表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: Teacup(紅茶)
1/6

恋人じゃあるまいし。

「じゃあかえろっか?」リュックサックを背負いながらあいつが言う。


「おう、いこうか。」いつも通りの放課後の帰り道。小学校から腐れ縁のこいつと二人で帰るのがお決まりになっている


「ん。」 「あぁ。」


そうやっていつも手を差し出しあって、手をつなぎあって帰る。学校から家までの少しの間、そうして帰る。いつからか、それが普通になっていた。


「やっとあったかくなってきたね。」なんて話しながら歩いていると疑問がわいた。


「そういえばなんで、手をつないで帰ってるんだっけ?」


そう問いかけるとあいつは、「んー?なんでだっけぇ?」と間延びしたような声で答える。


俺たちは男女で、毎日手を繋いで帰っているが、恋人でも何でもないのだ。なのに、なぜ。

この二年間そうしていたが、ふと気になったんだ。


「んー、入学したての時はしてなかったよねぇ。なんでだったかなぁ?」すこし握る手が強くなるのを感じる。


「俺も思いだせないよ。でも俺たち恋人になった覚えはないよな。お前はいいのか?」俺も少し強く握り返す。


「んー、いいんじゃない?別に好きな人がいるわけでもないしさぁ。」


そんなもんなのか、と思いつつもう一つ聞く。


「学年で俺らが付き合ってるって噂になってるの知ってるか?」もう少し強くする。


「うん、知ってるよ。時々友達にも聞かれるけど一応否定してる。」でも逆にあいつは手が緩んだ。


そんなあいつに少し安心しつつ、そうか。と返す。


「まあ、私は君と付き合うのも悪くないと思うけどねぇ。」また握る手が少し強くなる


「俺もそう思うよ。けど俺たち付き合っても今とそんな変わらなそうだな。」笑って少し力が緩んだ。


そう笑っていると、あいつは、


「そうだねぇ。変わらなそう。」と優しく微笑んだ。握る手の力が緩む。


「まぁ私はしばらくはこのままでいいかな。」「俺もだ、まったく気が合うなお前とは。」


家の前に着いて、手をはなす。


「じゃあ、また明日。」「うん、またねぇ。」


いつも通りに分かれる。今日はなぜか、別れた後の手が寂しく感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ