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妻たちのお料理教室(ルチラクサVer?)


兵士「妹ちゃん。春っぽくて簡単に作れるお菓子を教えてほしいっス」


三女「えっ? 兵士のおじちゃん、いきなりどうしたの?」


兵士「今度、マイハニーたちがお料理教室をやるっス。そのお菓子が、あんなことになったら・・・ 不憫すぎるっス」


三女「なら、お父さまに教えてもらえばいいんじゃないかな?」


兵士「そんなに簡単なのが作りたければ、芋煮でも作れって。ヒドイと思わないっスか」


三女「う~ん。お父さまも悪気がないと思うな。スーパーもコンビニもない世界だと、材料自体の下拵えが必要だから簡単に出来るものなんてないよ?」


兵士「なら、材料の下拵えは俺がやるっスから教えてほしいっす」


三女「そんな安請け合いするから、前回大変だったんじゃないの? ・・・まあ、そこまで言うのなら、桜餅とかどうかな?」


兵士「桜って、春っぽくて良い感じっスね。是非お願いするっス」


三女「じゃあ、おじちゃんは東と西どちらが好き?」


兵士「何っスか、その二択は? ・・・じゃあ~、とりあえず、西で?」


三女「大丈夫。変なことはないから。じゃあ、今回は道明寺風で」


兵士「???」


三女「ああ、気にしないで。まずは桜の葉っぱの塩漬けを作ります。

   桜の葉っぱを水で洗い、蒸し器で蒸します。1分くらいでOKです。蒸すのが面倒なら、熱湯にさっとくぐらせても問題なしです。

   蒸し終わったら水にさらして冷やし、水気を切ります。そして、そこの平らな容器に葉っぱを並べ塩をまぶします。その上に重石を乗せて3週間ほど漬けます。白梅酢を加える場合もありますが、今回は塩のみで」


兵士「えっ!? 3週間もかかるっスか」


三女「そこまでかけなくても、・・・色が茶色くなったら一応セーフなのかな? あと、葉っぱは花が散った後の若葉の頃のモノを使います」


兵士「若葉って、今の季節じゃムリっス。・・・って、あれ? これ若葉っスよね」


三女「番外編のご都合主義だから、気にしちゃ駄目だよ」


兵士「じゃあ、とりあえず料理当日まで漬けておくっス」


三女「では次に道明寺粉を作ります。もち米を一晩水に浸します。良く水を吸ったもち米を布で包み、棒で叩いて砕きます。さらにそれを布の上からこねます。米粒が半分から四分の一くらいの大きさになればOKです。

   砕いたもち米を蒸します。蒸し上がったら、ダマにならないようにほぐした後、天日干しで乾燥させて、出来上がりです。

   さて、次は・・・」


兵士「まだあるっスか・・・?」


次女「・・・頑張ってる? おやつ持ってきた。今回はコンビニじゃなくて父様作」


三女「あっ、ちぃ姉さま。ありがと~」


兵士「おはぎっスか? 俺も欲しいっス」


次女「違う。ぼたもち」


兵士「何が違うっスか? 見た目は同じっスけど」


三女「え~と、季節かな?」


兵士「・・・えっ?」


三女「基本同じもので、食べる時期が違うだけ。 ちぃ姉さま、あんこまだ残ってるかな?」


次女「まだあるはず」


三女「なら、桜の葉っぱの塩漬け、道明寺粉、あんこ、必要な材料がそろったね。砂糖はバレンタインの時に作ったから省略でいいよね。

   おじちゃん、お疲れ様」


兵士「妹ちゃんこそ、ありがとうっス。桜の葉っぱも春っぽくて良い香りに出来たっス。

   マイハニーたちにコッソリ渡してくれっス。嗚呼、マイハニーの喜ぶ顔が今から浮かぶっス」


三女「自分で渡さないの?」


兵士「こういう影の努力はひけらかさないもんっスよ。 ビシッ!」




 次女は何故か可哀相な人を見る目をしていました。



 この物語はフィクションです。実在するする調理法とは一切関係ありません。


 前話のちょっとした裏側の話です。



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