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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

神様への最後の願い事

作者: a-m

予告通りスプーキーなシリアスチック短編。


100点満点なハッピーエンドがお好きな方はお逃げ下さい

私の愛する人はスプーキー・・変人です。


世間一般でいう精神異常者かもしれません。


そんな彼を愛している私は、余命2ヶ月の花嫁さんです。


彼と出会って、彼の愛に絆されて、一般常識を全て捨てて彼と交際を始めてから3年。


同い年の私と彼は、私が遅れて25歳になった日にめでたく結婚しました。


そして、その半年後。


私は血を吐いて倒れ意識を失いました。


そして、緊急病院に搬送された私にお医者様は仰ったのです。


その時から私は愛する彼の「余命2ヶ月の花嫁」となりました。




ねぇ、神様。


お願いですから、彼を一人にしないでください。


私がいなくなれば、きっと彼はシリアルキラーになるでしょう。


頭が良すぎるぐらい良い彼の事です。


物的証拠も状況証拠も何もかも残さず完璧に何人もの女の子を殺し続けることでしょう。


だって今の言葉聞きました?




「ねぇ、さゆ?絶対に死んだら駄目だよ?僕に殺人者になってほしくないのでしょう?

さゆが死んだら僕は何人もの女を殺してしまうよ。

だっておかしいでしょう?さゆがこの世から消えても、さゆと同じ性を持ったほかの女は生き続けるんだよ?

ふふ・・・変だよねぇ・・許されないよねぇ・・」



ね?神様・・私の言った通りでしょう?



「旬ちゃん?人殺しは駄目よ?そんな事したら旬ちゃん地獄に落ちちゃうよ?」




ーーーーーーーーーーーーーーーー


あぁ、可愛い。


地獄に落ちちゃうだって。


25歳には見えない童顔な彼女の口から発せられた言葉に僕は興奮してしまう。


もし彼女が病気じゃなければ、今すぐ彼女が壊れるほど愛していたのに。


きっと彼女は病院では駄目だと言うだろうけれど、ここは個室だよ?


誰も見ない、誰も彼女の声は聞こえない。


まぁ、もし彼女のそんな姿を見た者がいれば、僕が処分するけれどね。





ねぇ、さゆ?


さゆがこの世から去ったあと、本当に他の女を殺すと思う?




ふふ・・まだ僕の愛の深さがわかってないんだね。


キミがいない世界なんて僕には興味がないんだよ


僕が生きていくに値しない世界だ



あぁ、さゆ


キミがもし死ぬのなら、僕の手で殺してあげよう


そしてその血肉は全て僕が食そう




そうすれば、地獄に落ちる僕と共にさゆも地獄に落ちるよね



例え死んでも僕から離れる事は許さないよ




ーーーーーーーーーーーーーーーー



優しく微笑みながら私を見つめる彼の思考回路は私には完璧には把握できません。


いくら頑張って理解しようとも、彼は一歩も二歩も先へ先へと思考を進めてしまうから・・。




ねぇ、神様。


私は酷い人間です。


だって、こんなに優しい笑みを浮かべる彼を見ていても、私の願いは変わらないのですから。




神様・・・死に行く運命の人間から最後のお願いです。


彼を道連れにして下さい。


一人では死ねません。




だって、私の魂は彼のものだから・・


そして、彼の魂は私のものだから・・・





私がいなくなった世界に私の魂が残るなんて、許せないんです。







ねぇ、神様



お願いだから・・私が死ぬ時、彼も殺して下さい。



例え私の願いを叶えて下さっても、天国に行って直接お礼を言う事は出来ないでしょう。


きっと私は地獄へ落ちるから・・


そして、私のものである彼の魂も私と共に地獄へ落ちるでしょう。



ねぇ、神様


私と彼、二人で地獄からお礼を言います。



死してなお、二人の魂が共にあることを感謝して・・・。






似た者同士な二人をお送りしました


2作連続現代小説だったので、次は異世界の恋愛話にします。

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