当然知っている、といった話しぶりだったので曖昧に相づちを打ちながら、頭の隅に"ユーキ先輩"の名をインプットさせた。


 こんなやりとりをした、月曜日のお昼だった。

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