あとがき
元々は、私が漫画原作者として原案を出したのがこの『PEREON』だった。巨大な生命体が、お互いの命を賭けて日本を襲う。そんなスペクタクルな展開が起こる事を期待して、この計画は動き出した。戦うのは龍のような大怪獣ペレオン、甲殻類のような大怪獣セト。海から現れ町を壊し人間の持つ兵器を一切弾く。恐怖の瞬間である。だからと言って、この二体の怪獣はどちらも人間に害をなすのか。いや、なす。しかしその中で、唯一の希望はペレオンの身を挺して早良達を救った事だったと言える。
ペレオンとセトの戦いは、殆どセトが優勢だった。ペレオンはセトと違い守る物が有るからだろう。ペレオンはただ戦っているのではなく、守る為に戦っているのだ。だからペレオンは弱い。ペレオンは好きで戦っているわけでは無いのだ。ペレオンはあくまでも「裁くもの」なのだ。だから、ペレオンは人間に対してもいつか牙を剥くのかもしれない。人間が裁かれる日が来る事もいつか来るのかもしれない。そしてペレオンが再び地上に姿を現す事は有るのだろうか。ペレオンがもう一度姿を見せた時、再び地上に現れた時、その時は、ペレオンが人間の味方をしてくれるだろうか?
また再びペレオンと巡り合える事を願って。
屋久堂義尊