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星図盤上のエデン   作者: 絶望の裏の対なる存在
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8※世界の意思・運命の輪(ディスティニーサークル)

現象や、

事象に、

言葉はない。

それらに意識はない。


必然:

起こるべきときに起こり、

訪れるべくして訪れる。


偶然:

思いがけず起こり、

予期していなかったことが訪れる。


奇跡:

起こりうる可能性がとても低いにもかかわらず起こり訪れる。


神秘:

知恵では計り知れない不思議なことであり、普通の認識や理論を超えた事象。


そしてそれら全ては


『運命』


すでに確定された出来事であり、森羅万象全ての(ことわり)がこの無限の意思によって成り立つ。

それに逆らうことはかなわず、流れを断つことも、また出来ない。

全ての意思は、

全ての現象は、

全ての事象は、

あらゆるものはこの運命というの名の因果律によって支配され(あらが)うことは出来ずに、また決して許されない宿命(さだめ)の中にある。


けれど、その絶対とも呼べる永遠不変の真理が崩れる事もある。


※ーーそう、ただ一つの例外によっては……。




「調整者? そんなことをする者がいるの?」

少年は不思議そうな顔で私を見る。


「ええ。居るわ。貴方たち界現視(創り手)はその存在も知らないでしょうけどね。普通は接触も直接の干渉をすることもないし」

「ふーん。そうなんだ」

少年は興味なさそうに、まるで他人事のような反応を返してきた。


(私はちょっとイラッとしてきてしまったのでーー)


「貴方がアスよね。回りくどいの嫌いだから単刀直入に言わしてもらうけど、あなたが造ってる世界はとても歪で、調整がとても大変で困ってるのよ」


遠回しにことを伝えるつもりではいたが、その気が失せてしまい少し感情を込めて彼に伝えた。


「なんで僕の名前を知ってるの? まだ名乗ってないけど?」


アスはいっさい動じる様子もなく、淡々と私に聞いてくる。

私も冷静さを失わないように一度深呼吸をしてから、


「さっきも言ったけど貴方たちは私のことを知らない。それは界現視(創り手)の感性に私の意識が存在したら邪魔だからよ。だから普通は運命によって、その存在の概念が消されてるの。けれど私は違うの。貴方たちの意思も含めて世界の調整をおこなってるから、私は貴方たちのことを知らないといけない。だから運命によってその情報は知らされてるのよ。そうしなければ、界現視(創り手)の意思とは無関係な私の意思だけによる調整になってしまうから。私からしたらその方が楽だし、やりやすくていいんだけど。それは運命が許さないし、私がするのはあくまで調整であり、修整ではないの」


彼に伝わりやすいようにゆっくりとした口調で言葉を伝えた。

「わかってくれたかしら?」


「そうなんだ。それで? 要件はつまり、僕の造る世界をマヤの調整のしやすいようにしてくれってこと?」

「話しが早くて助かるわ。そういうことよ」


(この子の態度はアレだけど、話せばわかる子っぽいわね)


(楽に済みそうな感じで良かったわ)


「悪いけど、それは出来ないよ」


(前言撤回!!)


「どうして? 自分が不完全な世界を造ってるっていう自覚はないの?」


まず、話し合いをしよう。思う事はあるけど、まず冷静になって語り合いをするのが交渉ごとの定石というものだ。


「僕は自分が創りたい世界を造る。それによって、例えこのスフィア(世界の元)が黒く染まったとしても僕は構わない」






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