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捨て子奴隷は成りあがる  作者: Larm-123356(ラーム)
第一章 捨て子奴隷は拾われる
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第7話 捨て子奴隷は修復する

「悪いがやっぱり今日も工房に来てくれたまえ。」

朝食を取り終えるとファハド様にそう声をかけられた。

「畏まりました」


「ファハド様、ヴァレンです」

「入りたまえ」

そう言われて工房の中に入ると中はある程度片付けられていたもののまだまだ荒れていた。

「急に呼んで悪いね。今日は魔道具を作ってもらおうと思ってね。作り方はわかるかね?」

「いや、その……わかりません」

「なに、恥じることはない。何事もみな最初は知らないのだからね。さて、魔道具の作り方だが、まずは魔石と空魔道具が必要だ。空魔道具とは魔石をはめる場所を彫ってあるものなら何でもいい。そこらに落ちてる石ころから剣でも構わない。次に魔石の作り方だが、これは魔力が固まって石になる想像をすればいい。その時属性をつけた魔力で行えば完成した魔石にもその属性が付く。そして空魔道具は適当なものに魔力で魔道具の効果を直接書き込む。この時文字を書き込むのは指でもいいが植物や動物の骨などでできたペンなどを使ってもいい。その場合は魔力を送り込むのに少し苦労するがね。最後にできた魔石と空魔道具を組み合わせる。これで魔道具は完成だ。さあ、やってみたまえ。今回は効果は部屋生成、自動修復の二つだ」

「えっと、畏まりました。」

ファハド様からひし形の溝が入った四角い箱を受け取る。そして土属性の魔力を作り固まる想像をする。すると手に黄色い透明な石ができた。そして指に魔力を集めて教えられた効果を書く。そしてできた魔石を箱にはめ込んだ。

「で、できました」

「ふむ、貸してくれたまえ。」

そういうとファハド様はできた魔道具に魔力を込め、床に置いた。すると魔道具が床に埋まり、崩れていた部分が直っていく。

「ちゃんとできているね。頑丈さのほうは……」

するとファハド様の手から石の塊が飛び出した。ドンッという鈍い音の後に凄まじい量の土煙が上がる。しばらくして壁が見えてきた。

「傷一つないか。十分なようだね。よし、今日は突然呼んですまなかったね。詫び代わりと言っては何だが、私の管理する図書館に行くことを許可しよう。あそこには魔術関連の蔵書から様々な国の歴史まである。この館の隣にあるから好きに行って構わない。ただし、仕事に支障が出ないようにね。」

「あ、ありがとうございます!」

これでやっと本が読める。早速向かおう。

「あぁ、今日中に司書に伝えておくから行くのは明日からにしてくれ」

そ、そんな……おあずけかぁ……はぁ、仕事しよ……

「……畏まりました」


「なにィ?ファハドの工房らしきとこで爆発ゥ?ブホホ!さては失敗したなァ?王国一番の魔術師と驕るからそうなるのだ!一番は私だというのに!それがわからんから爆発なんぞ起こすのだ!」

そう悪趣味な服にきつい匂いをつけた、恰幅のいい貴族が気色悪い笑い声をあげる。

「レイドォ!来い!」

そういうと少々やせ型で生気のない華奢な男の子が、男のいる部屋に入ってくる。

「何でしょう。デイル様」

「私が呼んだらさっさと来いこの馬鹿者がァ!」

そう言ってレイドと呼ばれた少年を男は蹴り飛ばした。鈍い音とともに部屋の隅まで吹き飛んだ男の子はか細い声で「申し訳ございません」という。

「フン!ファハドのとこまで行って様子を見てこい!また何も情報を得てこなかったらタダじゃ置かんからなァ!わかったら行ってこい!」

そう男が鼻息を立てて告げると男の子はやはりか細い声で「畏まりました」とだけ言って部屋を出て行った。

「役立たずめ!私が奴隷商から買い取ってやった恩を忘れやがってあいつは全くと言って役に立たん!毎晩私が相手をしてやっているというのに歓ぶ顔すら見せんとは何事だ!この前なんか」

「デイル様、夕餉の準備が整いました」

と、身長は高いがこれまた生気のない青年がやってきた。

「やっとか!今行くぞォ!」

とデイルは上機嫌に部屋を出た。

意見、感想、指摘などございましたら教えていただけると幸いです。

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