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星図盤上のエデン   作者: 絶望の裏の対なる存在
2/12

2*箱庭の世界で佇む少女・セツナ=スユ

「どうして……私は泣いているのかな?」

少女は右手で涙をぬぐいながら立ち上がる。

そこは赤い砂の砂漠。

乾いた風が吹く、車輪の太陽が無数に見える煉獄の空。

辺りには無数の屍があり、それはもう骨となり赤い砂の中に同化しかけている。

その中心に少女はいる。


ーー悲しんでも仕様がないーー


少女は心の中で呟く。

「ーー仕様が無いのに……」

心の呟きが声になって出てしまう。

我慢しても耐えようとしても、心は正直だ。でもそれはまだ心が壊れていない証拠でもある。少女がまだ人間である証だ。

「行かなくちゃーー私が見たことを、知ったことを、早く他の誰かに伝えたい」

そうすれば、何かが変わるかもしれない。いやーー変わって欲しい。

その想いが少女の原動力になる。その想いがなければすでに膝を折って地につけている。

弱音を吐いている暇が有るのなら、地に膝をつける自分を想像する暇があるのなら、まだ歩ける余裕があるということだ。何も考えられなくなったときが本当にダメになった時なんだ。

少女は、そう自分に言い聞かせる。そうすることで、私は他の大勢と同じように壊れたりはしない。自分だけはそうなってはいけないんだから。


2* オープニングーー箱庭の世界で佇む少女ーー

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