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ある農業担当者の話


 領主様はわたしたちの暮らしを楽にするため、色々な試みを試しています。領主様は卓越したセンスを持っているようで、提案した試みは数々の成功を遂げています。

 今回はその一例を思い返してみましょう。





①作物栽培方法の改善


 領主様は色々な作物の導入を試みていますが、育て方についても改善を加えています。

 それが、種を水に浸してから蒔くという手法です。今までは種をそのまま畑に蒔いていましたが、一度水分を吸収させることにより、種の発芽率が目に見えて上昇しました。

 また、後にこれを発展させ、苗まで別で育ててから畑に植え替えるという手法も取り入れました。


 少々手間はかかりますが、これにより作物の初期発育不良がなくなりました。現在栽培している高級作物はこの方法を取っています。




②脱穀道具の開発


 領主様は新たな脱穀道具の試作品を作成させました。画期的な道具ながらも、満足のいく耐久度ではなかったため、これの更なる改良を命じました。

 試作品は全て竹でできていましたが、力のかかる根元を金属にすることで耐久力を増し、脆くなったときその場所だけ交換可能な造りにしました。また、台に固定し足で踏ん張れるようにもしました。


 このおかげで脱穀作業の作業効率が格段に上昇しました。




③冬野菜による二毛作の奨励・輪作計画の実現化


 農家の冬の仕事の定番と言えば、手間賃の安い内職です。冬籠りの薪代の足しにしかなりませんが、仕事がないよりましです。

 若者の一部は都会へ出稼ぎに行きますが、道中盗賊に襲われる恐れもありますし、そもそも仕事を得られるかどうかは賭けです。

 以前は、道路整備等の公共事業を行っていましたが、領内街道整備も粗方終わってしまいました。


 これを憂いた領主様は冬でも栽培できる野菜の普及を目指しました。冬でも野菜が供給可能となり、常ならば商品が消える店先にも野菜があふれました。冬に飢える恐れは激減しています。


 また、麦一辺倒だった耕作地に輪作を導入しました。これにより、連作障害の防止や地力回復が図れます。さらには利益率の高い作物の導入。

 領主様の慧眼には恐れ入るばかりです。




④新たな食材開発


 領主様は新たな食材の開発にも余念がありません。

 この度作ったのは豆を発酵させた食べ物です。独特の臭いがあり、好みが分かれるけれど、わたしは好きです。


 茹でた葉野菜に香り付の油に塩を振ってこの食材を混ぜるのがわたしのお気に入りです。

 同好の士をコッソリ増やしましょう。




 これは一例にすぎませんが、色々な試みを成功に導いています。流石です。尊敬する領主様。




 サブタイトルの農業担当手駒を農業担当者へ変更


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