変態勇者と聖なる秘宝
この物語は、王道のファンタジー要素を基盤としながらも、常識を覆すユニークな設定になっています。
勇者と聖女が繰り広げる冒険は、単なる魔王討伐の旅ではありません。それは、自身の「変態性」という名のコンプレックスを乗り越え、真の「愛」を見つける壮大な自己探求の物語です。くだらないギャグの裏に隠された、深いメッセージをぜひお楽しみください。
変態勇者と聖なる秘宝
剣と魔法の世界、アースガルド。その広大な大陸の片隅に、古より恐れられてきた邪竜の巣窟があった。幾多の冒険者が挑み、命を落としたその場所で、今、一人の若者が息を切らして立っていた。その名は勇者カイト。彼の目の前には、ついに倒した邪竜の巨体が横たわっている。血と硫黄の匂いが満ちた洞窟に、勝利の静寂が広がっていた。
カイトの目的は、この邪竜が守っていたとされる「聖なる秘宝」を手に入れること。魔王を倒すために必要不可欠なその秘宝を、彼は長い旅の末、ついに見つけ出した。光を放つそれは、確かに存在していた。しかし、カイトは安堵するどころか、顔を青ざめさせ、勇者カイトは困っていた。
「くそっ、これじゃあ聖なる秘宝が使えねぇじゃねぇか!」
彼の前には、巨大なドラゴンの死骸が転がっている。なんとかヤツを倒すことはできたが、目的の「聖なる秘宝」が、よりによってドラゴンの「股間」に挟まっていたのだ。しかも、絶妙な角度で。
「なんでだよ!なんでよりによってそんな所に!」
カイトは叫んだ。聖なる秘宝は光り輝き、神々しいオーラを放っている。しかし、それを手に入れるためには、ドラゴンの股間に手を突っ込むしかない。
「うおおおぉぉぉ…!」
カイトは意を決して、ドラゴンの股間に手を伸ばした。その瞬間、秘宝から眩い光が放たれ、天から声が響いた。
「勇者よ、そなたの並外れた変態性が、今、聖なる秘宝の力を呼び覚まそうとしている!」
「はぁ?変態性だと?」
カイトは呆然とした。そんな設定、聞いてない。しかし、声は続く。
「聖なる秘宝は、純粋で高潔な魂を持つ者しか扱うことができない。…と、思われていたが、実は真逆の能力を持つ者、すなわち、並外れた変態性を持つ者こそが、その真の力を引き出すことができるのだ!」
「いやいや、待ってくれ!俺は別に変態じゃねぇよ!」
カイトは必死に否定したが、すでに秘宝は彼の手に収まっていた。そして、彼の頭の中に、秘宝の能力が流れ込んできた。
「能力…、いや、これは…スキルだ!」
カイトは驚いた。秘宝が彼に与えたのは、常識外れのスキルだった。
* スキル名:股間の守護者(グレート・シークレットゾーン・プロテクター)
* 効果: 敵の股間を攻撃すると、100%の確率で敵を悶絶させ、一定時間行動不能にする。
* スキル名:聖なる金玉
* 効果: 触れた相手に神聖な光を放ち、敵の金玉を爆破する。
「な、なんだこれ…!」
カイトは震えた。こんなとんでもないスキルを授けられても、使い道がわからない。
その時、倒したはずのドラゴンが、うめき声をあげて立ち上がった。
「ぐおおお!人間め、まだ終わっていないぞ!」
ドラゴンは、尻尾を振り回してカイトに襲いかかった。カイトは慌てて聖なる秘宝の力を試すことにした。
「くそっ、もうどうにでもなれ!」
彼は叫び、聖なる秘宝をドラゴンの金玉…いや、股間…いや、金玉に向かって掲げた。
「聖なる金玉!」
秘宝から放たれた光は、ドラゴンの股間に直撃した。
「ぐあああああ!な、なんだと!私の…私の玉が…!」
ドラゴンは悲鳴をあげ、悶絶した。その姿は、まるで全身を虫にたかられたかのように身もだえし、苦しんでいた。
「くたばれ!股間の守護者(グレート・シークレットゾーン・プロテクター)!」
カイトはさらに追い討ちをかけた。彼はドラゴンの股間を殴りつけ、そして蹴り飛ばした。
「うぐぅ!や、やめろぉぉぉ!そんな…そんなことされたら、いくらドラゴンでも…!」
ドラゴンは、もはや戦う気力すら失っていた。
「ふん、これが聖なる秘宝の力か…。これなら、魔王も倒せるかもしれないな…」
カイトは、手にした秘宝を見つめた。その光は、彼の変態性を、いや、彼の可能性を、無限に広げていくのだった。