ある領主夫人の話
私は日々の食事にも事欠く孤児でした。
ある日、領主様がスラムを訪れたことで転機が訪れました。
領主様は私たち孤児に温かい食事と寝床を与えて下さいました。さらにお屋敷でメイドとして雇って頂き、お仕事まで与えて頂きました。
領主様は下々の方にもお優しく、領民の暮らしを良くしようと常にお考えでした。彼に救われた人々は数知れません。
お慕い申し上げていましたが、私は元々はスラムに住んでいた孤児。領主様とは身分が違いすぎます。
しかし、想いが通じ、部屋にお召しになりお情けを頂きました。
私の想いを知っているメイド長を始め、同僚の方々は抱きしめて祝ってくれました。
領主様は感激に涙ぐむ私を気遣って「本当にに大丈夫なのか?」と声を掛けて下さいました。
初めての夜、あの方は私の身体を優しく撫でて、大切に扱ってくださいました。
さらに、あろうことか妻にまでして頂きました。
他の貴族様は愛人を持つのが当たり前で、何人もの妻を抱えると噂を聞きますが、領主様は違いました。
私だけを愛してくださり、三人の子宝に恵まれました。生まれたのは全て女の子でしたが、跡継ぎを産めなかった私にも優しい言葉を掛けて頂きました。
後に一番上の娘が婿を取り、跡継ぎ問題も片が付きました。
毎日が幸せです。いつまでもお慕い申し上げています。私の愛しい旦那様。