表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第三部

変態勇者と聖なる秘宝 第三部


股間の魔術師を倒し、魔王軍のアジトを突破したカイトと聖女エリナ。二人は人気のない森の中を歩いていた。

「まさか、聖女様まで変態だったとは…」

カイトはまだ、エリナの言葉が信じられない。

「ふふ、勇者様は驚かれましたか?でも、それは仕方のないことですわ。この秘宝の真の力は、変態性に宿るのですから…」

「でも、どうしてそんな力が…?」

「この秘宝は、かつて魔王に敗れた勇者が、己の変態性を昇華させて作ったものですの。魔王の絶対的な力を打ち破るためには、常識を遥かに超えた力が必要だったのです」

カイトは呆然としながら、手にした秘宝を眺めた。

「つまり…俺は、伝説の勇者の後継者ってことか?」

「そういうことになりますわね。…ところで勇者様、そろそろ何か試してみませんか?」

エリナが意味深な笑みを浮かべる。カイトは嫌な予感がした。

「何をだ?」

「もちろん、聖なる変態の秘宝の力をですわ!二人で協力すれば、新たなスキルが覚醒するかもしれません」

「え、二人で…?どうやって…?」

エリナは、カイトの耳元にそっと囁いた。

「…こうするんですわ」

スキル名:聖なるイチャイチャ(ホーリー・イチャイチャ)

「まさか、こんなスキルが…!」

カイトは驚きを隠せない。聖女エリナとの合体技で覚醒したスキルは、敵をイチャイチャさせることで戦意を喪失させるという、とんでもないものだった。

その時、二人の前に魔王軍四天王の一人、「絶対零度の氷使い」が現れた。

「ふっ、下品な勇者め。この俺が貴様らを凍らせてくれる!」

氷使いが手をかざすと、あたり一面が凍りつき、鋭い氷の槍が二人に向かって飛んできた。

「エリナ!今だ!」

「はい、勇者様!」

二人は固く手を取り合い、聖なるイチャイチャのスキルを発動した。すると、二人の周りにハート型のオーラが広がり、氷使いを包み込んだ。

「な、なんだこの力は…!」

氷使いは、ハートのオーラに包まれると、なぜか体が熱くなるのを感じた。そして、カイトとエリナがイチャイチャし始めた。

「勇者様、もう…!」

「エリナ、大丈夫だ!俺に任せてくれ…!」

二人が見つめ合い、甘い言葉を交わす度に、氷使いは悶絶し、全身から冷や汗が吹き出した。

「や、やめろ…!やめろぉぉぉぉ!俺は…俺は氷使いだぞぉぉぉ!」

氷使いは、自分が熱くなること、そしてイチャイチャを見せつけられることに耐えられず、ついに意識を失った。

「…ふぅ、どうにか勝てたな」

カイトは息を切らしながら言った。エリナは、彼の顔を見つめ、そっと唇を近づけた。

「勇者様、お疲れ様でした…」

二人の間に、甘い空気が流れる。カイトは、秘宝の力で覚醒したもう一つのスキルを思い出した。

* スキル名:聖なるホーリー・リップ

* 効果: 触れた相手の唇を、一瞬でとんでもない感触に変える。

「いや、待て!今はダメだ!」

カイトは必死にエリナの唇から顔を遠ざけた。

「どうしてですの、勇者様…?」

「…いや、その…」

カイトは、エリナの唇をじっと見つめ、思わずごくりと唾を飲み込んだ。

「今ここで俺のスキルが暴走したら、とんでもないことになる…」

二人の旅は、まだ始まったばかりだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ