長男の独白
捕捉
リアジュエルの世界では黒髪は神の寵愛の証とされてます。
ラティアナの髪は神様のせいですが、目は母方のお祖母様似です。
俺はシャンディール・ヴァニラス。
ヴァニラス辺境伯爵家の長男として産まれた、年は403だ。
恐れながらもヴィストール王国の第一騎士団団長を務めさせていただいている。
我がヴァニラス家は代々続く騎士の家系だ。
父のカイルディーンは近衞騎士団団長を務める、爵位の割に陛下からの信頼も厚い方だ。
まぁ、愛妻の為に仕事を丸投げしてしまう事はあるが愛故である。
わかってはいるが誠に直していただきたい苦情が俺に来るのだから良い加減にしろ万年脳内新婚親父め!
母は美しく儚げな印象だか元はエリート宮廷魔導師だった、結婚を機に家庭に入り宮廷魔導師を辞めた。
俺が幼い頃から全く顔が変わっていないので俺より若く見えるから不思議だ。
だか、年齢を聞くと恐ろしいほど魔力を浴びせて来るので詳しい年齢を知らない。
次に弟イールスディール中々才ある弟で今は騎士見習いだが、兄の贔屓目なしにしても直ぐにでも頭角を表すだろう。
父に似て情に厚く、母上の様に精霊に好かれやすい故に氷狼の精霊と契約しているのだから。
まだ未熟な所はあるが楽しみだ。
年は338になる。
最後にヴァニラス家に300年ぶりに産まれた最愛の妹、ラティアナ。
顔だちは母上によく似ているが髪の色は世にも稀なる黒髪と蒼目を持ち胸元のリジュは澄みきった蒼と月を象ったであろう印を宿していた。
高魔力持ちに間違いないだろう。
強い魔力は他者を惹きつけるから注意せねばならん。
だか、難産で産まれた瞬間に妹が高熱に魘され弱っていく姿を目の当たりにし、それでも戦に向かわねばならんかったこの苦しみは例えようもない。
其れらを全て敵にぶつけて最短で戦を終えたが妹が産まれてから約8ヶ月は過ぎていた。
胸に残るこの虚しさは語ることもできない。
その直後にイールから通信があり、妹の名前がラティアナだとゆう事、もう元気になったとゆう事と先程初めて泣いた事を聞き宮殿に着き次第報告と書類を済ませラティアナに会いに行ったのだ。
産まれた時は慌てていてよく顔も見れなかったが、将来は絶世の美女になるだろうな、いや?傾国の美女か?
または、高魔力持ちだしなぁ、宮廷魔導師になるやもしれん。
うむ、後者ならまだ良いがな。
前者の場合はどちらにしてもだ!父上とイールとも話し合ったが嫁にやる気はサラサラ無いのだ。
我が家と全面戦争の覚悟がないものに資格もないのだ。
ティナには皆甘い父上は仕事を放り投げてしまう、少しは父として威厳のある姿をティナに見せる気はないのだろうか?無論、苦情は俺に来るのだ。
初めての娘にベタ惚れの様だ。
俺やイールの時は中々厳しい父上だったのだか…
母上はセラを常にティナのそばに置き、使用人達にも世話をさせようとしない。乳母も雇う気もないらしく今の所母上が1番ティナを独占していると思う。
母の特権をフルで活かしている母上には流石としか言いようがない。
イールもイールで中々に小狡い騎士見習いであるが毎日寮ではなく、自宅に帰り早々にティナの相手をしている。
その蕩けきった笑顔を他の御令嬢に向ければ良いものの…
俺も人の事は言えんがな…
だが、俺だってティナを独占したい!
抱っこして癒されたい‼︎
光の簡単な魔法を見せた時のティナの笑顔を見ていたい!
全く何と愛くるしいのか!
あぁ俺もイールの時に友人や同僚からブラコンだなんだと言われたが、そのもの達からすれば今は病気の域らしい…
まぁ、愛しいのだから仕方ない。
ヴァニラス家のそれぞれの見た目年代
父、カイルディーン→30代後半
母、ラビアティアラ→20代前半
長男、シャンディール→20代後半
次男、イールスディール→20代前半