愛するあなたの為に ~与えてくれた…~
書いてて自分自身で支離滅裂のような……
うん。すいません!て気持ちでいっぱいです。
3話よろしくお願いします!
夜も更けた時間に外からカラスの鳴き声が聞こえる。
「……そうですか。ではその通りに。」
そう呟いたノーブを不思議そうに見つめるクリスさんだった。
「…あの馬鹿でもこういう事では1番ですからね。」
そう言った後にクリスさんに向かってノーブは話し始めた。
「予想通りにクリスさんの自宅は襲撃されました。」
その言葉の意味を理解するのに少しの時間を要した後にクリスさんは顔を真っ青にしながらノーブを見る。
「…どうして私まで?それにあの方は無事なんですか?」
そう聞くクリスさんにノーブは興味なさそうに言い放つ。
「あれが死ぬことはありませんよ。何度も殺そうとした私が言うのですから。」
そう言ったノーブの顔を心中穏やかではないクリスさんにはドン引きという言葉が似合うほど愕然としていた。
「……さて。では、私達も動き始めますか。」
そう言った瞬間周囲に聞こえていた音が無くなった。
中心街の教会関係者の一室では…。
「まだ連絡は無いのか?」
管理者は苛立ちながら部下に言う。
「申し訳ありません。いまだ連絡も炎上したとの報告もありません。」
そう報告する部下の表情は穏やかではなかった。なぜならこの部下は管理者にクリス宅を襲った者達が彼らとの取引に関わっていた黒の集団では無いことを報告していなかったのだ。
「まったく!奴らめ!よもや裏切ったのではないのだろうな!!」
そう怒鳴る管理者に内心ではその可能性を考えてしまっている部下は早く報告があることを祈るだけであった。
「……ふん!!まぁいい!もし何か問題があったら貴様もわかっているな!」
部下に言い放つ管理者。その部下は生きた心地がしない中で管理者の顔を見る。
「わっわかっております!まぁここはお気持ちを静めるために一杯どうぞ。」
と部下は管理者にワインを入れて渡す。
「……ふん!」
そしてワインを飲み干しながら部下を見る。部下の男の顔の異変に気づく。
その部下の男は窓際を驚きの顔で凝視していた。
「……なんだ?」
管理者は部下の視線の先に違和感を覚え振り向く。
そこには男がいた。
窓際に腰かけ、優しい笑顔で彼らを見ていた。
「おっお前は!?いつの間にそこに!?」
ここまでどうやって?警備は何を?どうやって窓から?色んな疑問を感じながら管理者は侵入者の顔を見て驚いた。その男は法王より直接の巡回を指示されている男だった。
「あぁ!気にされなくても大丈夫ですよ?他の方々は必要に応じて対処させてもらいましたから。」
そう何でもないように答えるこの男に管理者は恐怖を覚える。
必要に応じて対処した。この男はそう答えた。
ここは街の中心でもあり権力者が多くいることから治安維持部隊の本隊の詰所が存在するうえ、管理者の私兵もいる。それこそ金に物を言って雇っている強者だ。それを平然としているこの男は何だというのだ?
疑問は尽きることは無い管理者だったが更に驚愕することは体が一切動かせないのだ。
「……っつ!?」
管理者も部下の男も何とかならないのか必死に抗おうとするもどうにもならない。
「…お聞きします。あなた方は今回クリスさんの旦那さんを殺害した。間違いありませんか?」
「わしらが何故そのような事をしなければならない!!」
管理者は男に吠える。
「一体何をしているのかわかっているのか!!わしはこの街の管理者であり貴様の行動は教会に背く行為だぞ!!」
管理者は男に威圧を込めて吠える。
男はそんな威圧をどこふく風と流しながら答える。
その時ドアから部屋に入ってくる音がした。
「……教会に背く行為??貴様は何を言っているのだ?」
そう言ったのは燕尾服の執事然とした男メイソンだった。
「教会に背いているのは貴様達だろう?」
そうメイソンは言う。
「なっ何を根拠に言っているんだ!!」
管理者の激昂はピークに達しているが……。
「地下の確認は終わりましたか?」
そう男はメイソンに言うや否や管理者の部下の男はぎょっとした。
「ちっ地下ってのは何ですか??」
そう部下の男は内心焦りながら言い出すのを管理者の男は苦々しく思いながら聞いていた。
「…主の言う通りでしたよ。レス達が調べて結果はわかっていましたが証拠及び関わった者たちもすでに確保しましたよ。」
そうメイソンは言った後に管理者の机の上に小瓶を置いた。
「……中身は6王から流通を禁止された薬品の1つである、リヴァイブですね。」
「わっわしは知らんぞ!!なんでそんな者が地下にある!!きっとそこの男がわしをどうにかしようと企てたに違いない!!」
「そっそんな!?私はあなたの指示に忠実に従ってきたのに!?あの黒の集団との取決めの為に地下に施設を作ってこの薬品を連中に
そう管理者は言った時にまたしてもドアの開く音がした。
「なっなぜお前がここにいる!?」
またしても管理者は驚愕した。
そこにはノーブに連れられてきたクリスさんがいた。
「なぜとはどういう事ですか?」
クリスさんはそう管理者に問う。
「そっそれは!?」
管理者は自分の発言にしまったと思いながらもまだ認めようとしない。
「あなた方が主人を殺したんですか?」
「わしは知らんと言っているだろう!」
と言い続ける管理者だったが…。
急に苦しみ出し口から吐血しだした。
「なっがっ!ぐぇ…。」
そう苦悶の声を出しながら管理者だった男は異形の化物に姿を変えていった。
管理者が異形の化物に変わったと同時に施設内にて捕縛していた者達にも異変が生じた。
施設内の今回の薬物に関わった者達が化物に変じてしまったのだ。
「……これは。リヴァイブの効果ですね。」
そういうメイソンは窓際に佇む男に顔を向けた時に…見てしまった。
…あぁ。またか。また主の悲しみは深くなるばかりだ。とメイソンは1人悲しみながらもノーブに話しかける。
「ノーブ。お前はクリス様を守りなさい。私は…。」
続きにこの男を討つと言おうとした瞬間に主が言った。
「そこの部下をすぐさま捕縛しなさい。術式は神罰封印1種です。今すぐに!」
そういう主の命令に即座に動こうとしたメイソンだったが…。
「おっと!さすがにすぐ気づかれました!」
と部下の男は一瞬で術式から逃れてしまった。
「いやはやバレルとは思わなかったデスねぇ♪」
そう言いながら部下だった男は姿を変えた。
「急に部下どもからの連絡が途絶えたので何事かと思いましたがあなた方は一体何ですかねぇ??」
そういう元部下だった男を見た窓際の男の纏う空気が変わった。
その頃の管理者の住居内では化物との戦闘が始まっていた。
「……なぁなぁ。これどうしたらいい?」
そう言い放つのはリュージュだった。
リュージュは自身の持つ得物で化物の攻撃をはじき、かわしながら言う。
「……知らない。主様は何て言ってるのレス姉様?」
そう聞くのはオーブ。聞いた相手は黒髪の女性だった。
「……主様はこうなっては戻せないと言っている。苦しまないように存在の消滅をするようにとの指示よ。」
そうレスは2人に言う。
「へぃへぃ~。」
「…わかった。」
そう2人は返事をして目の前に群がる化物達に向かっていった。
リュージュは普段から力で粉砕するのをメインにしており主に与えられた武装は変幻自在の祝福済水銀の剣を薙刀の形状にして使用するが室内では扱い辛いのか今は双剣にして目の前の脅威を切り刻む。
オーブはただ目の前を見つめている。何もしないオーブを脅威ではないと感覚で悟った化物達は真っ先に攻撃しようと近づいたが……近づいた化物は全て細切れに裁断されたのだった。
「……相変わらずえぐいねぇ!」
リュージュはそうオーブに言うがオーブはオーブでリュージュに対してムスッとした表情をしながら言い放つ。
「…リュージュみたいに脳筋じゃないから。無駄に力を使うのは馬鹿だから。ノーブ姉様もよく言ってるもん。」
そう2人が言いながら2人が倒した化物をレスは闇の中にしまっていくのであった。
……漆黒が支配し、音も何も存在を許されない世界でその存在は次元の違う世界を見続けている。
……私はいつも思う。
……この閉ざされた世界で別の世界を見続けていると何故同じ存在同士でいがみあい、憎しみあうのか。
……創造したのは間違いだったのでは無いのか?いつもそう思う。
……だが、彼は言った。そうなるように創ったのは君だと。
……そして彼は私と世界の架け橋になってあげると言った。君が本当に世界を好きになるその日まで何年、何十年、たとえ悠久の彼方まで時間を必要になっても君に世界の輝きを見せると。
……漆黒の世界に波紋が起こる。
……あぁ。彼が怒りに、悲しみに震えている。
……行かなくちゃ。
……私に世界の輝きを見せると言いながら彼は彼でまだ子どもだから。力のままに怒りを爆発させないように。
……漆黒の世界の主はそこから動きだす。怒りに身を委ねる我が夫で我が子の元へ。