第4話 捨て子奴隷は魔術を使う
……おきたらあせでびしょりになっていた。なにかゆめをみたきがする。おもいだせないけど。とりあえずみずをくんであせをふこう。
……ぜんぜんもちあがらない。はじめていどからみずをくんだけどこんなにおもいとおもわなかった。がんばってもちあげているとジルがきた。てつだってもらおう。
「ジル。てつだって」
「はい。いいわよ」
なんとかもちあがった。つかれた。これからまたあのおもいせきばんをもっていかなきゃならないのに。
「魔力で力を強くすればすぐ終わったんじゃない?もうできるんでしょう?」
「そっか!そうすればいいんだ!ありがとー!」バケツにみずをいれてへやにもどる。こんどはまりょくでちからもちになってからもちあげる。かるい。やっぱりこうすればよかった。
へやでからだをふいてからべんきょーべやにむかう。せきばんがすごいかるい。ぜんぜんつかれない。
今日は魔術の使い方と家事の仕方を教える予定だ。昨日はある程度の準備をしていたのにあれほどヴァレン君が早く覚えるとは思ってなかったわ。今日はちゃんと魔道具を準備してきたので問題ないと思う。
そう思っているとヴァレン君がやってきた。……今日は石板を軽々と持ち上げている。昨日教えた魔力での筋力の強化をしているのだろう。
「おはよう、ヴァレン君。今日は昨日の続きと家事の仕方についてよ。準備はいい?」
「うん!」
「じゃあ、まずは昨日の続きで魔術からね。これをつけて」
今度は中央に赤色の石が付いた腕輪を渡す。
「魔力には属性があって、それぞれ地、水、火、風、光、闇があるわ。魔術はそれぞれ使うのに適した属性があって、その属性の魔力にしてから魔術を使ったほうが魔力をあまり使わないで魔術を出せるの。この腕輪は魔力を火属性にする魔道具よ。これで魔力の属性を変える感覚を覚えてね」
「わかったー!」
うでわをつけるとまたぼくのうでにぴったりになった。そしたらすこしだけ、ひにあたったみたいにあったかいようなへんなかんじになった。
「それが魔力が火属性に変わる感覚よ。つけたり外したりしてその感覚に慣れてきたら自分で変えられるようにしてみて。できるようになったら他の属性に変えるから」
「できた―」
「やっぱり早いわね。じゃあ次は水属性ね。腕輪を貸して」
そう言って腕輪を受け取ってついている火属性の赤い魔石を水属性の青い魔石に入れ替える。ちなみに水属性だと水に浸かっているような冷たさを感じ、風属性は全身に追い風を受けたような身の軽さ、地属性だと全身を石や土が覆ったような身の重さを感じる。光属性では全身が淡く光り、闇属性は体の周囲が薄暗いように感じる。
「はい。やってみて」
「はーい」
うでわをつけるとこんどはみずにはいってるみたいにからだがつめたいかんじになった。
「それが水属性に変わる感覚ね。またできるようになったら次のに行くから」
「できたー」
「よし、これで全部ね。まだ疲れてない?大丈夫なら次に行くけど」
「だいじょうぶ!」
「よし、じゃあつぎはついに魔術の使い方ね。魔術は基本的に使う人の想像力が大事よ。魔術はその人が魔力を使って、想像を事実にする術だから。魔力を風属性にしてから手から風が出る想像をしてみて」
「はーい」
「……まさか全属性の魔術を一度ですべて使えるようになるなんてね……慣れたと思ったけどまだまだだわ……はぁ。とにかくこれで魔術の勉強はおしまいね。まだまだ魔術でできることは多いけど、私たちには必要ないから。じゃあ、次は家事の仕方ね」
「はーい!」
今日の報告書をジルに渡した。ヴァレン君が全属性の魔術の行使ができるようになったことを知ると若干引いていたが、そのあとの家事の報告を知って愕然としていた。
「……あの子に筋力以外で課題点ができるなんてね……」
「確かに。あんな子でも苦手なことがあると思うと少しホッとするような気もするけどね」
「そうね。とにかく今日はお疲れ様、また明日も頑張ってね」
今回も読みずらい箇所がございますがご容赦ください。
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